上部漸深底帯底生魚
/生物06

楽な姿勢なのでしょうか。海底で三つ指をついているのはドスイカです。ツツイカ目テカギイカ科というグループに属します。日本海の住人らしくホタルイカやキュウリエソを食べ自らも人様やクジラの胃袋に納まります。そのそばで活発に泳ぎ捕らえたゲンゲを大事そうに抱えているのは同じくテカギイカ科のマッコウタコイカ。和名にも学名にもあるようにマッコウクジラに大量に食べられています。ところでタコイカという名前ですがこれは大きくなるとなぜか触腕がなくなって八本足になるからです。別に失くさなくたっていいのにね。両者とも北西太平洋でよく獲れています。次に背中のトゲは七ツなのになぜかムツトゲソコギスと呼ばれているウナギ型の魚、ソコギス科は僅か十種程度しかいません。英名はSouthern spineback、なので南半球の住人ですね。この種の癖、頭を下にくんくん(?)させています。一方M.glutinosaはヌタウナギの仲間で英名がAtlantic hagfish、大西洋を中心に北極海など北の方の冷たい環境がお好みです。昼間は海底に身を隠し、夜になるともそもそと這い出し死にかけた魚などの体に潜り込んで中身を食べちゃうダークな存在です。
1.Berryteuthis magister
 ドスイカ
 30p

2.Gonatopsis makko
 マッコウタコイカ
 50p

3.Notacanthus sexspinis
 ムツトゲソコギス
 60p

4.Myxine glutinosa
 ヌタウナギ科
 80p