青森県音楽資料保存協会

事務局日記バックナンバー

<2009年5月>

(765) むつ下北第九を歌う会のA君へ その4
(766) むつ下北第九を歌う会のA君へ その5
(767) むつ下北第九を歌う会のA君へ その6
(768) 駒込獅子踊り その1
 
(765) むつ下北第九を歌う会のA君へ その4 2009年 5月 9日(土)
 川越晴美(元青森市民交響楽団団長)

 【むつ下北第九を歌う会のA君へ その4】


 青森市民が手作りの第九演奏会に取組んでいる・・・・私たちの街でも歌いたい、そうした願いを実現したのが、あなたがたの先輩たちでした。1988年第1回・むつ下北第九を歌う会演奏会がスタートしました。

 第5回後、10年間の休会を挟んで、03年に第6回演奏会を再開、青森市民響は第7回まで、演奏参加しました。そして、今年(執筆時点)、3年ぶりの第10回演奏会に参加しました。

 むつ第九演奏会の10年間休会の間に、五所川原を中心とした、奥津軽第九を歌う会が発足しました。通算して、5回演奏会を開きました。

 今でも語り草になっているのが、2004〜2005年の取組みです。青森第22回・むつ第7回・五所川原第5回、と、12月から新年1月にかけて、3回の第九演奏会に取組みしました。

 青森市民響は、これまで26年間(執筆時点)、定期演奏会の直後から第九演奏会に取組みしてきました。通算で、44回演奏したことになります。12月前後に、2回の第九演奏会に取組みする活動も、通算13年続けてきました。

 楽団の主メンバーの、怖いもの知らず、で、無我夢中、という一貫した姿勢が機関車の役割を果たしてきました。楽団員は勿論のこと、県内をはじめ、多くのエキストラにも、支えられてきました。2003年・第21回演奏会を期に、それまで参加した団員・エキストラの演奏メンバー・リストをまとめてみました。実数556人(第21回までに参加した演奏者数)です。21年間連続して参加した団員も、一人、として数えた数値です。


 (つづく)
 
(766) むつ下北第九を歌う会のA君へ その5 2009年 5月17日(日)
 川越晴美(元青森市民交響楽団団長)

 【むつ下北第九を歌う会のA君へ その5】


 さて、冒頭(むつ下北第九を歌う会のA君へ その1)に紹介した、合唱の中心メンバーであるあなたがたからの質問からは、毎年、むつ市で第九演奏会を開催したい、そうした情熱が感じられました。質問への応えは、そうした、思い、を持つことから始まる、ということです。

 昭和20年7月・アメリカB29による大空襲で廃墟と化した青森市で、青森市民交響楽団の戦争による中断演奏の復活は、同21年のこと。一人のバイオリンソロ演奏からスタートしました。そして、団員が二人になり、三人になり、十数人になりました。毎週の練習会場も転々としました。団長と指揮者の二人だけの出席、はさみ将棋でもしますか、ということも珍しくはなく、怖いもの知らずで、合奏するのが楽しみ、聞いてくれるチャンスがあれば、喜び勇んで、鋸の目立ての演奏をした・・・・そうした時期が続きました。


 (つづく)
 
(767) むつ下北第九を歌う会のA君へ その6 2009年 5月24日(日)
 川越晴美(元青森市民交響楽団団長)

 【むつ下北第九を歌う会のA君へ その6(終)】


 私に質問されたみなさんがたへ、先輩として進言したいのは、あなたがたが第九を目指してバイオリンを習う。自分が習いながら、仲間を募る。楽器は押入れの中で忘れられていた中古でもいい。弾いた音が鋸の目立てのようであっても、それが当然、と、自覚する。

 10年後の第20回むつ第九演奏会には、先輩の青森・八戸・弘前・十和田の市民オケの仲間に混じって、十数人が無我夢中で第九を演奏しているはずだ。

 さらに、10年後の第30回むつ第九演奏会には、3〜40人のむつ市民交響楽団が、県内のエキストラの共演を得て、総勢数十人のフルメンバーで第九を響かせていることでしょう。

 むつ市での市民交響楽団結成を目指すのであれば、10年後・20年後の展望を持った取組みを、今からスタートさせようではありませんか。弦楽器でしたら、鋸の目立ての音出しから、胸を張って始めるのです。勇気を持って、一歩、踏み出すのです。

 舞台袖で出番直前に出された、みなさんからの質問への答えになったでしょうか?


 (終)
 
(768) 駒込獅子踊り その1 2009年 5月31日(日)
 【駒込獅子踊り その1】


 [3年男子生徒の声]

 僕は、この獅子踊りというものは「ただの踊り」だと思い、軽い気持ちでやっていました。しかし、だんだん練習していくうちに、その軽い気持ちが「燃える思い」に変わっていきました。獅子踊り最高。


 [3年女子生徒の声]

 春に選択Bで何をするかということで、私は獅子踊りを選んだ。理由はちょっとおもしろそうだったし、簡単にできるだろうと思ったからだ。しかし、実際はけっこうハードで、すごく大変だった。正直、「ちょっと失敗したかなっ」て思ってた。でも、今はすごく楽しい!!
 9月12日に市民センターで敬老祭があって発表した。本番までの練習もすごくおもしろくて、楽しかった。そして本番。うまくできるかどうか心配だったけど、私は一つも間違えずにできた!!
 終わった後、来ていたおじいさんやおばあさんに「よかったよお」「すごいねえ!」などとすごくほめられた。うれしかった。そしてなにより、やったんだという達成感がすごくあって気持ちよかった!
 獅子踊り楽しい! おもしろい!! ビバ * ししおどり!!


(資料提供 青森市立戸山中学校)



 青森県内で伝統芸能に取り組む学校はたくさんありますが、そのほとんどが小学校であり、中学校になると生徒の関心が多方面に広がるため、せっかく小学校で伝統芸能に取り組んでも、中学生になるとそこから離れてしまうというケースが少なくないようです。そのため、中学校で伝統芸能に取り組む学校は、小学校ほど多くはないようです。

 こうした中、青森県内で地域の伝統ある獅子踊りに取り組んでいる中学校があります。青森市立戸山中学校です。

 その生徒たちの獅子踊りに取り組む生の声、そして指導にあたっている駒込獅子踊保存会の会長、高坂昊一氏のインタビューを当協会では2004年に取材しました。

 シリーズで、その、青森市駒込の獅子踊りについての情報を、お伝えしてまいります。


 (つづく)


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