下部漸深層遊泳魚03

からめ獲りの名人です。シギウナギは初めはこんな口ではさぞかし食べにくいだろうな、ろくすっぽエサにありつけずやせ細っているのだな、と変な同情をしましたがどうしてどうして好物のサクラエビを巧みに捕らえています。エビの長い触角をこの口ばしで上手くからめ、必ず尾の方から飲み込みます。サクラエビ漁でたまに混じってくるそうですが利用価値はありません。蒲焼にするほど脂がのっているとも思えないし。クロシギウナギモドキは「黒鴫鰻擬」と書き、近縁のクロシギウナギより後に発見されたのでモドキ(擬)と名付けられてしまったのでしょう。他にも○○ダマシとかニセ○○とか不本意な命名をされた種類は数多くいます。何か格下に扱われているようで気の毒な気がします。ちなみにシギウナギ科は九種類程度が知られているだけです。ヒメノコバウナギも口のとがった細面(ほそおもて)でシギウナギとは兄弟のノコバウナギ科に属します。
1.シギウナギ
 Nemichthys scolopaceus
 140p

2.クロシギウナギモドキ
 Avocettina paucipora
 55p

3.ヒメノコバウナギ
 Stemonidium hypomelas
 38p