移行帯底生魚01

ときどきダイバーの被写体になることがあるので正確には深海魚とは言えないかもしれません。浅瀬から数百Mにまで分布するナヌカザメはおとなしいサメの一種ですがその生命力は強く、おなかに水を溜め込んでフグのように膨らませる変わった習性を持っています。陸に上げてからも七日生きている、といういわれが和名の由来になっています。卵生で岩などにからませるツルを備えた卵殻を生み、昔からこれらサメの殻は「人魚の財布」と呼ばれたりしています。一方、ヌタウナギの仲間は死んだ魚の体内に潜り込んで肉や内臓を食べる貪欲な魚です。眼は皮下に埋もれ、ウロコもアゴもありません。ないないづくしですが太古の昔、最初に現れた魚が無顎魚類でありその祖先なのです。エラ孔に違いがありクロヌタウナギは左右6個ずつ、ムラサキヌタウナギは8個ずつ開いています。また漁師を悩ませる多量の粘液を出し、結び目を作る結節行動(ノッティング)という変わった習性を持っていて、出した粘液を拭い取ったり敵からすり抜けたり食いついた獲物を引きちぎったりしています。
1.クロヌタウナギ
 Paramyxine atami
 50p

2.ムラサキヌタウナギ
 Eptatretus okinoseanus
 80p

3.ナヌカザメ
 Cephaloscyllium umbratile
 80p(Lv.15cm)












結節行動