上部漸深層遊泳魚02 |
背びれが二つで尻びれがありエラ孔が五対という特徴からいずれもホホジロザメと同じネズミザメ目に属します。この二匹はサメの中でも1、2を争う奇妙奇天烈な種類です。ミツクリザメは突き出たおでこの下面に散らばる鋭い感覚器官(電気受容器ロレンチニ瓶…プツプツと開いた小さな穴)を使ってエサを探します。普段は平らに納まっている口ですが捕食の瞬間は突き出すことができ鋭い歯でイカやカニを捕まえています。学名の由来は明治末期、横浜に住んでた英国の博物学者、A.Owstonが発見し動物学者の箕作(みつくり)教授に寄贈した話から両者の名が残っています。珍しさとこのご面相のせいでしょう、英語ではgoblin shark(妖怪鮫)と呼ばれています。一方のメガマウス、こんなにデカいのに一九七六年まで発見されませんでした。特徴は何といってもこの大きな頭と口、オキアミやクラゲを食べているらしくサメよりもクジラの印象です。DNA組成からはネズミザメ目の中でもかなり原始的な部類であることが分かりました。また肝油の成分が表層のサメに近いことからあまり深いところで生活しているわけではなさそうとのこと。なので尚更よくぞ今まで人知れず生きてこられたなと感心してしまいます。学名の意味は「沖合の大口鮫」。 |
1.ミツクリザメ Mitsukurina owstoni 330p 2.メガマウス Megachasma pelagios 440p |
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ロレンチニ瓶(写真はシロワニ)と捕食の瞬間(右) |