上部漸深層遊泳魚
/生物03

全世界で二種類のみが知られているオニキンメ科ですがこのA.brachyceraに和名はありません。英語ではShorthorn fangtoothと呼ばれひょっとしたら子供の頃に生えている頭のツノが本家のオニキンメ(A.cornuta)より短めなのかもしれません。大きさの割には獰猛な種類でこの大きな口と牙を武器に機敏に動きます。アップでは見るからにコワモテですね。さて狙われたヒオドシエビも黙って襲われるのを待っているわけではありません。ピュッと発光液を噴出し敵が気を取られている間にそそくさと遠くへ逃げます。忍者が煙でドロンと隠れるやつ、アレです。日々の生活そのものが生き残ることそのものなのです。その一連の光景を傍観しているのがショウジョウエビ、オキエビ科の大型種で、体型なのか泳ぎ方なのか英語名をKangaroo shrimpといいます。猩猩蝦という和名は昭和天皇が大正七年、沼津御用邸の浜に打ち上げられた時に偶然見つけ命名されたそうです。
1.Anoplogaster brachycera
 オニキンメ科
 6p

2.Acanthephyra purpurea
 ヒオドシエビ
 8p

3.Glyphus marsupialis
 ショウジョウエビ
 18p