移行帯底生魚
|
火星表面に棲息する宇宙生命体の想像図、と紹介しても違和感がありません。ここは深海、実はメタンアイスワームというゴカイの仲間です。最近メタンハイドレートという言葉が注目されています。低温と高圧の環境下で立体の網目構造となった水分子の隙間にメタン分子がくるまれた物質のことでこれからのエネルギー資源として有望だそうです。見た目は天然ガスを含んだ氷、地上で簡単に燃えます。二酸化炭素の排出量は石油や石炭の半分とのこと、日本近海では南海トラフで埋蔵が確認されています。さてこんな環境を好んでいるのがゲジゲジみたいなピンクの虫。一九九七年にメキシコ湾の海底五五〇Mで発見されました。メタンそのものを食べているわけではなく、メタンを餌にしているバクテリアを目当てにしているようです。今は氷の上をベッドメイキングして平和に暮らしていますが、将来人間の手によってそんな生活が脅かされる日が来るのかもしれません。多数が集まってコロニーを形成しますがいっぱい描くと気持ち悪いので一匹だけにしました。 |
1.Hesiocaeca methanicola メタンアイスワーム 5p |
||