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映画「けいおん!」だだ漏れ感想録

映画「けいおん!」だだ漏れ感想録

なんぼハマってるとはいえまさか8回も見に行く(12/02/17現在)とはさすがに思わなかったよ…
TV版だってほとんど見返してないのにナンダコレ。いやもういい。イイものはイイ。
とにもかくにも映画見て思ったことを可能な限りまとめてみたます。
呆れた奴はほっといてくれ。嫌いじゃないなら暇つぶしに読んでくれ。
ハイハイけいおん大好き。ああもう大好きだコノヤロウヽ(*`∀´*)ノ
あ。サブタイトルはだいたい釣りです。追加はあるかもないかも。


01;オカルト研シーンの恐るべき「情報量」
02;改めて思い知る田井中律の「魅力」
03;りっぱなぶちょう田井中とけなげなこうはい中野の「マッハの闘い」
04;お馴染み白目表現の「激減」
05;議事進行に求められる提案の「具体性」
06;天然おバカに見える平沢唯の意外な「自意識」
07;ここぞというところで発揮される澪の「真価」
08;ツムギ・THE・沢庵アクセル「全開!」
09;二期を経て映画に見る梓の「開放感」
10;ラストシーンの「謎」
11;ここが「変」だよ SUSHI-BAR!

けいおんジャンボリー

ここまで増えると思わなかったパート1。

けいおんジャンボリー2

あらゆる閲覧者をぶっちぎってパート2に突入。

Zけいおん!

エゥーゴティータイム。

figma軽音部

勢いでfigmaで五人揃えて写真撮ってたら
どんどん病状が手遅れに!手遅れに!





01;オカルト研シーンの恐るべき「情報量」


TV版にもちょろっと出演した「オカルト研」の二人。映画でもほんのちょろっと出てるんですが、
関連シーンの「情報量」がハンパねぇ。




怪しいマントに怪しい挙動。一見して異様ですが、これに唯が親しげに話しかけることで
・「オカルト研」という呼び名&「宇宙との交信」→ああ、そういう人達なのね
・どうやら唯とは知り合いらしい
ということが解ります。これだけで「彼女達が何者なのかという必要最低限の説明」が完璧に済んでます。


唯に「ロンドン土産なにがいい?」と聞かれてオカ研の二人は
「…ネッシーの写真を…プププ」と笑いをこらえます。
何故笑う?&オカルト研なのにネッシーを笑うのか?
などが気になりますが、とりあえずこのシーンでは
・二人の親密度がとても高い
・一言発するだけで盛り上がってしまうほど
情報とセンスを共有している
ということが解ります。


言葉通りに受け「まかせといてー」と言って去る唯を、オカ研の二人は「えっ?」というとまどいの表情で見送ります。
「ネッシーの写真」発言の意図がどうあれ、少なくとも唯に対して騙す、引っかけるといった悪意的な意図は
全く持っていなかったことが解ります。


「それにネッシーって、ホントはいなかったらしいじゃない?」
ネス湖を旅行計画に組み入れられるか検討している場面でさわちゃんが言います。
ネッシーの存在をどう考えるかというのは、世代や所属領域、ハマり具合などでかなり温度差が違ってきます。
そこを言い出すとキリがないので、ここでさわちゃんを通じて「けいおん劇中で一般的にネッシーが現在どう捉えられているか」という基準を示しておくわけです。
さわちゃん発言の根拠は恐らく、最も有名なネッシー写真である通称「外科医の写真」が、1994年に(うわぁもう20年近く前かよ;'A`)撮影者の知人によって捏造写真と明かされた事を受けたものだと思われます。これによってまず、
・先のオカ研の発言がどうやらジョークだった
ということが規定されます。


同時に、個人的にはココが凄いと思うんですが(俺個人の思いこみの線も相当あるとは思いますが)、
「オカルト研究会を名乗る者がネッシーなんかいねーのにプププという態度をとった」事が判明することによって、オカ研のオカルト的なものへのスタンスがなんとなくわかる気がするのですよ。
つまり「ネタはネタとして楽しむ」。
あるかないかで言えばないよねーと頭では思いつつ、娯楽として気軽にオカルトを楽しんでる子たちなのでは?
本気度が足りないとも言えますが(笑)
こういう話って肯定派であれ否定派であれ真剣であればあるほどあっというまにガチ論争じみたことになって面倒になりがちです(;´∀`)
その辺多分オカ研は姿勢が軽そうで、「ねーねースカイフィッシュってなんなの?スパゲティモンスターって?」というちょっとした疑問に対し、真偽は別にしてとりあえずの最新情報と、与太話としての粋な落とし所をいい感じに教えてくれる子たちではないかと想像するのです。
校内での奇行や独特のしゃべり方、学祭での展示なども実は半ば笑いを取りにいってるんじゃないか?(笑)


で、そうすると今度は「まかせといてー」といった唯に対する戸惑った表情も意味が解った気がしてきます。あれは
・ちょっとオタクっぽい人にありがちな、狭い範囲での共通語を日常に出してしまう失敗
というのもあると思うんですが、もうちょっと深読みすると、
・自分たち二人の間で説明不要のギャグが唯にも当然通じると思ってしまった
→そのくらい二人は唯をとても自分たちに近しい存在だと思っている
という想像も成り立つわけです。


「もしかしてオカルト研ギャグ!?レベル高すぎてわっかんないよぉー!」
さわちゃんの言葉を聞いて唯はとても悔しそうに言います。ここからは
・オカ研の二人が彼女ら独自の世界や言葉を持っていることを唯なりに理解している
・その世界について行けなかった事が悔しいと思う程度にオカ研をとても自分に近しい存在だと思っている
ということを読みとることが可能なわけです。


場面大きく飛んでロンドン。「見ておきたいモノが…」という流れで、大英博物館にあるロゼッタストーンのレプリカを見に行くシーンがあります。梓が言い出したのは意外ですが、これは思いつきで観光希望を羅列したいい加減な先輩たち(笑)に対し、下調べに力を入れた梓が「せっかくだから…」と気を遣ったと考えるのが妥当でしょう。ちなみに調べたら、大英博物館にはガラスケースに収められた本物と、手で触れる状態で置かれているレプリカの二つのロゼッタストーンがあるそうで、HTTが見たのは後者のようですね。
ここでさらっと「律ちゃんのお墓だ!」「オカルト研のも再現度高いな!」などいい感じに気になるセリフが。オカ研との繋がりが唯のみならず軽音部全員にあるらしいことが示されてます。


そして卒業前の教室ライブシーン。噂(音?)を聞きつけたオカ研の二人がライブに駆けつけます。
絵が小さかったり一瞬だったりでちょっとわかりにくいんですが、二人で何か大きな石か板のようなものを抱えてライブ会場に持ち込みます。初見でも勘のいい人は「ああ、これがオカ研特製ロゼッタストーンレプリカか」と気付くでしょうし、これが唯や軽音部(正確には軽音部と言うより3年2組なんですが)とオカ研を繋ぐキーアイテムなんだなと類推することが可能なわけです。


余談ですが、オカ研が手で作る人差し指を立ててるサイン、初登場時に窓の外を見てるときは親指も立ててるんですが、教室ライブの時は親指は畳んでた気がします。この辺も何か意味があるのかなーなどと思ってしまいます。宇宙との交信にはパワーが必要だからアンテナ=指が二本必要だけど、ライブの唯たちは目の前にいるからアンテナ一本でいいとか、そういう無駄な設定があってもフシギじゃない(笑)


そもそも全体にファンサービス色の強い作りではある映画なので、これをして「初見にも親切な作り」とまでは言いませんが、映画でけいおんを初めて見た人がもしTV版を溯ることがあればいいフックになるだろうし、TV既見の人が映画をきっかけにTVを見返すときも楽しい再確認材料になると思うんですよね。
 何よりオカ研の二人が「ちょっと変わってるけどとてもいい子たち」であることが、短い出番の中で十二分に表現されています。こういう丁寧な作り込みがマジすげーなーと見るたび思うのです。


ネッシー「外科医の写真」捏造判明直後に、同じその写真を使って「それでもネッシーは、いる。」と書いたとしまえんの新聞全面広告を数年間ポスターのように部屋に貼っていた俺としては、オカ研の二人にちょっと説教してやりたいところもないことはないんですけどね(笑)
↑これが「面倒くさい人」の実例だ!( ゚Д゚)y─┛~~






02;改めて思い知る田井中律の「魅力」


今回の映画でもりっちゃんは輝きまくってました。クルクル変わる表情、せわしない動き、テンションの高さ。特に卒業旅行へ行こうと言い出す下りの動きはもうかわいくてたまらん(*´∀`*)
端から端までりっちゃんを堪能できる映画でしたが、やはり肝は映画でもひっそりと発揮される「見守り目線」でしょう。


「隊員」の称号を持つりっちゃんファンには説明するまでもないことですが、あんなに気分屋でお調子者に見えるりっちゃんは、実は常に仲間のことを暖かく見守っています。澪はもちろん、唯や紬、そして新入部員の梓に至るまで、仲間が頑張ったり喜んだりする様を嬉しそうに見ている様子が見られます。大抵は見守る対象のキャラが主に映っている画面の一角でさらっと視線を送る様子が一瞬だけ描かれるという形で、油断していると簡単に見逃すだけに見つけるととても嬉しくなるのです。 お調子者のりっちゃんが一方で「さすが部長!」と言われる理由がココにあります。


後半教室ライブでのシーン。ここは大好きな「五月雨20ラブ」が演奏されたり、「U&I」のギターソロで唯と梓が向き合って演奏するシーンがあったり(そもそもギターソロ部分が本格的に作画されたのってこれが初めてじゃないのか?超燃えたわっ)と、語りたいところてんこもりの場面なんですが、そこは今は横に置きます。
「U&I」のラストのサビ、「笑わないで どうか聞いて」のところで、唯は梓の方を向いて歌います。「U&I」の歌詞に込めたメッセージ(そもそもこの曲は唯作詞)を、今まさに梓に送ってるんですね。


その時の梓の方のリアクションはちょっと判断に迷うんですよ。唯の意図に気付かずに戸惑っているにも見えるし、唯の意図に気付き照れくさくて視線を逸らしてしまったようにも見えます。どっちなのか気になりますが、どっちでも成立しそうだしどっちでもなんか「らしい」んですよねー。ああもう青臭ぇ青春だなぁって感じで。


とまぁここは基本的には唯と梓がメインのシーンなんですが、
問題はこの次の瞬間の一瞬のカット。



こいつ唯の動きの意味と梓の反応を全部解ってるよ!!
これだから怖いんだよこのアニメ!!!!!



他にもOPでさりげなく梓の頭をなでる・空港ではしゃぐ澪に呆れつつつきあう・観覧車を嫌がっていた澪が乗ってみたら超喜んでるのを嬉しそうに見る・屋上で鳩を見上げる唯に気付く・同じく屋上で空を見上げる唯を暖かい目線で見るなどなど、映画にはりっちゃんのあったか目線が山盛りです。
基本「唯」と「唯梓」が好きな俺ですが、こういうことがあるから事あるごとに繰り返し言うのですスナワチ


田井中の魅力が
解らない奴は
シロウト
( ゚Д゚)y─┛~~



そうそう、Aパートの教室で唯が卒業旅行に行こうと言ったときにふむふむと頷くりっちゃんと、Dパートの教室ライブ「U&I」最後の「想いよ届け」を歌う唯の直後のりっちゃんがどえらい美人さんで思わずドキッとします。目がすっごい綺麗なんですよこの2カ所のりっちゃん。A/Dパートの作画監督はキャラデザ/総作監の堀口悠紀子氏。気合い入れたんだろうなぁ。
あと屋上で四人が肩を組むシーン、りっちゃんの背中が大きくて頼もしい。ブレザーの前のボタンを掛けないためではあるんですが、とても立派な部長の背中でした。
あああそれとそれと鳥獣戯画の唯のあしらい方とかアイラブスシとかでもこれはレンジが無いと食べられないーとかホテルドアの覗き窓に背伸びする姿とかとかとかとかえーいキリがないので梓巻き込んでりっちゃん編もう一個いくぜ!
ヽ(`∀´)ノ






03;りっぱなぶちょう田井中とけなげなこうはい中野の「マッハの闘い」


お調子者で脱線大好きな田井中部長と、生真面目で固いところのある中野後輩。一見水と油みたいな二人ですが、律のフレンドリーさと少しずつ表出してきた梓のユルいところがだんだんマッチしてきたのか、二期ではだいぶいいコンビになってきました。唯&梓や律&澪のようなべったり感ではなく、ある意味「闘っている」ような掛け合いさえ時折見られます。それは律のたった一人の後輩への密かな気遣いと、先輩からの期待に応えようとする後輩の健気さの結果でもあります。


クラスメイトのバレー部三人組が卒業旅行に行くと聞いた唯が「私達も行こうよ」と言ったとき、律は一瞬考えた顔をしますが、直後「だーめ」と言い切ります。
「それより梓に何を贈るか考える方が先だろ?」
このセリフの意味は要するに
「卒業までに梓に何を贈るか決めなきゃいけないのに、遊んでる場合じゃないだろ?」
という意味合いですよね。さすがりっちゃん部長えらい!
…これが部室に移動した瞬間に「行きたいと思います!」とひっくり返ってそのちゃっかりぶりに笑うわけですが、とはいえ「だーめ」から「行きたい」の間に具体的に何があったのか?
「よく考えたら夏にみんなでパスポート取ってるしー」という、未放送の二期番外編「計画!」を思い出させるセリフもあってそれはそれでもっともなんですが、せっかくなので教室の会話から部室で言い出すまでに律の心理に何があったのか、余分な推測をしてみましょう。

映画で描かれているシーンで「だーめ」から「行きたい」の間に増えた要素を抜き出してみると

・高橋風子の提案による「さわ子先生に内緒でみんなで先生に何か贈り物をしよう」
このシーンで風子が「もちろんさわ子先生には内緒で」と言ったときに、軽音部のみんながとっさに口を押さえるのが面白い。今はその必要がある場面じゃないんですが(笑)たぶん
・梓に内緒でみんなで梓に何か贈り物をしよう
と考えている自分たちにシンクロしちゃって、とっさに体が動いちゃったんでしょうね。
このシンクロが結構意味があるような気がします。
「卒業旅行」「内緒でさわ子にプレゼント」その本質は「思い出作り」です。対象が自分たちか他人かの差しかありません。この二つの話が「内緒で梓にプレゼント」と重なることで、
・梓も一緒に行く思い出づくりなら、梓も自分たちも楽しいから却下する必要ないんじゃね?
っていう変化があったんじゃないかなーなんて推測してみました。

ともあれ旅行に行くと決まれば、律はもう完全に「腹を決める」わけです。


「私は卒業しませんから、どこでも…」「私も行くんですか!?」
梓は当初旅行に参加する気がありません。行きたいとは思っていましたが、自分がいくものではないと考えてます。
…本来説明するようなことではありませんが、「卒業旅行」は「卒業生が行くもの」であって、卒業しない人は行かないですよね(笑)生真面目な梓はそこを極めて常識的に判断したものと思われます。
しかし先輩たちはそう思ってません。紬は当たり前のように「5人だと二部屋かしら」と言い、唯は「あずにゃんがいないと軽音部じゃないよ」、澪もとても残念そうに「行きたくないの…?」と聞きます。
(実は先述の番外編「計画!」では、既に夏の時点で卒業旅行に行くことも梓も一緒に行くことも既定事項になってるはずなんですが、この辺は映画単体で話を成立させるためにあえて繰り返している部分もあると思われます)
紬・唯・澪の三人とも彼女らなりに梓を誘おうとしてます。が、逆に「どう断ればいいんだろう」と梓にかえって気をつかわせそうな面もないではありません。

梓「…本当にお邪魔じゃないですかね?」

はいここで部長の出番です。


律「なんで?」

これ絶妙です。「くだらねぇこと考えるなバカ」ってことですよね。
生真面目で固いところがあり、また以前補修のため部室を追われたときに自分たちの教室でとても気をつかっていた梓の記憶があるからこそ、こいつはこう言うだろうなと解った上で律は、無用な気をつかわせないために「先回り」したわけです。
梓なら遠慮するに決まっている。でも遠慮されたら目論見が台無しになる。気をつかわせたら負けだ!
ああ見えてれっきとした部長である人間が「なんで?」=そこを疑問に思ってはいけないという態度を取れば、生真面目な後輩も無駄に考えることをやめるというものでしょう。
後輩のためでもあり自分たちのためでもあるイベントをフイにしないために、田井中部長全力で包囲網を敷いてます。勿論それは「梓だって絶対に行きたいはずだ」という確信があるからです。


「なんで?」と言われた梓、とても「楽になった」顔をしてますね。笑顔にまではなりませんが、「あ、私乗っちゃっていいんだ!」という感じで密かに嬉しそうです。またおそらくこのとき「あ、ここは遠慮するところじゃなかった!」ということに気付いてますね(笑)
実際に梓がどれだけ嬉しかったかは、親に電話した直後の「部室ドア窓越しの眉毛」が雄弁に語っています。


ともあれ梓も含めた卒業旅行が決まったわけですが、りっちゃんどうやら「結果」はともかくその「過程」には不満が少々残ったようです。
後半の教室ライブに梓を誘うとき、律は前回の反省を受けて大胆な戦法に切り替えました。

律「あたしらの教室だし、あたしらだけでやろうかなーなんて」
唯「思ってるんだけどぉー」

カケラでも気をつかわせたら負けだ。ならば最初から気をつかいようのない状況に追い込めばいい。ネタ的な掛け合い勝負にしてしまえば、負けず嫌いな梓はむしろ真っ向から受けて立つはず。そう考えたからこそあえて「梓ちゃんは無理しなくてもいいんでちゅよぉ〜?」と言わんばかりに「逆張り」したわけです。
ちなみにこの場面、りっちゃんの妙な誘い方に澪が突っ込まず、唯も全面的に乗っていることから、やはり卒業旅行に誘った時を踏まえて予め「こういう誘い方で行くからそのよーに!」という示し合わせがあったのは明白です。職員室から梓の教室へ四人で走る足だけのカットがありますが、あの前後で緊急会議してますね(笑)
一方梓も梓で、これまでの経験から「こういう流れの時はむしろ遠慮したらダメだ」と判断したのでしょう。律からの白々しい挑発に真っ正面から応えました。


OKの返事を得て「よっしゃ!」と言うときの律がとてもとても嬉しそうです。やりきった顔してます。やはり根本的に可愛い子なのですりっちゃんは。


「で?いつやるんですか、先輩!!」
思いっきりドヤ顔です(笑)ライブ参加と律の意図的挑発、両方の意味で「先輩の期待」に応えきった、充足感のある顔でした。TV本編でも無かったんじゃないかと思うくらい凛々しくも嬉しそうな梓がそれはそれは燃えるのです。萌えるでなはく燃えるのです。いや見たかったんですよこういう梓。






04;お馴染み白目表現の「激減」


ギャグ的なシーンでのキャラの「白目」。主に驚いたときや呆けたときに使われます。
今世紀初めくらいからから色んなアニメや漫画で多用されてきましたが、けいおんでもTV版では全面的に取り入れられていてアップでの使用も多く、すっかりお馴染みの表現に。非常にバカっぽくも可愛いのですが、さすがに最近は少々飽きてきた部分も。

で、ちゃんと全部記憶しているわけではないんですが、今回の映画ではこの白目表現がかなり控えめだった印象があります。ロングショットで小さい白目顔は何回かあったようですが、ハッキリと目立つのは唯がむったん(梓のギター「ムスタング」)を倒しちゃってとっさにかばった後の
「きょく(曲)だよ!」「げい(芸)?」
のシーンのりっちゃんぐらいなんですよね。



映画と言うこともあり、やはりギャグシーンも含めて多彩な表情を描き込む方向にしたんでしょう。みんな表情豊かでとても良かったと思います。白目は白目で本当に心底バカに見えるんで好きなんですけどね(笑)






05;議事進行に求められる提案の「具体性」


卒業旅行の誘惑・律の「変節」・場を誤魔化したい一心の唯・必死のフォローを試みる紬など多くの思惑が折り重なった末に決定してしまったロンドン旅行。何故ロンドンかというと澪が希望してトンちゃんが采配したからなんですが、この一連のシーンに軽音部五人の性格が良く出ています。改めて全員の旅行希望先を見てみましょう。


卒業旅行「却下」から「やっぱり行こう」への変節に続き、律は行き先についてもわずかな時間の間にハワイからドバイへ変節しています。しかもトンちゃんに選ばせるカップには「ドバイかハワイ」と調子のいいこと書いてありました。どっちかにせぇよそこでまた揉めるだろ(笑)

イカサマあみだくじを作るほどヨーロッパを押したかったらしい唯ですが、その後の彼女の話をどう聞いても、唯が思うヨーロッパのイメージが全く伝わりません。それどころか「お前の言うヨーロッパとは何なのか」から始めないといけないレベル(笑)「唯先輩の行く大学が気の毒になってきました」は、この映画での唯に対する梓の名セリフの一つです。
正直ヨーロッパって言いたかっただけちゃうんかと。あるいは最近どこかで覚えたイカサマあみだくじを成功させたかっただけなのかもしれません(笑)


紬の希望は「温泉」。海外渡航は日常茶飯事の琴吹家ですから、今更特に新鮮みを感じないのでしょう。むしろ庶民的な生活に憧れる紬としては、リーズナブルで庶民に馴染みのある温泉旅行の方に興味があるのは当然ではありますね。


当初卒業旅行に難色を示す澪。これは行きたくないわけではなくて、一度は行かないと言いきった律があっというまに行きたいと主張を翻したことに呆れているため、簡単に律の思惑に乗ってはいかんという反応ですね。
なもんで旅行の是非を横に置いてソレはソレとして「行くならどこに行きたい?」と訊かれたら、それはそれで真剣に考えて答えちゃう。元来の生真面目な性格がよく出ています。律への立場から言えば一番まじめに考えなくていいはずなのに(笑)
真面目に考えちゃったが故に、澪の発言にはしっかりしたバックボーンが垣間見えます。


「私は卒業しませんので、どこでも…」
二年生の梓は、今年卒業するわけじゃないので自分が卒業旅行に参加する理由はない、故に自分の希望を言っても意味がないと極めて当たり前な判断から発言を辞退します。
結果として梓も行くことになるわけですが、話の流れが入れ替わるようなら梓の希望も聞けたんでしょうか。番外編「計画!」だとジャズを連想してアメリカ・ニューヨークに行きたがってる様子がありますね。


余談ですが番外編「計画!」は、旅行に関しての会話がかなり映画とダブってます。卒業旅行に行こう・どこへ行きたいか・梓も一緒に行こうと言う話が既にあるんですよね。予告編的な位置になったのは制作側が意図したことではないようですが、映像ソフトのみ収録で放送がなかった回と言うこともあって、映画単体で成立させるために同じ事を繰り返しているんでしょう。なので「計画!」と映画を連続で見たらちょっと違和感があるかも?もっともパスポート取得は番外編前提なんですけどね。


「しゅびばしぇんしゅびばしぇん」の唯がメチャメチャかわいい。


ここまで見ると解るのですが、希望を言った中で具体的な理由を元に発言したのは、実は最初から澪だけだったんですね(笑)
で、律と紬は、ロンドンに決まった時に残念がるどころか決まったこと自体を喜んでます。唯は残念がる様子を見せますが引っ張らず、喜ぶ澪を梓と共に嬉しそうに見てますね。
要するに澪以外の四人は最初から基本的に「みんな一緒ならどこだって楽しい」と思っていたわけです。ちなみに前述の番外編「計画!」では、実際に紬がそのことを言葉にしています。唯一強く具体的なビジョンを持った澪の希望が叶った事自体みんなにとって喜ばしいことだったわけで、トンちゃんグッジョブと言わざるを得ません。
もっとも澪以外の希望が通ったとしても、やっぱり澪も「良かったな、○○」って言うに違いないんですけどね。


にしても思いつきでよく全員海外旅行とか行けるよなー。桜ヶ丘女子は結構なお嬢様学校だって説もあるけど、このご時世にうらやましい。けいおんで最もファンタジー成分が高いのってキャラの容姿や性格よりも経済面じゃないか?(笑)つか一年生時の合宿費用を心配していた感覚はどこへ。きっとあの後桜ヶ丘だけにバブルが来たんだ。なんだそれ。


トンちゃんがロンドンを選んだときの澪のはしゃぎっぷりがもうかわいいかわいい。
テンション高すぎる。お前は日笠陽子か。



一瞬我に帰るんだけどやっぱりテンション上がって噛んじゃうところがまたかわいい。
だからお前は
日笠陽子か。


ところでこれも余談ですが、後に梓がまとめるロンドン行きたい場所リスト、画面下ギリギリ切れてるところに「ポッターの駅」という字が見えます(デジタル上映館では見えましたが、アナログフィルム上映らしい館では切れて「駅」しか見えなかったので、映画館によってほぼ見えない場合もあるかも)。ハリー・ポッターで登場するキングス・クロス駅でしょうか。これが誰の希望だったのかちょっと気になります。少し間を空けて一番下に控えめに書いてあるので、なんとなく梓っぽい気がするけどどうなんだろう。






06;天然おバカに見える平沢唯の意外な「自意識」


唯大好きです。かわいいです。オモロイです。バカです。時々スゴイです。正直萌えます。
彼女の魅力を並べ立てるだけでなんぼでも書けそうな気もしますが(笑)、ここでは誰もが認める良かったシーンではなく、ちょっとした言動から見える彼女の一面を見てみます。


内緒で梓に何かプレゼントをしようと画策する先輩たちは、計画を練るために言葉巧みに梓を部室から追い出します。
しかし追い立てられるような形になったためか、梓は相棒であるギター「ムスタング」・愛称「むったん」を部室に置き忘れてしまう。
と、唯が「むったんに聞いてみようか」と言い出します。

「むったん、あずにゃんへのプレゼント、何がいいかなぁ?」

自身のギターであるレスポールを「ギー太」と読んで擬人化し、普段から話しかけている唯なので、この行動は一見実に唯らしいと言えます。

しかしその直後の彼女の一言。




「なーんちゃって」

個人的にとてもお気に入りのシーン。
「なーんちゃって」とはつまり、自分以外の人間に対する「今のはギャグですよ宣言」なわけです。
一見丸出し天然おバカに見える唯ですが、ちゃんと「外から自分がどう見られているか」を認識する客観性を持っていて、その上で自身をネタに笑いを取ろうとしているわけです。
しかし直後、倒してしまったむったんを庇った際に実際にむったんの声を聞いてしまう辺りは、本来的な唯の天然本質丸出しです。この辺のバランスが面白い。
思い返せばTV版でのギー太絡みの言動も、天然で言ってる場面と聞き手を意識してネタ的に盛ってる場面がありますね。それにそもそも律と並んで、日常会話で笑いを取るのに結構貪欲です。思ったことがそのまま口に出るようなアホの子に見えて、場合によってしっかり自己表現をコントロールしているあたりが、一筋縄ではいかない唯の魅力です。


もうひとつ、ロンドンのホテルでの朝食。梓へどんな歌を贈るかずっと考えている唯は、つい梓の方を凝視してしまいます。梓の方は変な夢を見たりなんだりで唯を変に意識してしまい、「あんまり見つめないでください!もう」と拗ねた様子を見せます。

そのときの唯の心の声。


「怒られちゃった」

梓の言葉に返事もしないくせに、怒られたことは認識していて、しかも何故怒られたかは疑問に思ってない(=話自体は聞いていた?)。独特に半端なマルチタスクで稼動してる(笑)後の観光時に路上で出会った真っ赤な顔のロンドンパンクスガイ?に澪が驚いて全員で逃げるところ(失礼だなお前ら!;`∀´)も、全力で走りつつまじめな顔で考え事にふけっているのがおかしいです。


見た目アホの子であり時として天才でもある唯。脳内の回路図が独特な接続をしている気がします。全く整理されて無くて乱雑なんだけど、変なショートカットが無数にあるような感じ?一見関連性の薄いリンクが奇跡的に連鎖したときに「天才性」が発揮されるのでしょう。何が出てくるか解らない面白さはあるけど、直接相手するのは大変だよなぁ(笑


まぁあまりややこしく考えるまでもなく、
「あずにゃんにゃんにゃんあずにゃんにゃんにゃん」
「おおきなおおきなおおきいな〜」
でひたすら萌え転がるのもいいんですけどね(*´∀`*)






07;ここぞというところで発揮される澪の「真価」


澪は最初はそんなに好きじゃなかったんです。見た目美人で背が高くてスタイルも良くて、そのくせ実は弱気で乙女で何かあざとすぎるなぁと(笑)クセのある子の方が好きだし、なまじ見た目が好みなので余計そう思ったんですが、律視点経由で見ていくうちにだんだんかわいくなってきて、更に担当声優の日笠陽子嬢がラジオなどであまりにも魅力的すぎる(笑)こともあり、今ではすっかりお気に入りになっちゃいました。てへぺろ(・ω<)
あとEDの澪は常にズルイくらいにカッコイイ。きりっとしてるとそれだけで絵になるんだよなぁ。


映画での澪は半ばギャグ担当ですね(笑)イジラレ役とゆーか。基本アクシデントに弱い子なので、ロンドンでは浮き沈みが激しい激しい(笑)仲間の愛溢れるイジリもあってえらい楽しいことになってます。スタッフさんたちも描くの楽しかっただろうなぁ。


しかし実はここぞというところで意外な芯の強さを見せたりするのが澪。
ロンドンの地下鉄ホームで、張り切っておめかししてきた新しい靴が足に合わず、靴擦れを起こしかけてしまった梓。心配する先輩たち。そこで唯が「新しい靴買いに行こうよ」と言い出しますが…。
ここ、ちょっと良くないパターンにはまりかけてるんですね。唯・紬・律の三人とも梓を心から心配してて、ソレ自体は悪いことは何もないはずなんですが、問題は梓の性格。先輩たちに気をつかわれるのが申し訳なくて、大丈夫だと寄り道を遠慮するんですね。お互いに気遣い合うが故に状況が進展しない変なスパイラルに陥ってます。いつもならここで律が巧い気の回し方をしそうなんですが、この時は律も真正面から心配するほうに回ってしまいました。

その時に澪が行ったセリフ。



「じゃあ私ここ行きたい。ロックっぽい服も売ってるみたいだし。いい?梓」

見事です。めっさカッコイイ。
作戦目的は二つ。「梓の足の痛みの原因を排除すること」及び「そのことで後々梓が萎縮するのを避けること」。
寄り道に「先輩のワガママ」を設定することで、
「私が行きたいんだから黙ってついてこい、ついでにお前の用が済むなら好きにしろ」
という話に問答無用ですり替えちゃったんですね。
ここ言い方もいいんですよ。ワザとらしさが全く無くて、ごく自然に思いついたように言ってるんですよね。実に頼もしくいい先輩してます。
同時に、いつもは律に見守られている感のある澪ですが、その律のフォローに回れるのも澪だと言うことが解ります。


何かを始める前は失敗したらどうしようアワアワとネガティブ発想に負けそうになるけど、いざ本番になると結構居直っちゃうことってありますよね。澪もそういうところがありそう。あと
・自分の中に確かな行動の根拠がある
・自分以外に状況を打開できる者が居ないことが明白
こういった時に澪の強さが発揮されているように思います。一期8話「新歓!」で唯がイントロは巧く弾けてるけど歌うのを忘れてるのに気付いて、とっさにマイクに駆け寄るあたりがそんな感じですね。


澪「梓、聞いて欲しい曲があるんだ」

二期最終話「卒業!」で、「天使にふれたよ!」を演奏する前のやりとり。映画ではここ、事前に皆でどうやって梓を誘導するか示し合わせていた事が明確になります。
で、実際は梓が泣き出しちゃったこともあってか、みんな段取りを忘れてしまった。それを察した上で状況を進めるために、澪が流れをまとめたんですね。
それこそ映画では屋上でビビっちゃって「じゃあ(梓への演奏)やめる…?」なんて弱気なこと抜かしてたのに(笑)

やるべきことが解ってるとき、澪はとても強いんです。






08;ツムギ・THE・沢庵アクセル「全開!」


映画のムギちゃんかわいいです。映画のムギちゃんかわいいんです。映画のムギちゃんただひたすらかわいいんですよ!よ!
↑大事なことなので三回言いました。
二期からは特に「今を楽しむ」ことに全力を注いでいる琴吹紬さん。映画で彼女がどれだけかわいかったかを、ここではひたすら羅列していきます(笑)


冒頭のデスデビルごっこは色々ズルイんだよ!ツカミとして最高だよ(笑)開幕大爆笑拍手喝采のシーンですが、困るのはここのムギが無駄にカッコイイんですよ(笑)金髪でロングだから頭振ってると似合う似合う。終了後の小芝居も最高でしたわ。



「琴吹家自慢の紅茶よ?」
前にも書きましたがここの「斜め後方からのほっぺた」がもうタマランかわいすぐる萌え転がる。
映画は全般にこのアングル多くて俺得でした。そんでやっぱムギちゃんが多い希ガス。


パワーファイタームギを敗北寸前に追い込んだ
バームクーヘンの「実力」
ムギちゃんは怪力キャラだったりするので、どんだけ丈夫な包装やと一瞬思うんですが、よく考えたらバームクーヘンの包装ってやたら丈夫だよね(笑)コンビニで売ってるちょっと小さめの奴でも、菓子パンよりは明らかに厚めのビニール袋に入ってて、両端を厳重に封印してあるもんね。背中側に必ず保存剤が入ってるあたり、長期保存のためなんでしょうね。アレのでかいの考えたら確かに引っ張っては開けられない気がするわ。無理したら他のところから破れそう。まぁ普通は大抵両端のギザギザカットから裂くか普通にハサミで切るよな。
あれを真っ向から引っ張って開けたムギちゃんはやっぱりスゴイのだ(笑)


予告映像でも頻繁に使われた、噂の芸能人帰国レポ風のムギ。
何回も見たはずなのにやっぱり笑う。もうムギのほっぺたは鉄板だぜ。
観覧車を見た時に澪に続いての「回ってる(笑)」もいい感じのぷっくりほっぺでしたねぇ。


「…でも時間、戻るよ!」
どんな演技プランだよ(笑)椅子の隙間越しのアングルといい爆笑しましたわ。実相寺か。
要は飛行機が飛行中に日付変更線を越えるという話なんですが、唯向けにかいつまんだ結果簡単になりすぎたのか、わざと唯の混乱を誘ってこんな言い方したのかがイマイチ読めない(笑)後のフォロー解説が無かったあたり後者っぽい気もする(笑)
そんでここから始まった唯の時間旅行妄想がなにげに映画のテーマっぽくなってたりするからやっぱりけいおん怖ぇぇ。


ヒースロウ空港の荷物受け取りレーン。みんなの後ろでムギちゃん一人で一心不乱に超高速で携帯メール打ってるんですよね。多キャラが会話してる画面の奥なので、気付いたのは二回目に見たときでした。
何やってんのかなーと思ったんですが、あちこち掲示板やら見たところによると、ここで愛機であるキーボード、KORGトライトンエクストリームの送付手配をしていたんじゃないかという説があって、ああなるほど!と。
相手はお父さんかお母さんか、或いは執事の斉藤さん?ここはひとつ原作新高校生編を踏まえて菫(スミレ)ちゃん宛というのはどうか。どうかってお前。じゃあソレで。


律「秋山さんどうすんの?替えのおパンツ!」
紬「澪ちゃんは履かない派よね?」
同じく荷物受け取りレーンにて。澪のスーツケースだけがどれだけ待っても流れて来ず不安になる澪。それを律がからかい、更に序盤の会話を受けてムギが追い打ちをする(笑)ここ、笑えるシーンで済ませてもいいんですが、敢えて色々余計に読むと面白いです。
まず律が澪の不安にムチ打つような事を言ったのは、「わざと怒らせて澪の気分を逸らすため」に思えるんですよ。基本臆病で考えすぎる澪はこういうときほっとくとどんどん悪い方へ感情が沈んでいってしまう。そのことを良く知ってる律ですから、敢えてからかって澪の感情を自分への怒りにすり替えようとしたんじゃないかと思いました。例え感情自体が怒りでも不安がるよりは元気が出るし、発生するリスクはせいぜいいつものように律が殴られるだけ。ゴツンと一発お約束を貰った頃合いで改めて探しに行くなり係員に聞きに行くなりしようと考えてたんじゃないかなぁと。
…その上でなんですが、これに紬が乗っかってるのが面白い。律と似た流れで考えるなら
・律の意図に気付いた上で、澪を浮上させるのを手伝おうとした
であれば綺麗な話なんですが。しかし二期14話「夏期講習!」のムギから考えるとどうも
・律のからかいに乗ることで、律と一緒に澪に殴られたかった
…んじゃないかぁという疑惑が(笑)すっげぇありそう(笑)
いやまぁこのシーンの解釈まるごとただの俺妄想なんですが( ゚∀゚)y─┛~~
こういうことを考えることが出来る、考えたくなるのがけいおんの好きなところなのです。


「…早いわ!」
ここも腹抱えて笑いました。眉毛がピクピクしてるのが超オカシイ。
セリフだけ抜き出すとガンダムとかロボット物みたいでまたオカシイ。ライバルか新型でも出てきたのかと。
直後のカットで梓が「えーっ!?」って驚くところで、また「斜め後方からのほっぺた」がツヤツヤしててたまんないです。


えくすきゅーずみーじゃねぇよ(笑)あと海外経験多いんだろ発音なんとかしろ(笑)
もうダメだ腹痛ぇ。目の前で困った状況が起こっているのに、とった行動が
「私一人困った状況から置き去りにされるなんて我慢できない!」
すげぇよお前。さすがりっちゃんに「叩いて欲しいの!」言うだけのことはあるわ(前述「夏期講習!」)。今を楽しむアクセル全開です。


キマシタワー(笑)
偶然の再会に盛り上がって抱き合うりっちゃんとマキちゃんを見て、かなり久しぶりに「ムギビジョン」=百合好き目線がストレートに発動しました(笑)
女子キャラばかりの作品だからといって「百合」と安易に解釈するのはどうも好きじゃないんですが、見る側の受容の仕方は別として、キャラの個性付けとしてはアリなので、二期は控えめだったこともあってなんか新鮮でしたわ。


「私もやりたい!」
現地で再会したラブ・クライシスのマキちゃん(律と澪の中学の同級生)経由で、以前お世話になったライブハウスの川上さんから、テムズ川ほとりで開催中のジャパンフェスタに出演しないかと誘われる五人。
…ここ、「お前ら仮にもバンドだし楽器も持ってきてるんだから最初から全員やる気になれよ」とかおっさんは一瞬思うんですが(笑)、まぁともかく。
急な話のせいかいまひとつ態度が決まらない律・澪・梓の三人に対して、チャンスだしやりたいという唯に、ムギも乗っかります。
楽しめる要素はもうひとつたりとも逃さない!イケイケ状態ですねムギちゃん。五人の中では物怖じしないのは唯ってことになってますが、ムギちゃんも負け無いどころかちょっと凌駕しつつあるんじゃないか?翌朝にキーボードが届くことも把握しての事かも知れません。何にせよおかげで全員のいいブーストになったようです。


帰国後の早朝教室ライブ。ラストに机ステージを降りて暴れる唯に会わせてぴょんぴょん飛び跳ねるムギ。「楽しそう」以外に表現できない。


ムギちゃんは、やわらかくてあったかい。
TV版でも何度か言われてますが、映画でも冬の登校時に唯が手を握りたがるなど、ムギちゃんの手が温かいということが描かれています。ロンドン到着直後では急発進したタクシーで倒れ込んだ唯のクッションになりました。帰国の祭のタクシーでは、疲れて眠ってしまった梓をよりかからせている姿が、まるで母親のようにも見えます。




「…私も、手が冷たい…」


屋上。後輩に曲を贈るという先輩としての最後の仕事の直前、これまでにない緊張でテンパる四人。
あの唯が「今までで一番緊張してる」という状況で、更にあのムギちゃんの手が冷たくなってるという。最大のイベントを前に、心底緊張してたのがよく解ります。


三回目の観賞のとき、運良く「天使にふれたよ!」草案歌詞カードのムギちゃん編をもらえたんですよ。
劇場ではろくに見ないで鞄にしまったんですが、帰宅してからあらためて読んだら
涙 が と ま ら な か っ た よ 。・゚・(ノД`)・゚・。
あふれるほどの想い出、何度も言いたい「ありがとう」、とどめに「駅のホーム〜ユニゾンで歌おう」がムギちゃん発案だと解ったところでもうブワッでしたわ。
みんなと過ごす当たり前の毎日が、紬にとってどれほど大事だったか解るというものです。






09;二期を経て映画に見る梓の「開放感」


澪の項で「あざとくて最初は好きじゃなかった」と書きましたが、それで言うと梓は澪以上にあざといよね(笑)妹キャラとして実にステロタイプ。
でも澪ほどは違和感を感じなかったんですよ。これは単に俺に妹属性が全く無いせいで、要するにどうでも良かったんですね最初は(笑)
しかしサイトで何度か書いてますが、唯目線で見る梓というか梓を愛でる唯がイイとかそんな感じですっかり好きに。ちゅーかそもそも二期から入ったので、二期での視聴者の誘導役でいわば第二の主人公である梓は、心理描写も多くて感情移入がしやすかったです。


ただ、時折二期の梓の描写はちょっと重いとゆーか辛いとゆーか。
アニメ版二期は梓の「もうすぐ先輩卒業しちゃうよ寂しいよ」オーラが前面に出ているので、見ていて居たたまれなくなることもしばしば(ノД`)
原作も基本は同じ流れなんですが、原作での梓の寂しさはその都度表現されつつも巧みに「4コマ漫画の4コマ目=オチ」に回収されていて、あまりクドくないんですね。
アニメは青春路線を強化したおかげか切なさが強まっていて、梓がどんどん可哀想に見えてきてしまう(ノ∀`)。先輩たちが一見脳天気フリーダムに見えるので余計に(笑)四人の合格メールが来たときは当の四人より梓に「おめでとうよかったね」って言いそうになったよ!(笑)

まぁそんな演出の積み重ねのおかげで二期最終回で号泣できたのも確かなので、文句言いづらいんですがね(笑)

(余談ながらここで原作に話を戻すと、梓の切ないオーラは前述通り巧みに軽く流されているんですが、その分最終回で突然泣き出す流れに「インパクト」があるんですよね。特に原作梓は唯に対してかなり生意気な面も見せていることも相まって、アニメとは違う感慨があります。この辺原作はバランスよく出来てるなーと思います)


そんな二期梓に比べると、映画はなんというか「解放」されてますねー。
先輩の卒業はむしろ迫っているんですが、受験という心配事が片づいてる上での卒業旅行、何もかも忘れて楽しもうぜ!って気分になるわけで、いい感じに梓の力が抜けてます。
一期は登場から終了まで駆け足だったし、二期は後半はほぼせつない要員だったから、リラックスした梓が見れて嬉しかったなぁ。


前置きが長くなりましたが(笑)、ここでは色々と解放された梓を、声優さんの声の演技も含めて見ていこうかと思います。


二期当時だと思うんですが、担当声優竹達彩奈嬢の言によると、当時の持ちキャラの中でも梓の声は「一番低い」声色だったんだそうです。その後は多作品で大活躍されてるので、今は一番ではないかもですが。 竹達さんは高い声も売りなんですが、リラックスしてたり呆れてたりするときの低めのトーンが個人的に好きなんですよ。いかにもふにゃぁって感じで。
映画で解りやすいところでは冒頭デスデビルごっこからOP明けの会話シーンあたり。「解散!?」「ババ抜きしませんか!?」あたりの高めのトーンに比べると、「どうせこんなことだろうと思いました」「練習の反省会じゃないんですね」あたりの低さの差が面白いです。
ヒースロウ空港到着直後にムービングウォークで唯とはしゃぐとこなんかテンションだだ上がりですげぇ高い(ここの絵ロングで小さいんですがすげぇいい笑顔してます)。部室を追い出されておみやげ食べながら「…あやしい」あたりはすっげー低い(例によってここの「斜め後方からのほっぺた」がもうすげぇかわいい)。忘れたギターを取りに来て唯がいたずらしてないか確認して「…異常なし」の低さと、直後の「やだ私ったら!」の差も大きくて面白いですね。
極めつけはやっぱりホテルでの寝ぼけシーンでしょう(笑)竹達さんのアンダートーン全開でした(このホテル回遊二回目のとき、ムギが冷静に「あ、起きた」って言うのがまたおかしくておかしくて笑う)。


要はキャラの心理によって声のトーンを演じ分けてるわけですが、単にテンションの高低だけではなく、もう一つ要素があります。「相手が先輩かどうか」。
既に基本的には学年以外はほぼ障壁無く仲の良い五人ですが、梓の性格もあってやはり先輩への態度は「最低限言葉だけは敬語を使う」という程度には差が出てくるわけで。
その辺がよく解るのが、梓が同級生、つまり憂や純と一緒にいるシーンです。




憂といる本屋のシーンと終盤の卓球シーン、先輩たちといるシーンと比べると更に一段トーンが低い気がするんだコレが。気がするだけかもしれないけど、なんかニュアンスとして。
梓は登場→あずにゃん命名の流れもあって、よく猫に例えられます。あくまで感覚的な例えですが、先輩たちといるシーンでは「にゃあ」の高低で演じている感じ。しかし純や憂といる場面ではニュアンスが「ゴロゴロゴロ」な気がするんですよね。
既に気が知れまくっている先輩相手でも、梓だからこそ最低限の礼儀と気遣いを残す。
一方同級生の憂と純は、何一つ警戒も遠慮もすることなく自分をさらけ出せる相手。
そういうニュアンスまでも演じ分けていると思うと、声優さんってやっぱすげぇなぁと思うのです。
そういえば純ちゃんの出番が思ったより少なかったのはちょっと残念だったかな。まぁ映画の梓は寂しがってる場面が少なかったので、仕事が無かったんだろう(笑)


映画を期にTV版を見始める方が居たら、是非ゴワゴワツインヘッドの鈴木純に注目してください。時折立ち止まってしまう梓をいつも絶妙な立ち位置から支えています。映画で「天使にふれたよ!」が流れている間にそれらしい回想シーンがあったのは凄く嬉しかった。






10;ラストシーンの「謎」


映画のラストシーン。三年生組が下校時に歩きながら話をしてます。自らを「足フェチ」と言い切る山田監督だけあって、四人の足の太さと歩き方が、顔を映すまでもなく誰が誰だか判別できるという恐ろしい演出で目を見張ります。
泣きそうになるのを耐えさせていた緊張が解けてここで泣き出す澪、「泣いてる場合じゃないわよ」と声を掛ける紬。これ、原作最終話にあってアニメには無かったシーンです。原作とアニメの終了が同時進行だったことや尺の問題などもあって、アニメにならなかったんでしょう。とてもいいシーンなので、映画で見られて嬉しかった。
だんだんテンションが上がって走り出す四人。飛行機のように両手を広げて走る唯。その先の橋の上に梓の姿を見つけて、いつものごとく「とおっ」と襲いかかる(笑)ある意味拍子抜けなくらいいつもどおりな感じで映画は終わります。
梓の傍にはもう一人いて、小さくて解りにくいんですがシルエットと声からすると和ですよね。



このシーン、よく考えると変なんですよ。あそこで梓と和に会ったっていうことは
・じゃあ四人と梓&和はなんでどこで別れたの?
TV最終回だと、卒業式の全てを終えた状態で五人が部室に集まり、「天使にふれたよ!」演奏後に和とさわ子も部室に合流して「ふわふわ時間」から始まる部室最終ライブが行われたはずです。
で、その後梓と和だけが四人と別れて帰る場面が想像しづらい(笑)いったん別れてもういちど会うのもちょっと変な感じです。和なんか階段で唯と「帰れたら一緒に帰ろう!」ってサインもやり取りしてるのにねぇ(笑)
でもこうなった理由は少しわかる気がします。原作のシーンは入れたかっただろうし、梓&和とここで再遭遇することは最後の最後に唯からの「まだつながっているよ」という気持ちを表現することになりますから、こうならざるを得なかったんじゃないかなと。


まぁせっかくなのでここはこまけぇことはいいんだよ!として(笑)流れの違和感は横に置いておいて、前向きに妄想してみたいと思います。

「梓と和のツーショット」って貴重なんですよ。TV本編でもほとんど無かったんじゃないかなぁ。番外編「計画!」で本屋で梓と和が遭遇して会話するシーンで「おおっ」って思った覚えがあります。

梓と和が二人っきりになったとき、一体何を話すのか。
この二人を直接繋ぐ線はあまり強くありません。しかし二人には大きな共通点があります。




説明するまでもなくそれは「唯」ですね。どちらも唯とは深い絆がある。
更にこの二人は「唯と一旦の別れが確定している」という点でも共通しています。
何より卒業式の直後なわけです。唯の話以外に会話が想像できません。


夕暮れの中ゆっくりと歩きながら、二人がどんな唯を語り合ったのか、機会があるなら是非聞いてみたいものです。そこにはちょっと変でウザイけど、とても優しくて暖かい思い出がぎっしり詰まっているはずですから。







11;ここが「変」だよ SUSHI-BAR!


●延々と映画「けいおん!」ココがイイ/カワイイ/萌える/笑うなどなどアホみたいに書き連ねてきましたが、ハイここはツッコミコーナーです(笑)
うぇるかむとぅーまーいすぅしばぁー。ポンチくんっ。ハッハカセェェェェ。それはモーレツ科学教室。
↑ネタがローカルすぎる。


興味本位で入ったロンドンの回転寿司バーで、何故か演奏させられる羽目になった五人。
まぁ言葉の壁もあるしこういう時の判断力に長けた奴は一人も居ないししょうがないよ。大好きな「カレーのちライス」の演奏シーンが見れたのでここまでは許すよ。しかし、しかしだ。





演奏終わった途端に裏から追い出すのはどうなんだ(笑)
ギャラ払えとまでは言わないが、せめて寿司喰わせるとかおみやげ持たせるとかあるだろ!最低限お茶くらい出してもバチは当たらねぇよ!(笑)
もしやアレがえげれすの流儀なのか。イヤ行ったこと無いけどまさかなぁ。紳士の国だろ確か(笑)
(関係ないけど寿司バーオーナーのおっさんのベストが左前なんだよね。あの腰つきといいやっぱりガチのオカマさんなのか?)

その後店の前で一期番外編「ライブハウス!」に登場した、律と澪の中学の同級生で「ラブ・クライシス」というバンドを組んでいるマキちゃんたちと奇跡の再会をし、マキちゃんたちが件のライブハウスのマネージャー川上さんのつてで寿司バー開店祝いのライブに呼ばれたこと、そしてどうやら彼女達とHTTが間違われたらしいことが判明します。
が、そこですぐ別れちゃうのもなぁ。ついていって説明して貰えばお寿司食べれたかもしれんのに。

コレ別の心配も浮かぶんですよ。もしかしたらラブ・クライシスも演奏終了後に裏からとっとと追い出されたんじゃねぇのか?(笑)





基本的にけいおん大好きーなんですが、時折こういう「いやいやいやオカシイだろ!」って流れが割とあってかなり戸惑います(笑)

山田尚子監督は、キャラクターを表現することについて「各キャラのらしいところを自然のままに出したい」といった主旨の発言を繰り返しされています。どこかの次元に唯たちが実在していて、それを観察して記録するといった感じのいわば憑依体質的な姿勢ですね。紬担当声優の寿美菜子嬢も、雑誌「Cut」のインタビューで「山田監督が、各キャラのふるまいがその子らしいものであれば、多少違和感があっても大丈夫、と仰っていた」といった主旨の事を言われてます。
「目の前に突然犬が現れたら、アニメの唯ならどうするか」
と問うたときに、山田監督がその「絶対解」を出せる人なのは間違いないでしょう。そしてその唯のリアクションがかわいくて/面白くて、それを全力で描こうとするんだと思います。

…ただ「ではなぜそこに犬が現れたのか」にはあまり注意を払っていないフシがある(笑)

仮にあそこで無事寿司を食べられたらどうなるか。
・追い出された店の前での間抜けな会話
・マキちゃんたちとの再会と謎解きの流れ
・(おそらく最大の理由と思われる)憂が用意したレトルト和食セットの出番と、それに絡むホテル一泊目のシチュエーションの大半
これだけの要素がボツになってしまうわけです(笑)
多分アイディア出しの段階で、こういう状況でこうなったら面白いよねかわいいよねってネタを無数に羅列して、話として整理する段階で各シチュエーションがあまりに魅力的すぎるんで、演奏直後に追い出される不自然さが横に置かれちゃったんじゃないかなぁと。そう思うとむしろ気持ちがすっげぇわかる気はする(笑)


TVのときからこの展開もうちょっとなんとかならないのかなーと思うことが結構あるんですが、その結果描かれた各キャラのリアクションがいちいち良かったりするので、文句が言いづらいんだよなぁ(笑)
思えば初めてTVで見た二期2話「整頓!」で、さわちゃんの古ギターを売った50万円の買取証明書を食べてしまうりっちゃんを超カワイイと思いつつ、着服を誰一人本気で咎めないことにドン引きしてたんだよなぁ。あのときやめておけば良かったのかっ。しかしもうここまで来てしまった俺の負けだっ。




余談ですがラブ・クライシス&川上さんが登場する一期番外編「ライブハウス!」は、TV未放送映像ソフトのみ収録の回ですが、30分の間に仲間(軽音部)・友(和・純)・家族(憂)・師(さわ子)らの全ての繋がり・良いところ・ダメなところが描かれていて、なおかつ部室以外の外の世界で音楽に真面目に取り組む(笑)という非常にオイシイエピソードになってます。個人的には一期の中では一番好きな回かも。演奏時間が短いのが難点ですが、手っ取り早く「けいおん!」の概要をつかむにはオススメの回です。








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