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身体考察 2023年

 

2023年6月10日(土)

肩甲骨棘窩と上腕骨の上端に付着する棘下筋。この筋肉自体に凝った感覚や痛みが起きるといったことはあまりなく意外と見逃しやすい筋肉ではないであろうか?

運動機能としては肩を外旋させ、回旋腱板の一部として機能し、上肢肩関節が外転した時と身体の筋緊張が生じると同時にこの筋肉にも緊張が生じると見られるが、この棘下筋を見るべき所は運動機能でなく静止状態の時ほど緊張反応が起きていることにあると思われる。

つまり、左右肩甲骨上肢帯筋群や後背筋群の運動性、疲労性の緊張や神経性からくる身体の筋肉の緊張を吸収し、静かに受け止め、静かに緊張していることで身体に起きる運動系のゆがみを補正し安定へと保とうとしているとイメージし考察しています。

だが、あまり緊張反応の起きない棘下筋でも疲労などの要因によって肩甲骨が内転し、前へと圧迫した状態になると棘下筋の緊張が高まり、自身に感じることのない過緊張状態を維持するようになる。また肩甲骨上肢の疲労性の緊張、姿勢の立て直しなど身体にかかる筋の収縮が増すと同時に棘下筋の緊張がさらに増ようになる。

そして、肩甲骨の内転によって菱形筋が同時に拘縮し、棘下筋自体にはコリの感覚は起きないが、その代わりに肩甲骨周辺や左右肩甲骨間の背中にコリを感じるようになる。また感覚肩甲骨上肢帯の柔軟性、運動力の低下による肩関節鍵盤の拘縮させていくようにもなり、上腕骨腱板に痛みや肩関節可動の低下など引き起こす要因にもなり、また肩が引きあがった状態へとなるために胸部、後背部、頸部、そして身体全体が常に過緊張状態になる。

ある書籍で、この筋肉が凝った状態にある人は、どこか焦りを感じている人が多いと記述していたことを思い出しました。

 

 

2023年5月15日(月)

人間の脊柱、背骨はS字に弯曲された生理弯曲にあることが標準とされているが、個人の体質によってはS字の生理弯曲の状態になく垂直の状態のような脊柱にある方もいる。

垂直というと語弊かもしれないが、そのような脊柱の状態を観察すると胸椎4〜7番にかけて前方向に圧迫した状態で拘縮し、胸椎起立筋群の拘縮に反発し腰椎、仙骨が後弯に拘縮している。それに伴い頸椎も腰椎と並び後弯していることで脊柱が垂直のようなに状態になっている。

脊柱全体の筋繊維が拘縮にあり、左右股関節大腿が常に内転・内旋に緊張状態にある。股関節大腿が常に内転・内旋にある方は股関節の可動が乏しく、歩行を行う際は股関節大腿の捻転作用を利用しながら両脚を前に出す特徴があるので、脊柱が垂直化し、腰椎が後弯にあると仙椎からから腰椎4・5番を拘縮させるようになる。また股関節も捻転作用の負荷で股関節周辺の腱と筋繊維を徐々に悪くさせているようである。内蔵機能もやや弱い面もあるのではと推測しています。

垂直の脊柱となる原因は四肢の可動不足やゆがみや後背筋群の拘縮などといった後天的な要因もありうるでしょうが、恐らくは先天的によるものと思われる。

 

 

2023年4月27日(木)

各椎骨のゆがみと拘縮を除き、脊柱のゆがみは身体の捻転作用から起こしていくと考察する。

身体は立位姿勢でも、座位姿勢の状態であっても片側の骨盤下肢にかかった重心を反対側に移動させていくことでバランスを補正し、同時に重心移動がなされた反対側に支点軸からの捻転作用による緊張で身体のバランスを保つことができているのだが、連動して脊柱が捻転し、ゆがみを生み出していくと思われる。

その作用が左右に及び、仙腸関節が拘縮されることで脊柱が緊張により固定化し、そして上肢、下肢運動による筋緊張、体幹のゆがみからの筋肉の流れの変化から側弯が発生するようになる。そして各個人の機能性要因、神経性要因など、様々な要因により脊柱全体を拘縮させ、姿勢に影響を与えていくと推測しています。

脊柱を正すために側弯を改善させることも大事だが、まずは捻転作用によって引き起こされた脊柱の緊張、拘縮を緩和解消させなければいけない。

そのポイントとなる箇所は支点軸からの捻転作用が起きる骨格にあると確信しています。ポイントとなる箇所を調整させることで、初見では緊張、拘縮された脊柱が徐々に和らぎ、隠れ潜んでいたゆがみが表れていくるようになる。

 

 

2023年4月7日(金)

胸郭・肋骨の拘縮やわらげ、ゆがみを解消させていくために、押さえておくべき箇所を挙げるとするなら

肩甲骨下角先端に位置する第七肋骨、この箇所は肩甲骨の転位と左右肩甲骨上肢帯の平衡バランスの崩れによって緊張が生じていくと見られる。この箇所の肋骨部位にゆがみと拘縮が強いと上肢挙上運動の可動と柔軟性を低下させる。この箇所の拘縮と共に後背筋群の拘縮性緊張状態が高いと肩関節の挙上運動は回復できても肘関節の伸展の柔軟性の低下が残り、他力で挙上をさせても肘関節が屈曲した状態で挙上している。

次に第十二肋骨、この箇所は骨盤下肢の転位と捻転と同時にゆがみが起きるようである。この箇所はゆがみが生じ残りやすく、個人の座位姿勢と左右肩甲骨上肢帯の状態で左右どちらかに常にゆがみが持ち続けることとなる。第十二肋骨は姿勢による影響も受け、慢性的に過緊張、拘縮にある方は胸椎の後弯が強調した姿勢となっている。この箇所が慢性的に拘縮した状態にあると胸郭と共に骨盤をも硬直させた状態となり脊柱の拘縮、四肢を過緊張にさせると見られる。第十二肋骨は折れやすい骨であるため注意が必要。

そして第一肋骨、第一肋骨は鎖骨下、胸郭出口内部、後背部と3つを押さえる。頸椎、頭蓋骨を支え、慢性的な拘縮は肩甲骨上肢帯の運動機能の低下だけでなく頸部、頭蓋骨の緊張から起こる症状を招く恐れがある。

肋骨のゆがみ、緊張を解消緩和させていくために、まずはこの3箇所。個人の体格、年齢、身体状態によって押さえる必要がある場合と無い場合があると考察します。

 

 

2023年3月29日(水)

腰椎椎間板への応力負荷を緩和させていくためには腰椎、骨盤下肢のみ調整だけで終えずに胸椎のゆがみと拘縮を緩和させる必要がある。

特に胸椎が後弯拘縮であればL4・5を負荷拘縮させ、腰椎椎間板にかかる応力負荷が増加される。

そして胸椎後弯による姿勢起立筋、後背筋群が慢性的に拘縮させていくほどに腰椎が前弯に傾斜し脊柱管をも圧迫させていくとみられる。

胸椎のゆがみと拘縮を緩和解消させていくためには胸郭・肋骨のゆがみとゆがみにより発生する筋繊維の緊張、拘縮も緩和解消させなければいけない。

 

 

2023年3月12日(日)

鎖骨そして胸鎖関節鎖骨下に位置し胸骨柄と連結する鎖骨下第一肋骨は肩甲骨上肢帯の運動機能よる影響を受けている。

左右の肩甲骨上肢帯の運動によって起きる筋緊張差と肩甲骨上肢帯と胸部、頸部の平衡バランスの転位を鎖骨下第一肋骨と付着する鎖骨下筋の収縮緊張することで頸部、胸部、肩甲骨帯のバランスの転位を修正し安定した状態にさせているとみられる。

肩甲骨上肢帯の運動で影響を受けると記述したが主動的に運動させる肩甲骨上肢帯側の鎖骨下第一肋骨には負荷は少ないが、上腕骨頭を軸に運動させている側の鎖骨下第一肋骨に拘縮が強くみられる。上腕骨頭を軸に運動する肩甲骨上肢帯の状態を観察すると肩甲骨・肩関節が挙上外転し、回内強調で上腕骨が内旋した状態にある。 過去に元マラソン選手オリンピック金メダリストのT・Nさんが練習中に左鎖骨下第一肋骨を疲労骨折されたというニュースを耳にしたことがあり、恐らく左肩甲骨上肢帯が上腕骨頭を軸に運動させて続けていたことによると推測した。

一般の方では、やはりパソコン業務を代表するようにあまり可動域が少ない運動での疲労性緊張によるものが鎖骨下第一肋骨を拘縮させる率が高いとみられる。

この鎖骨下第一肋骨とそれに位置する箇所を拘縮させていくことは常に上肢を内旋緊張した状態で維持され肩甲骨上肢帯の可動運動機能を低下させ、常に腕に重みを感じることになり、肩関節上腕が内旋にあることで三角筋の外側が緊張痛または肩関節周囲炎などの関節痛を起こすようにもなる。

また左右肩甲骨上肢帯の過緊張と共に肩甲骨上腕関節をも慢性的に拘縮させた状態になれば上部側胸部、胸郭・肋骨を過緊張、拘縮させていき、胸郭出口内の第一肋骨肋椎関節を硬直した状態にさせていく。第一肋骨には斜角筋も付着していることで鎖骨下第一肋骨の拘縮と共に胸鎖乳突筋の過緊張、斜角筋を拘縮させ頸椎を収縮過緊張状態にし、慢性化すれば首に痛みを起こすようにもなる。

 

 

2023年2月27日(月)

頸椎3・4番と顎関節は相互に影響し合っていると見られる。

顎関節のゆがみが起きると頸椎3・4番を拘縮させ頸部を顎関節のゆがみの影響を抑えているが、頸椎3・4番の拘縮が持続させていることで顎関節の関節部のゆがみに伴う拘縮を保持させていることで頸部と頭部を緊張させている。

また運動機能による肩甲骨上肢帯のゆがみ、緊張差、平衡バランスの転位、そして、それに付随する頭蓋骨の転位からでも顎関節にゆがみを生み、同時に頸椎の3・4番に負荷をかけ拘縮させていく。これは個人の体質、日常の姿勢状態によるが頸椎3・4番に伴い頸椎1・2番をも拘縮させていくとストレートネックの状態となると思われる。

この頸椎3・4番、特に棘突起部の拘縮を緩和解消にさせていかなければ顎関節のゆがみと関節部の拘縮を解消していかず、頭蓋骨の転位緊張をも解消へと向かわせていかないと考察します。その逆もまたそうである。

 

 

2023年2月12日(日)

昨年からウィズ・コロナという方向(?)で社会が動き出したことは良いが、急激な社会の動きの変化で無意識に体と心に過緊張状態となり、その過緊張状態から身体に不調を起こす人が来院されることがありました。

女性が大半でその症状は胸を押さえつけられるような感覚に襲われ心拍数が上がり、動悸を起こし不安感に襲われる。またパニック障害のような発作を起こした、これまで起こらなかった発作が起きるようになったといった女性もいらっしゃった。ただ来院された時期が12月と寒気が高まる時期もあって寒気による身体の緊張も合わさったことも要因の一つではないかとも推測しているが、恐らく自身でも感じ取れないストレスにより身体を過緊張にさせてしまっていると見受けられる。

身体状態を見ていくと副腎反射区の緊張とth5・6にゆがみと拘縮がみられた。副腎は副腎皮質ホルモンを分泌し心臓の脈拍を整える機能もあるのですが、自身でも感じ取れないストレスの蓄積で副腎自体も疲労してホルモンが過剰に分泌されたことで激しい動悸を起こしたのでは推測している。そして、これまで何度も記述したTh5・6は精神的疲労、心労を蓄積させ拘縮さていく。またこの箇所は肺の反射でもある。心労がその方の持つ許容量を越えていくと突発的に咳込みや過呼吸を起こす恐れがあります。

身体バランスを調整し、副腎反射区の緊張とTh5・6のゆがみと拘縮を和らげ解消させていくことで落ち着きを取り戻していると思われるが、当然医師、専門医の診断を勧めています。そのうえで安心材料として見ていただければと思います。

このようなストレスや精神的な疲労が要因の症状の方に対して私はいつもできそうでできないことを言っているなとは思っているものの、お客様にこう言っています。

気持ちゆっくりとのんきにスロースタートでいきましょう。

 

 

2023年1月28日(土)

神経の安定化を進め停滞期を短くさせていくためには仙骨と頭蓋骨にある縫合を調整することが必要としている。

仙骨は副交感神経が出ており、昔から狂気を治すツボと言われる経穴が存在し脳と密接な関係がある。仙骨を調整することで副交感神経を抑制させ下肢運動を支え、骨盤を強化安定させる。

そして脊柱、自律神経を安定化させていくために頭蓋骨縫合の調整は必ず行うべきとみている。縫合が過緊張的な状態にあると腹圧が低下し、体幹内部の筋力を低下させ姿勢を拘縮した状態となり痛みなどの不快な刺激が継続されると思われる。側頭骨、頭頂骨を併用して調整し縫合の緊張を緩和させていくことで自律神経の緊張を和らげ安定化へと進めていく。

この2箇所を必ず調整することが自律神経の安定化を進め停滞期を短く越えさせる調整法だと考えています。

余談ではありますが縫合の線上には自律神経を整えると言われ、耳にする経穴があり、この経穴のあたりが大きくくぼんでいたり、ブヨブヨした状態にあると精神的な負担が意外と大きい状態にあると推測できます。

 

 

2023年1月9日(月)

ダイエットを始めて体重が落ちていったとしても、ある時期から一向に落ちていかないといった停滞期が起こることがあります。これと同じように身体調整を行っていて似た現象が起こることがあります。

調整を始めてからの期間は順調に痛みが以前よりも和らぐなどといった改善方向へと向かっていくが、調整を行っていく段階で急に変化が見られず改善が妨げられるようになる。この現象を停滞期に入ったと見ている。停滞期は症状を保ち続けていた期間、年齢、身体状態によって違いがあります。

この停滞期が起きる原因はホメオスタシスの機能が働いたものと推測する。ホメオスタシス(恒常性)を簡単に説明すると生体の内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする反応であり、このホメオスタシス(生体恒常性)の機能が働き、身体の外から受ける環境や内部の変化を恐れ、現状を維持させようと不変傾向にさせる生体反応が起きる期間が停滞期と思われます。

停滞期は身体にかかる重心位置、体勢、そして筋肉の流れなどの身体バランスの崩れ、変化に対して自律神経が安定できずにあり、同時に以前から身体のゆがみで負荷をかけ続け鈍麻となった筋繊維と神経節に違和感、痛みという形で表れる。そして停滞期と不変傾向は疾患を維持し続けていた期間、そして年を重ねていくほどに長くなるようである。

この停滞期と不変傾向は施術を進めていく段階で、個人差はあるが、起こる現象と認識し、如何にして停滞期を短くさせ越えさせていくかが問題。その期間を短く越えさせていくためには身体体勢の調整と並行し神経を安定化を進めていくことが必要であると睨んでいる。