上部漸深層遊泳魚04

初めて見たときはガメラを思い出しました。学名は「蛇のような」という意味だそうです。普通のサメの口がお腹側についているのに対しラブカは顔の前にガバッと開いています。その中に並ぶ歯は先が三本に分かれた特徴的な形をしています。これは大昔、恐竜が活躍するジュラ紀(二億年前)よりもっと前、デボン紀と呼ばれる三億六千万年前に出現した原始的なサメ、クラドセラケCladoselache fyleri)に似ているところから生きた化石と言われています。当のクラドセラケは胸びれや腹びれの付け根が幅広く板状になっていてあまり泳ぎは得意でなかったと想像されます。ラブカは英語でfrilled sharkと呼ばれ六対あるエラ孔の一番前が首全周にわたりフリルのように見えるところから命名されました。イカや小魚を捕食しています。生きた状態で尻尾を持ち上げると頭をひねって腕や脚に噛みついてくるので大変危険です。エドアブラザメも原始的でラブカ共々二科四属五種しかいないカグラザメ目の一員です。この仲間は背びれが一つ、尻びれがあってエラ孔が六〜七対と多い(普通は五対、エドアブラザメは七対ある)ことが特徴です。キクザメは全く別種で背びれが二つ、尻びれがないツノザメ目に属す大型になるサメでキクザメ科はこれを含め二種だけが知られています。不揃いなウロコが菊の花のように分布しているのが特徴です。
1.ラブカ
 Chlamydoselachus anguineus
 200p

2.エドアブラザメ
 Heptranchias perlo
 140p

3.キクザメ
 Echinorhinus brucus
 250p













クラドセラケと古代ラブカの歯