上部漸深底帯底生魚08

ひいき目に見ても哺乳類のイタチ(鼬)には似ていない気がしますが○○イタチウオと命名されたこの一群は世界で二百種以上の仲間を持つアシロ科に属します。深海性のアシロ科には個性的な種類がたくさんいて眺めていて飽きません。ソコボウズ、ソコオクメウオ、ヨミノアシロ、ハナトゲアシロ、フクメンイタチウオ、などなどいずれも自己主張の強い魚ばかりです。さてここの特徴ですがモモイタチウオの胸びれ下部は四〜六本のスジ(軟条)が分かれ分かれになっておりトウヨウモモイタチウオはこれが七〜十一本と多めです。タライタチウオは顔がごつごつ棘だらけで側線が四本あります。オオソコイタチウオは顔が上下に踏んづけたように扁平で(縦扁)、眼は上面を向いています。これらの一部は食用になるそうですがいずれもあまり利用されている話は聞きません。さて奥にはもっとへんてこな奴がいます。オタマジャクシのような三等身で不器用に泳ぐのはバケダラ、こいつはアシロ科ではなくバケダラ科に属し世界では二属二種が知られています。各ひれは中途半端に小さく頭でっかち、これでよく生き抜いてこられたなと感心します。
1.バケダラ
 Squalogadus modificatus
 36p

2.モモイタチウオ
 Dicrolene quinquarius
 40p

3.トウヨウモモイタチウオ
 Dicrolene tristis
 25p

4.タライタチウオ
 Porogadus guentheri
 21cm

5.オオソコイタチウオ
 Cataetyx platyrhynchus
 57p