深海層遊泳魚
/生物05

典型的なチョウチンアンコウの体型をしていますね。フットボールフィッシュと呼ばれるのもうなずけます。大西洋の暖かい海域に生息しています。もっとも深海は暖かいなんて環境ではないはずですが。それはともかく額の立派なこん棒(誘引突起)、この先端を光らせながら前後に振って獲物をおびきよせていると思われます。ただせっかく近くにエサ生物が近寄っても肉眼では見逃してしまうでしょう。そのとき役に立つのが体の表面に並んだプツプツ、感丘(かんきゅう)と呼ばれる器官です。非常に敏感で僅かな水の流れをキャッチしてその方向めがけてあっという間に食らいつく、そんな光景が想像できます。これはメスですがオスが寄生する種類ではないようです。ニアミスをしたのはオオベニアミ、アミは甲殻類だけどエビの仲間ではありません。釣り餌や食用の干しエビになるオキアミとも違います。ハサミは持っていません。あまり一般的な生き物ではありませんね。せいぜい汽水域で獲れるイサザアミくらいでしょうか。アミは漢字で糠蝦、醤蝦とか書くようですが読めないし書けないし。それでもアミ目は千種類くらい知られていて大きさは数ミリから数十ミリ程度、だから三十センチを超えるオオベニアミはめちゃくちゃ巨大なんです。冷たい海水が代謝の時間経過をゆっくりにさせ、何年も年を越してここまで生長してきたのでしょう。
1.Himantolophus paucifilosus
 チョウチンアンコウ科
 45p

2.Gnathophausia ingens
 オオベニアミ
 32p