〜き(きぃ) <接>[意]〜だから。[例]あさめしゅう、くうちょらん、めがまうごたる(朝ごはんを食べていないから、目が回るようだ)。じゃあきぃ、いうたじゃあねえな(だから言ったじゃない)。

きかする <動・中三>[意]聞かせる。命令形は「きかしい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きかせん [意]聞かせない。[例]いうちきかせんと、わからん(言って聞かせないとわからない)。
 〔未〕きかしゅう [意]聞かせよう。[例]おもしりいもぬぅ、きかしゅう(面白いものを聞かせよう)。
 〔仮〕きかすら [意]聞かせれば。[例]いうちきかすら、いいじゃねえか(言って聞かせればいいじゃないか)。
 〔命〕きかしい、きかせよ [意]聞かせろ、聞かせて。〔例〕はよ、きかしい(早く聞かせろ)。なあ、きかせよちゃ(ねえ、聞かせてってば)。


きがゆる 
<動・中三>[意]着替える。命令形は「きがいい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きがえん [意]着替えない。[例]きがえんと、ひとぃ来るで(着替えないと人が来るよ)。
 〔未〕きがゆう [意]着替えよう。[例]なり、きがゆうか(なら、着替えようか)。
 〔仮〕きがゆら [意]着替えれば。[意]きがゆら、いいわ(着替えればいいよ)。
 〔命〕きがいい、きがえよ [意]着替えろ、着替えなさい〔例〕もう、きがいいや(もう、着替えろよ)。そりい、きがえよ(それに着替えなさい)。


ききとされもねえ 
<句>[意]聞きたくもない。
 ※『緒方町誌』


ぎぎゅうじょる 
<句>[意]縮こまっている様。小さくまとまっている様。小柄な人の体格をけなす際にも使われる。「ぎぎゅじょる」ともいう。[例]こんめえころかり、ろくなもぬう、くうちょらんき、ぎぎゅうじょる(小さなころから、ろくなものを食べていないから、体が小さく縮こまっている)。
 ※清川・康晴さん。


きこゆる <動・中三>[意]聞こえる。命令形は「きこいい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きこえん [意]聞こえない。単に聞こえないだけでなく、相手の言い分に承服できないことを意味することもある。[例]そげんこたぁ、きこえんなあ(そんなことは承服できないなあ)。
 〔未〕きこゆう [意]聞こえよう。[例]そげえ、おらば、むこうんやまじでん、きこゆう(そんなに大声を出せば、向こうの山ででも聞こえよう)。
 〔仮〕きこゆら [意]聞こえれば。[例]きこゆら、なんかいうちくるわ(聞こえれば、なにか言ってくるよ)。
【邦訳日葡辞書】「キコユル」聞こえる。


きさねぇ
 <形>[意]汚い。[例]はなくすぅ丸めた指じ、あたんな、きさねえじゃねえか(鼻くそを丸めた指で触るな、汚いじゃないか)。
 〔用〕きさのうなる [意]汚くなる。[例]くつい、きさのうなるに(靴が汚れるのに)。
 〔仮〕きさなから [意]汚ければ。[例]きさなから、せつかろう(汚ければいやだろう)。


きさんたらしい <形>[意]汚らしい。
 〔用〕きさんたらしゅう [意]汚らしく。[例]こげえ、きさんたらしゅうしちから(こんなに汚らしくして)。
 〔仮〕きさんたらしから [意]汚らしければ。[例]こげえ、きさんたらしから、わらわるるで(こんなに汚らしければ笑われるよ)。
 ※緒方・入道さん


ぎし
 <名>[古]岸[意]岸。田畑の高い畦の端。古くは「ぎし」と濁って発音されていたらしい。

ぎしぎし 
<名>[意]タデ科の多年草、酸葉(すいば)。「とうぎし」「とうとぎし」とも。畑の畔、つまり岸に生えることが多いことからか。かつては、ちぎってそのまま食したものだ。
 ※緒方・みっこさ
【邦訳日葡辞書】「ギシギシ」この名で呼ばれる草。


きしょきぃなる 
<句>気色ぃなる[意]病が治る。回復する。「おりあう」に似るが、「おりあう」は一時的なもので小康状態を意味する。
 ※清川・康晴さん、千枝さん


きじょわしい
 
<形>[意]気持ちがせいて落ち着かない。気ぜわしい。
 〔用〕きじょわしゅう [意]気ぜわしく。[例]あさかり、きじょわしゅうじなあ(朝から気ぜわしくてねえ)。
 〔仮〕きじょわしから [意]気ぜわしければ。[例]そげえ、きじょわしから、たのみにきいなあ(そんなに気ぜわしければ、頼みにくいなあ)。

きする <動・中三>[意]着せる。標準語では下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし命令形が「きしい」となることから正確には中三段活用と呼ぶべきである。
 〔未〕きせん [意]着せない。[例]はよう、きせんと(早く着せないと)。
 〔未〕きしゅう [意]着せよう。[例]いまかり、きしゅう(今から着せよう)。
 〔仮〕きすら [意]着せれば。[例]どりゅう、きすら、良かろうか(どれを着せれば良いだろうか)。
 〔命〕きしい、きせよ [意]着せろ。着せなさい。[例]あるぅ、きしい(あれを着せろ)。あんた、着せよ(あなたが着せなさい)。


きたむき 
<副名>[意]普段着を着たきりで。
 ※『緒方町誌』


きたゆる 
<動・中三>[意]鍛える。「こきつかう」という意味合いをもつ。命令形は「きたいい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きたえん [意]鍛えない。[例]そげえ、きたえんじょくれ(そんなに、こき使わないで)。
 〔未〕きたゆう [意]鍛えよう。[例]。ちっと、きたゆう(少し鍛えよう)。
 〔仮〕きたゆら [意]鍛えれば。[例]きたゆら、ちったぁましになろう(鍛えれば少しはましになるだろう)。
 〔命〕きたいい、きたえよ [意]鍛えろ。[例]まっと、きたいい(もっと鍛えろ)。


きたわるる 
<動・中三>[意]仕事などで、きつい思いをさせられること。こきつかわれること。標準語に直訳すれば「鍛えられる」だが、大分ではむしろ感嘆詞的に使用される。命令形は「きたわりい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。[例]また、台風じゃが、きたわるるのぉ(また台風だよ、きついなあ)。
 〔未〕きたわれん [意]こき使われない。[例]こげえ、あめい、ふら、きたわれんじすむ(こんなに雨が降れば、こき使われずに済む)。
 〔未〕きたわりゅう [意]こき使われよう。[例]あしたぁ、きたわりゅうで(明日はこき使わるだろうよ)。
 〔仮〕きたわるら [意]こき使われれば。[例]ちったぁ、きたわるら、いいわ(少しはこき使われるといいよ)。
 〔命〕きたわりい [意]こき使われろ。[例]こんだ、おまえい、きたわりい(今度はお前がこき使われろ)。


きちい
 
<形>[意]きつい、きびしい。「きてぃい」に同じ。[例]駅かり歩きよんのじゃが、きちいわあ(駅から歩いているんだけど、きついよ)。
 〔用〕きつうなる [意]きつくなる。[意]こっかり、きつうなるで(ここからきつくなるよ)。
 〔仮〕きつから [意]きつければ。[意]きつから、よこいなあ(きつければ休みなさい)。


ぎっくり 
<名>[意]しゃっくり。

ぎっこたんばっこたん 
<名>[意]シーソー。「ぎったんばっこん」に同じ。

ぎったんばっこん
 
<名>[意]シーソー。「ぎっこたんばっこたん」とも。

きてぃい 
<形>[意]きつい、厳しい。「きちい」に同じ。終止形の「きてぃい」以外の活用は「きちい」に同じ。

きどぐち 
<名>木戸口[意]標準語でも通用するが、実際に木戸がなくても宅地の敷地から外につながる出入り口のことを言う。

きな
 <名>黄な[意]黄色。「黄粉」は「きなこ」と読むので古くは「きな」といったのだろう。[例]いいな、信号がきなになったら渡ったらいけんので(いいかい、信号が黄色になったら渡ってはいけないんだよ)
【邦訳日葡辞書】「キナ」黄色の。「キナイロ」黄色。


きなごえ <名>黄な声 [例]金切声。甲高い声。黄色い声。
 ※清川・邦友さん


きなみ 
<名>黄な身[意]卵黄。
 ※清川出身・三鷹んあんちゃん


きにょう 
<名>[意]昨日。主に高齢者が使い、若い人は一般に標準語と同じ「きのう」を使う。

きねえ
 
<形>[意]黄色い。強調する場合は「きぃねえ」、さらに強調する場合は「まっきねえ」となる。
 〔用〕きのうなる、きのなる [意]黄色くなる。[例]はっぱい、きのうなる(葉っぱが黄色くなる)。
 〔仮〕きなから [意]黄色であれば。


きのう(きにょう)んばん
 <>昨日ん晩[意]一昨日の夜。[例]きにょうんばんな、おまや、どきぃ、いっちょったんか(一昨日の夜、お前はどこに行っていたのか)。

きのどきい <形>[意]気の毒な。標準語では形容動詞「気の毒な」であるが、大分では形容詞として使われる。[例]そげんこつぅしちもらや、きのどきいがなあ(そんなことをしてもらっては、気の毒だなあ)。
 〔用〕きのどきゅうなる [意]気の毒になる。[例]みちょると、きのどきゅうなる(見ていると気の毒になる)。
 〔仮〕きのどくから [意]気の毒であれば。[例]きのどくから、やめちょきなあ(気の毒に思うのならやめておきなさい)。



きびがいい 
<句>気味が良い [意]小気味が良い。気持ちが良い。スカッとする。[例]あげえ、あしがはええと、みちょっち、きびがいいなあ(あんなに足が速いと、見ていて気持ちが良いねえ)。
 ※清川・邦友さん


きびる 
<動・五>[意]結わえる。結ぶ。
 〔未〕きびらん [意]結ばない。
 〔未〕きびろう [意]結ぼう。
 〔仮〕きびら [意]結べば。
 〔命〕きびれ [意]結べ。
 ※清川出身・三鷹んあんちゃん 


きびがわりい 
<句>気味が悪い [例]気味が悪い。不気味である。[例]まへびゃあ、きびがわりい(マムシは気味が悪い)。
 ※清川・邦友さん


きびしょ
 
<名>[意]急須。辞書に載る言葉で「急焼」の漢字を使うとある。唐音が語源らしい。しかし、大分以外で耳にしたことはない。ほかに男性器を指す隠語。

ぎぼ <名>[意]突起、ぽっち。擬宝珠からか。
 ※『緒方町誌』


きむる 
<動・中三>[意]決める。命令形は「きみい」なので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きめん [意]決めない。[例]だれかい、きめんとなあ(誰かが決めないとねえ)。
 〔未〕きみゅう [意]決めよう。[例]おれい、きみゅう(おれが決めよう)。
 〔仮〕きむら [意]決めれば。[例]あんたぃ、きむら、いいわ(あなたか決めればいいよ)。
 〔命〕きみい、きめよ [意]決めろ[例]おまえぃ、きみい(お前が決めろ)。なんでんいいいき、はよ、きめよ(なんでもいいから、早く決めなさい)。


ぎめ 
<名>[意]直翅目バッタ科の昆虫の総称、バッタ。
 ※緒方・入道さん

きやしい 
<形>[意]気安い。
 〔用〕きやあす、きやすう [意]気安く。[例]きやあす、いわんじょくれ(気安く言わないでください)。
 〔仮〕きやすから [意]気安ければ。


きやっとする 
<句>[意]筋を違えるなどしてズキンと痛みが走ること。打ち身や骨折の痛みには使わない。

きゃふ 
<名>[意]腰巻。
【邦訳日葡辞書】「キャフ」婦人が腰から下に巻きつける下着の白い布。


ぎゅうらしい 
<形>[意]やかましい。[例]ああもう、ぎゅうらしいなあ(ああもう、やかましいなあ)。
 〔用〕ぎゅうらしゅう [意]やかましく。[例]そげえ、ぎゅうらしゅう、いいなんな(そんなにやかましく言わないで)。
 〔仮〕ぎゅうらしから [意]やかましければ。[例]そげえ、ぎゅうらしから、もういぬるど(そんなにやかましければ、もう帰るぞ)。


きゆる 
<動・中三>[意]消える。標準語では下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし命令形が「きいい」となることから正確には中三段活用と呼ぶべきである。
 〔未〕きえん [意]消えない。[例]まだ、きえんのう(まだ消えないね)。
 〔未〕きゆう [意]消えよう。[例]じきぃ、きゆうで(すぐに消えるだろうよ)。
 〔仮〕きゆら [意]消えれば。[例]はよ、きゆら、いいにのう(早く消えればいいのになあ)。
 〔命〕きいい、きえよ [意]消えろ。[例]もう、きいい(もう消えろ)。


きよむる 
<動・中三>[意]清める、浄める。命令形は「きよみい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きよめん [意]清めない。[例]ちょっと、のんじ、きよめんとな(少し飲んで清めないとね)。
 〔未〕きよみゅう [意]清めよう。[例]じゃあじゃあ、きよみゅう(そうだそうだ、清めよう)。
 〔仮〕きよむら [意]清めれば。[例]なり、これじ、きよむらいいわ(それなら、これで清めればいいよ)。
 〔命〕きよみい、きよめよ [例]おまえも、きよみい(お前も清めろ)。


きらず 
<名>[意]おから。豆腐と違って切らずに食べることから。
 ※清川・康晴さん


ぎり
 
<名>[意]頭のつむじ。[例]おまや、ぎりがみっつもあんのお(お前は、つむじが三個もあるねえ)。

きりめくせえ 
<形>[意]何かが燃えた後のようなにおいがすること。きなくさい。[例]なんかもえよらせんか、きりめくせえど(何か燃えているのではないか、きな臭いぞ)。
 ※荻・はらよしえさん


きる 
<動・五>[意]衣類を身に着けること以外に「布団をかける」意味でも使う。標準語では上一段活用だが大分ではラ行五段活用となる。[例]ちゃんと、布団をきるんで。(布団をかけるんだよ)。
 〔未〕きらん [意]着ない。布団をかけない。
 〔未〕きろう [意]着よう。布団をかけよう。
 〔仮〕きら [意]着れば、布団をかければ。
 〔命〕きれ、きりよ [意]着ろ。布団をかけろ [例]もういちまい、ふとんぬ、きれ(もう一枚、布団をかけろ)。こるぅ、きりよ(これをかけなさい)。
 ※緒方・入道さん、竹田出身・水瀬さん


〜きる
 
<助動>[意]動詞の連用形について、その動作が可能であることを意味する。出来る。[例]ふんとに、しきるんか(本当にできるのか)
 〔未〕〜きらん [意]〜できない。[例]泳ぎきらんに(およぐことができないんだ)。もう、あるききらんごとなった(もう、歩けないようになった)。
 〔未〕〜きろう [意]〜できるだろう [例]もう、よみきろう(もう、読めるだろう)。
 〔仮〕〜きら [意]〜できれば [例]おれぃ、しきら、いいんじゃけんど(おれができれば良いんだけど)。

きるる <動・中三>[意]切れる。命令形は「きりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きれん [意]切れない [例]ほうちょうい、きれんごとなった(包丁が切れないようになった)。
 〔未〕きりゅう [意]切れよう。[例]まだ、きりゅうがえ(まだ切れるだろうに)。
 〔仮〕きるら [意]切れれば [例]そこじ、きるら、きんなあ(そこで切れれば切って)。
【邦訳日葡辞書】「キルル」小刀、剃刀などが切れる。


きわむる 
<動・中三>[意]極める。命令形は「きわみい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕きわめん [意]極めない。
 〔未〕きわみゅう [意]極めよう。
 〔仮〕きわむら [意]極めれば。
 〔命〕きわみい、きわめよ [意]極めろ。


きをからぐる 
<句>[意]気を張る、気を引き締める。
 ※『緒方町誌』


ぎんぐりあう
 <動・五>[意]いがみ合う。双方の意思が違ってもめる。一過性のいざかいではなく長期にわたる。「げんぐりあう」とも。
 〔未〕ぎんぐりあわん [意]いがみあわない。[例]もういいくれ、ぎんぐりあわんごとしよえ(もういい加減に、いがみ合わないようにしなさい)。
 〔用〕ぎんぐりおうた [意]いがみあった。[意]また、ぎんぐりおうたんな(また、いがみ合ったの)
 〔仮〕ぎんぐりあわ [意]いがみあえば。


きんござ 
<名>[意]粗末な敷物に車座になって座り酒盛りをすること。
 ※清川・康晴さん


きんころ 
<名>[意]近頃。[例]きんころ、みらんとおもうたら、わるかったんと(最近、顔を見ないと思ったら、具合がわるかったんだって)。
 ※清川・邦友さん


んしょ <名>近所[意]近所、近隣。[例]そこらきんしょ(そこら近所)。
 ※緒方出身・HIROさん


きんぴら
 
<名>[意]短気者。


きん
ま <名>木ん馬[意]伐採した木材を運び出すために乗せる橇(そり)。
 ※緒方・入道さん


きんまみち 
<名>木ん馬道[意]伐採した木材を橇=木馬(きんま)に乗せて斜面を曳いて降りる際、丸太を階段状に横に並べて木馬が滑りやすくした道。
 ※清川・康晴さん

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