〜た <連語>「と・は」の短縮形[意]〜というのは。[例]警察に捕まったた、どしたこつな(警察に捕まったというのは、どういうことですか)。
だ <名>座?[意]畳や板の間など、上がり框(かまち)から奥の床。大分では往々にしてザ行とダ行が混乱するので、おそらく本来は「座」であろう。[例]だに上がる前に、あしゅう、あろうちょいで(框から上に上がる前に、足を洗っておいで)。
<参>古語「座」には「集会の場所」「人の集まる場所」の意有り。
だあだあ <名>[意]牛のこと。牛を止める掛け声としても使う。[例]だあだあに食わするほづある(牛に食わせるほど、沢山ある)。
※緒方・みっこさ
〜たいう <句>[意]標準語では「〜だってさ」「〜とはねえ」。人の言ったことを繰り返した後にこの句を付けて、からかう、或いは馬鹿にする、第三者に同意を求める場合などに使う。「〜がいいで」「〜がいいやん」に同じ。[例]飛行機が2時間遅れたいう、どおくっちょんのぉ(飛行機が2時間遅れだってさあ、ふざけているよなあ)。
だいずじの <名>大豆収納[意]大豆の収穫作業。
たいらく <名>大楽[意]太平楽なこと。大きな口をきくこと。[例]いってん、たいらくんじょういう(いつでも大きなことばかり言う)。
たいわんぼうず <名>台湾坊主[意]冬季に発達して大荒れの天候をもたらす低気圧。爆弾低気圧。
たうえよこい <名>[意]田植えが終わった後の宴会や小旅行。「泥落とし」「さなぼり」に同じ。
たえなし <名>[意]根性なし。[例]わりゃ、たえなしじゃのお(お前は根性なしだねえ)。
たえんねえ <句>[意]不甲斐ない、口ほどにもない、あっけない。[例]なんかええ、たえんねえ、しゃんとせんかえ(なんだよ、不甲斐ない、しゃきっとしろよ)。
たおかす <動・五>[意]物を倒す。
〔未〕たおかさん [例]倒さない。
〔用〕たおけえた [例]倒した。
〔仮〕たおかさ [例]倒せば。
たおるる <動・中三>[意]倒れる。命令形は「たおりい」で、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。
〔未〕たおれん [意]倒れない。[例]ふてぃ、きじゃき、なかなかたおれんのじゃ(太い木だから、なかなか倒れないんだ)。
〔未〕たおりゅう [意]倒れよう。[例]やんがち、たおりゅうで(じきに倒れるだろうよ)。
〔仮〕たおるら [意]倒れれば。[例]よこしぃ、たおるら、おおごとで(横に倒れたら大変だよ)。
〔命〕たおりい [意]倒れろ。[例]あっちさね、たおりい(あっちの方に倒れろ)。
だがい <名>駄飼い[意]牛馬に餌をやること。[例]だがゆうせなならんき、旅行やらいきださん(牛馬に餌をやらなければならないので、旅行などには行けない)。
たきもん <名>焚きもん[意]焚き物。薪。
※緒方・入道さん
たく <動・五>[意]炊く。焚く。標準語とは活用形が一部異なる。
〔未〕たかん [意]たかない。
〔未〕てえた [意]たいた。
〔仮〕たか [意]たけば。
たくでる <動・五>[意]方々で埒もないことをしゃべり歩く[例]あんしゃ、ようたくでちあるくでなあ(あの人は、よくしゃべり歩くよねえ)。
〔未〕たくでらん [意]しゃべり歩かない。
〔仮〕たくでら [意]しゃべり歩けば。
※荻・はらよしえさん
たくなる <動・五>[意]シャツなどの裾がズボンからはみ出ること。
〔未〕たくならん [意]シャツなどの裾がはみ出ない。
〔未〕たくなろう [意]シャツなどの裾がはみ出るだろう。
〔仮〕たくなら [意]シャツなどの裾がはみ出れば。
たぐる <動・五>[意]咳き込む。
〔未〕たぐらん [意]咳き込まない。
〔仮〕たぐら [意]咳き込めば。
※緒方・入道さん
たけえ <形>[意]高い。
〔用〕たこうなる [意]高くなる。大分弁ではウ音便の形になる。[例]ひが、たこうなる(日が高くなる)。
〔仮〕たかから [意]高ければ。[例]たかから、かいなんな(高ければ買わないで)。
たける <動・五>[古]長ける、闌ける[意]主にゼンマイや蕨、筍など食用植物が食用とするには生長しすぎたことをさす。辞書には「盛りを過ぎる。末になる。季節が深まる」とある。[例]そんわらびゃ、ちっとたけっちょるで(その蕨は、すこし成長しすぎているよ)。
〔未〕たけらん [意]成長しすぎない。[例]たけらんうちぃ、とりいいこうえ(成長しすぎないうちに採りに行こうよ)。
〔用〕たけった [意]成長しすぎた。
〔仮〕たけら [意]成長しすぎたら。[例]たけのこぁ、たけら、くわれんで(筍は成長しすぎたら食べられないよ)。
<参>鎌倉幕府三代将軍、源実朝の歌集『金槐和歌集』に以下のような歌がおさめられている。
214 伊勢の海や 波にたけたる 秋の夜の 有明の月に 松風ぞ吹く
216 塩釜の 浦ふくかぜに 秋たけて 籬(まがき)の島に 月かたぶきぬ
214の歌の「たけたる」は「盛りを過ぎた」、216の歌の「秋たけて」は「秋更けて」の注釈がついている。
また、『源氏物語』の「東屋」には「(略)日たけて起きたまひて(略)」(日が高くなってお起きになって)とのくだりがある。
だご <名>[意]団子。[例]だごじる(団子汁)。だごばち(団子蜂)
たごかす <動・五>[意]捻る、くじく、捻挫する。[例]くだりじ、あしくびゅう、たごかした(下りで足首をくじいた)。
〔未〕たごかさん [意]くじかない。[例]あしゅう、たごかさんごとな(足を捻らないようにね)。
〔用〕たごけえた [意]くじいた。
〔仮〕たごかさ [意]くじけば。[例]いっかい、たごかさ、くしいなるんじゃ(一度、捻挫すれば癖になるんだ)。
<参>ねたごかす
だごばち <名>[意]オオスズメバチ。「だんごばち」に同じ。
だす <動・五>[意]出す。標準語とは活用形が一部異なる。
〔未〕ださん [意]出さない。
〔用〕でえた [意]出した。
〔仮〕ださ [意]出せば。
たすくる <動・中三>[意]助ける。命令形は「たすきい」で、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。
〔未〕たすけん [意]助けない。[例]なし、たすけんのな(どうして助けないの)。
〔未〕たすきゅう [意]助けよう。[例]たすきゅうえち、いうたに(助けようと言ったのに)。
〔仮〕たすくら [意]助ければ。[例]たすくら、よかった(助ければ良かった)。
〔命〕たすきい、たすけよ [意]助けろ。[例]はよ、たすきい(早く助けろ)。
【邦訳日葡辞書】「タスクル」助ける。
たたく <動・五>[意]叩く。標準語とは活用が一部異なる。
〔未〕たたかん [意]叩かない。
〔用〕たてえた [意]叩いた。
〔仮〕たたか [意]叩けば。
〜たち <接助>[意]〜しても。[例]お前いなんぼいうたち、きくもんじゃあらせんが(お前がいくら言っても、聞くような人ではないよ)。
〜だち <副助>[意]〜したて、〜したばかり。[例]炊きだちん飯(炊いたばかりのご飯)。
※『緒方町誌』
だちんひき <名>駄賃引き[意]牛馬で荷を引くことを生業とする人、またその仕事。
たつ <名>[意]鼻輪(鼻刳)を入れる前の子牛に付ける綱。
※緒方・入道さん
だっこっき <名>[意]脱穀機をこう発音する。
※緒方出身Hiroさん
たっしゃごしらえ <名>達者拵え[意]本格的に仕事をする身なり。[例]たっしゃごしらえしち、でちきたで(本格的に仕事する格好をして出てきたよ)。
※『宮城 おらが村ん方言 がまだす』
たったいま <副>[意]ただちに、すぐさま。[例]たったいま、しい(ただちに、しろ)。
だったへえ <名>[意]何でも億劫がる人を言う。
※『緒方町誌』
たつ <動・語>[意]立つ。標準語とは活用が一部異なる。
〔未〕たたん [意]立たない。[例]こしがたたん(腰がたたない)。
〔仮〕たた [意]立てば。[例]はよ、たた、いいじゃねえな(早く立てばいいじゃない)。
たつる <動・中三>[意]建てる。立てる。標準語では下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし命令形が「たちい」となることから正確には中三段活用である。
〔未〕たてん [意]たてない。[例]はたぁ、たてんのな(旗は立てないの)。
〔未〕たちゅう [意]たてよう。[例]いまかり、たちゅう(今から立てよう)。
〔仮〕たつら [意]たてれば。[例]どきい、たつら、いいんな(どこに立てればいいんですか)。
〔命〕たちい、たてよ [意]たてろ。[例]もんの、まいい、たちい(門の前に立てろ)。
【邦訳日葡辞書】「タツル」立てる、建てる。
たてし <名>縦し[意]縦ざま、立てた状態。[例]かべなしぃ、たてしぃ、しちょいて(軒下に立てて置いておいて)。<反>よこし。
※緒方・入道さん
たにがわの こぜきのみずを せきあげて おとしてみれば みずかさもなし <句>[意]昔の子供に多く見られた鼻の下から口の回りにかけての吹き出物「みずかさ」を治すためのおまじないの文句。「みずかさ」と「水嵩」をかけてある。主に子供の母親がこれを三回唱えて吹き出物に息を吹きかける、あるいは剃刀の刃で吹き出物を撫でながら呪文を唱えると治ると言われた。また、マサキの葉一枚を三つぐらいに折ったもので患部を撫でながら呪文を口の中で三回唱え、終ると患部に口を近づけて小さく息を吹きかける。
※清川・康晴さん
たねちみる <句>[意]尋ねてみる。[例]みちが、わからんごたら、ひとに、たねちみるんど(道が分からないようなら、人に聞いてみるんだよ)。
たぬる <動・中三>[意]尋ねる。「たんぬる」に同じ。
〔未〕たねん [意]尋ねない。[例]たねんと、わかりめえ(尋ねないと分からないだろう)。
〔未〕たにゅう [意]尋ねよう。[例]あんしぃ、たにゅう(あの人に尋ねよう)。
〔用〕たねた [意]尋ねた。[例]だりい、たねたんな(誰に尋ねたの)。
〔仮〕たぬら [意]尋ねれば。[例]あんてぇ、たぬら、わかりゃしめえかちおもうちな(あなたに尋ねれば分かりはしまいかと思ってね)。
〔命〕たにい、たねよ [意]尋ねろ。[例]わからんごたら、たにい(分からないようなら尋ねろ)。
※緒方出身・HIROさん
たのしみがいい <句>[意]楽しみだ、先々期待できる。[例]あんこは、おおもんじゃ、たのしみがいいなあ(あの子は大物だ。将来が楽しみですね)。
だのもん <名>駄の物[意]牛馬の餌の総称。
※緒方・みっこさ
たばこじの <名>[意]することもなく、ただタバコを喫って時間をつぶすことを言う。「じの」は「収納」で、本来は葉タバコの収穫作業のことだが、たばこを吸って暇つぶしをする意味合いで使う。皮肉、韜晦の意がこもる。[例]今日はたばこじのじゃ(今日はこれといってすることもないので、タバコを喫って暇つぶしだ)。
※緒方・入道さん
たぶ <名>[例]魚釣りで使う「たも」。
【邦訳日葡辞書】「タブ」ある種の小さな手網で、魚を取るために使うもの。
たぶらかす <動・五>[意]誑かす。標準語とは活用が一部異なる。
〔未〕たぶらかさん [意]誑かさない。
〔用〕たぶらけえた [意]誑かした。
〔仮〕たぶらかさ [意]誑かせば。
たぶる <動・中三>[意]食べる。標準語だと下一段活用だが、大分では下二段活用となる。しかし、命令形が「食びい」となるために正確には中三段活用と呼ぶべきかも知れない。
〔未〕たべん [意]食べない。[例]おまや、たべんのな(お前は食べないの)。
〔未〕たびゅう [意]食べよう。[例]いっしょに、たびゅうえ(一緒に食べようよ)。
〔仮〕たぶら [意]食べれば。[例]いっしょに、たぶら、いいじゃねえな(一緒に食べればいいじゃない)。
〔命〕たびい、たべよ [意]食べろ。[例]こききち、いっしょにたべよ(ここに来て一緒に食べなさい)。
※清川出身・賢一さん
【邦訳日葡辞書】「タブル」食物を食べる。
たべらする <動・中三>[意]食べさせる。命令形は「たべらしい」となるので大分独特の中三段活用である。
〔未〕たべらせん [意]食べさせない。[例]どしち、たべらせんの(どうして食べさせないの)。
〔未〕たべらしゅう [意]食べさせよう。[例]うちが、たべらしゅうか(私が食べさせようか)。
〔仮〕たべらすら [意]食べさせれば。[例]たべらすら、いいんじゃろ(食べさせればいいんだろ)。
〔命〕たべらしい、たべらせよ [意]食べさせろ。[例]なんでんいいき、たべらしい(何でもいいから食べさせろ)。
たべすぐる <動・中三>[意]食べ過ぎる。標準語では上一段活用だが、大分では命令形が「たべすぎい」となるので、独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
〔未〕たべすげん [未]食べ過ぎない。[例]たべすげんごとしよ(食べ過ぎないようにしなさい)。
〔未〕たべすぎゅう [意]食べ過ぎよう。[例]こげえうまから、たべすぎゅうで(こんなにおいしければ食べ過ぎるだろうね)。
〔仮〕たべすぐら [意]食べ過ぎれば。[例]たべすぐら、むねい、わるなんので(食べ過ぎたら気持ちが悪くなるんだよ)。
だまえ(ざまえ) <名>座前[意]お日待ちやお接待といった地区の集まり、寄り合いの場所となる家のことで、各戸持ち回りで当番をする。
<参>助座
※緒方・みっこさ
たまがらかす <動・五>[意]驚かす。「たまがらす」に同じ。
〔未〕たまがらかさん [意]驚かさない。
〔用〕たまがらけえた [意]驚かした。
〔例〕たまがらかさ [意]驚かせば。
たまがる <動・五>魂上(たまが)る[意]驚く、びっくりする。[例]ああ、たまがった(ああ、おどろいた)
〔未〕たまがらん [意]驚かない。[例]そんくれんこっちゃ、たまがらんで(そのくらいのことでは驚かないよ)。
〔仮〕たまがら [意]驚けば。[例]たまがら、いいに(驚けばいいのに)。
<参>ひったまがる
【邦訳日葡辞書】「タマガル」驚く。
だまかす <動・五>[意]騙す。
〔未〕だまかさん [意]騙さない。
〔用〕だまけえた [意]騙した。
〔仮〕たまかさ [意]騙せば。
たまり <名>[意]下肥。
※緒方・入道さん
たまる <動・五>[意]長持ちする。標準語に「ひとたまりもない」という表現がある。
〔未〕たまらん [意]長持ちしない。
〔仮〕たまら [意]長持ちする。
※緒方・入道さん
たむる <動・中三>[意]@貯めるA溜めるB矯める。命令形は「たみい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
〔未〕ためん [意]ためない。[例]のこりゃ、ためんとなあ(残れば貯めないとねえ)。
〔未〕たみゅう [意]ためよう。[例]みずぁ、どんくれ、たみゅうか(水はどのくらい溜めようか)。
〔仮〕たむら [意]ためれば。[例]はんぶんも、たむら、いいで(半分も溜めればいいよ)。
〔命〕たみい、ためよ [意]ためろ。[意]ようけ、たみい(たくさん溜めろ)。
【邦訳日葡辞書】「タムル」支え保つ、せき止める。
たゆる <動・中三>[意]絶える。古語「絶ゆ」から。標準語では下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし命令形は「たいい」となるので正確には中三段活用と呼ぶべきだろう。
〔未〕たえん [意]絶えない。
〔未〕たゆう [意]絶えよう。
〔仮〕たゆら [意]絶えれば。
※清川出身・三鷹んあんちゃん
だら <名>[意]ウコギ科の落葉低木、タラノキ。
※緒方・入道さん
だりい <形>[意]だるい。疲れた状態。
〔用〕だるなる、だるうなる [意]だるくなる。[例]なんかしらん、のみゃあ、だるなるんじゃ(どうしてか分からないが、飲むとだるくなるんだ)。
〔仮〕だるから [意]だるければ。[例]だるから、よこしい、なりなあ(だるければ横になりなさい)。
たる <動・五>[意]足りる。標準語では上一段活用だが大分弁では五段活用となる。
〔未〕たらん [意]足りない。[例]ちっと、たらんじゃった(少し足りなかった)。
〔用〕たった [意]足りた。[例]たった、はずじゃあがのう(足りたはずだけどねえ)。
〔仮〕たら、たりゃ [意]足りれば。[例]これじ、たら、いいが(これで足りればいいけど)。
【邦訳日葡辞書】「タル」足りる。
だる <動・五>[意]疲れる。だれる。[例]駅かり歩いたら、だったがのお(駅から歩いたら、疲れました)。だっちょらんじ、しゃんとせな(だれていないで、しゃっきとしなさい)。
〔未〕だらん [意]疲れない。[例]いんね、まだ、だらんで(いいえ、まだ疲れていないよ)。
〔用〕だった [意]疲れた。[例]もう、だったんな(もう疲れたの)。
〔仮〕だら [意]疲れれば。[例]だら、よこいなあ(疲れたのなら休みなさい)。
【邦訳日葡辞書】「ダル」疲れる。
だる(ざる) <名>[意]し尿。下肥。大分弁ではダ行とザ行が混同されるが、例えば「座」が「だ」となる一方で、「ふざける」の意の「道化(どうく)る」を「ぞうくる」と言う人もいるほどだが、「だる」と「ざる」の場合はどちらが本来の型なのか判然としない。
※緒方・みっこさ
たるる <動・中三>[意]垂れる。命令形は「たりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
〔未〕たれん [意]垂れない。
〔未〕たりゅう [意]垂れよう。
〔仮〕たるら [意]垂れれば。
だんきち <名>[意]段差。[例]そか、だんきちい、なっちょるで(そこは段差がついているよ)。
※清川・邦友さん
だんごじる <名>団子汁[意]大分名物。小麦粉をこねて作った団子を細く薄く伸ばしたものを入れた味噌味の汁。具には里芋、椎茸など何でも可。「だごじる」に同じ。
だんごばち <名>だんご蜂[意]オオスズメバチ。「だごばち」に同じ。
たんごろ <名>[意]痰。
※緒方・入道さん
だんだら <名>[意]上着やシャツなどのボタンをかけちがっている様。[例]ぼたんが、だんだらになっちょるで(ボタンを掛け違っているよ)。
だんだん <句>[意]ありがとう。『日本方言辞典』には大分でも使用するとあり、昔は使われたようだが、現在ではほとんど使われなくなっている模様。[例]おおきに、だんだん(大変ありがとう)。
※竹田出身・水瀬さん
【日本方言辞典】島根県、山口県、香川県、愛媛県、高知県、福岡市、熊本県、大分県、宮崎県で使用。
だんだん <副>[意]ちらほら。[例]そげんしが、だんだんおるんで(そんな人が、ちらほらいるんだよ)。
たんぬる <動・中三>[意]尋ねる。「たぬる」に同じ。命令形は「たんにい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。[例]えきゃぁ、どげえいかいいんか、わからんごたら、ひてぃ、たんぬるんど(駅にはどう行けば良いのか、分からないようだったら、人に尋ねるんだよ)。
〔未〕たんねん [意]尋ねない。[例]こらあ、ひてぃ、たんねんと、わからんごつなった(これは人に尋ねないと分からなくなった)。
〔未〕たんにゅう [意]尋ねよう。[例]だりい、たんにゅうか(誰に尋ねようか)。
〔用〕たんねた [意]尋ねた。[例]たんねたけんど、わからんと(尋ねたけれど、分からないって)。
〔仮〕たんぬら [意]尋ねれば。[例]あんしに、たんぬら、わからしめえか(あの人に尋ねれば分かりはしまいか)。
〔命〕たんにい、たんねよ [意]尋ねろ。[例]あんた、たんねよ(あなた、尋ねて)。
【邦訳日葡辞書】「タンヌル」尋ねる。
たんのんばっくん <名>[意]がまがえる、ひきがえる。「ばっくん」はカエル。