上部漸深底帯底生魚
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ヒトデはほとんど動かないし形も変わらない、キラキラ光るわけでもありません。何とも地味な動物です。磯なんかで見かける種類は五本の腕が多いのですがニチリンヒトデは平均九本、中には八本、十本というアバウトな連中もいます。名前は太陽みたいなので「日輪」ですね。この種類は結構獰猛で仲間のヒトデや泥の中のブンブクなんかを好んで食べているそうです。隣のゴカクヒトデは名前のまんまの五角形、ユニークなのは水を吸い込んで体をパンパンに膨らませられること。大きく見せて捕食されるのを回避しているのでしょうか。一見おとなしいヒトデも必死です。ところでヒトデの大きさは輻長(ふくちょう)という表し方をします。これは中心から腕の先っぽまでの長さのことで半径みたいなものですね。だから外形は大雑把にこの二倍と考えていいかと思います。ヒトデは棘皮動物なのでウニやナマコ、ウミユリの仲間。どこが共通点?となるのですが口のある面(口側)と背中の面(反口側)があって口を真ん中にして周囲に管足という本来歩くための突起が密集しています。ウニやナマコは表面がほとんど口側なんですね。つまり平べったいか膨らんでいるか、色んな進化の道を選んできたのです。さてオオエンコウガニは食用になる大ぶりのカニです。ただし滅多に獲れないので地域限定の食材だそうです。漢字で書けば「大猿猴蟹」。別にエンコウガニ(Carclnoplax longlmana)というのがいてそのオスの腕がやたら長いのでテナガザルに見立てて「猿猴」と呼ばれてるとか。甲羅の形から「大円甲蟹」とも。まあ諸説あるということですね。援交は関係ありません。 |
1.Solaster paxillatus ニチリンヒトデ 10p(輻長) 2.Ceramaster japonicus ゴカクヒトデ 10p(輻長) 3.Chaceon granulatus オオエンコウガニ 19p(甲幅) |
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棘皮動物 |