site“なんちゃってkomarigao・・・ぢゃなくて、★目からうろこのFanconi解説★です。
先日、komarigaoのあけんさんが、BBSやブログで、メっチャクチャ分かりやすくファンコニ症候群について解説して下さいました。目からうろこの内容だったので、このサイトにもまるっとコピーを掲載させていただきました。

「ファンコニで困った時は開いて読んでみナ。」

って、そんな内容のページですので、バセンジーの飼い主様、現在ファンコニ症候群と向き合っている飼い主様、このページをプリントしていただいても結構ですので、是非是非、一度ゆっくりと目を通して下さいますようお願い致します。

あけん様へ

快く掲載を承諾して下さりありがとうございます。少しでも多くの飼い主さんの目に留まるよう、配信に務めてまいります。
2012.7.18 トーチャン

ファンコーニ症候群 治療開始のススメ♪


ファンコーニ症候群に慣れ親しんで数年
ワタシの中では当たり前になっていることを、たびたび初心に返らせてくれるコトがある
最近やり取りしていました病気の情報交換のBBSにて、
ひっさしぶりにファンコーニ症候群とはぁぁぁ〜〜〜〜〜
って書きましたので、まるっとこちらにも移しませう・・・

発病を余儀なくされた全てのバセンジーちゃんが
きちんとした治療を受け、苦しみのない生活が出来ますようにっ



頂いた質問への回答ですので、文章はなんかと繋がり有るなぁ〜って文面です
詳しくは2012/7/11のBBSを読んでくださいねぇーっ




>最後に質問

>ここまでがむしゃらに来て今さらな質問ですが・・・
>尿検査で蛋白がプラスなのはたんぱく質が失われてることだとわ>かります。
>で、糖がプラスっていうのはなんだろう?

>その詳しい内容を血ガス検査で調べたっていうことなのですか?
>今さらですが急に?と思ったので教えてくださいませませ。


お待たせしましたっ
こちらのお返事でごじゃります!

なるべく簡単に・・・を心がけまいりますが
これを説明するにはファンコーニの仕組みの説明が
一からになりそう(笑)ですので、
わからんちんな言い回しでしたら
又遠慮なく突っ込んでくださいねー♪

ファンコーニ症候群がめずらしい病気ゆへ
どの動物病院でも治療してもらえない・・・というのは
もぅ十分お分かりいただけたかと思いますが
遺伝病であるがゆへに、バセンジー犬には
高い確率で発病してしまう病気なんですね。

アメリカでの発症率は約3割ほどですが
島国の日本で元となるバセンジーの輸入頭数はわかりませんが
遺伝病の配慮が全くなされず近親交配が繰り返されながら
頭数を増やしてきたと想像できますので
(血統書を見てバンバン血縁が見つかるのはその為)
もしかしたらアメリカでの発症率を上回っているかもしれませんネ。
と、ワタシの妄想は広がるばかり(苦笑)

さてさてそのファンコーニ症候群とはどういう病状のこと?
という説明を簡単にしますね。

腎臓の働きは色々ありますが
ファンコーニに関係しているのは以下の働きのときです。

腎臓は血液をろ過して老廃物など不要なものを尿として体の外へ
そして体に必要な栄養は血液中に戻してくれる働きをしています。(再吸収)
よって体内には栄養が不足することなく、
必要な栄養はきちんと体内に戻り、留まってくれるのです。(人も犬も)

又、腎臓でのろ過行程は2度あり、1度目はおおざっぱに、
2度目はきっちりって感じでしょうか(笑)

1度目のろ過活動で出きる原尿(オシッコの元)には
沢山の栄養が大量に残っており、グルコース(糖)もアミノ酸も水も
生命の維持に必要な栄養がまだまだ含まれています。

2度目のろ過活動で、生命の維持に必要な栄養は
色んな段階を経て血液中に戻り(再吸収)
不要なものはオチッコとなって、外に出てきます。

そして、ファンコーニの遺伝が現れてしまう部位は、
この2度目の行程の尿細管というところになります。

上で説明したとおり、生命の維持に必要なグルコース(糖)やアミノ酸は
尿細管で漏れることなく完全に体に戻るべきなのですが、
ファンコーニ症候群を発病するとこの尿細管がダメージを受け
残念ながら栄養は体に戻らず(再吸収出来ず)
オシッコに出てしまうっちゅうワケです。

お料理で使うザルなどを想像してもらえば解り易いのですが
グルコース(糖)やアミノ酸などは、血液中の栄養の分子としては大きい部類になります。
ので、健康体のザル(尿細管)では網目を通過出来ません。
だからグルコース・アミノ酸などは100%体内に戻ります。

ファンコーニはこのザル(尿細管)の目が大きくなってしまい、
このグルコースやアミノ酸を一部通してしまうのです。
※1)100%ではありません。そんなことになったら死んでしまいます(苦笑)
症状が進行していれば沢山通しているかもしれないし
早期に発見し、すぐに治療を始めればダメージが少なく
少ししか通してないかもしれない。みんな個体差がありますので。

いわば1度目のろ過行程の沢山栄養が含まれている原尿が
オシッコに出てしまっている状態になります。
※2)ただし、腎臓は常に100%動いているわけでなく
一部働いて、一部休んで・・・と順番に動いています。
遺伝が現れる部位・まだ現れていない部位、があるようなので
全ての栄養が出てしまうわけではなく、症状はゆっくり進みます。

※1・2の理由により、治療をしていない子でも
数ヶ月・・・数年・・・治療せずとも生きれるのだと思います。
徐々に栄養がなくなり、ゆっくりゆっくり進行しますが、
常に栄養が不足している体は他の病気を併発したりし、
いずれ手に負えない状態まで進行してしまいます。


だから、この病気の理想的な治療は、
できるだけ早く発病をキャッチし食事を正すコト。
そうすれば腎臓のダメージを少なく出来、
オシッコに栄養が出てしまってはいますが
食事で補えてるので健康体の犬と変わらない生活ができる・・・
という仕組み(ゴントー先生の進める治療)なんです。

たかが尿糖で遺伝病?メッチャ元気だから必要ないでしょ?
血液検査は正常だし・・・と思われることが多いですが
発病すれば確実に尿から栄養はどんどん出ていっているワケですので
目に見えた症状がまったく出てなくても、血液検査が問題なくても
一度でも尿糖が出て、血液中のグルコースが正常であれば
(そしてバセンジー犬であれば)ファンコーニ症候群の発病と認め
早いうちからケアするに越したことはないのです。
(早期発見・早期治療の呼びかけはこの理由です。)

尿から出てるであろう栄養達を、
口からとる食事でガンガン与えるよう心がければ、
多少の症状が出ても、元気でいてくれるんですヨ!

ゴントー先生のお言葉を借りると
バセンジー犬であり血液検査のグルコースが正常であり
尿に糖が一度でも出たら、ファンコーニの発病です。
とのこと!(^^)

ので、症状を進行させないために、
早い段階から食事のケアにとりかからなくては、
悪化してからでは手遅れになりがちですし、
駆け込まれたお医者さんがこの病気の正しい治療法を知らなければ
注意しなければいけない処置がわからず、誤治療に繋がる可能性も高いんです。

何度もお話している、良質なタンパクや栄養を沢山とって体内で
(胃腸の消化吸収)是正し体を維持しましょう!!
というお話は、とても理にかなった治療方法なんですよ。

>尿検査で蛋白がプラスなのはたんぱく質が失われてることだとわ>かります。
>で、糖がプラスっていうのはなんだろう?


という事で、上記のお返事は、タンパクだけが失われるというより
タンパクも、糖も、他の栄養も、腎臓で再吸収されない栄養が
オシッコにダダ漏れしちゃってるからだ・・・と、思ってください!

血ガス検査のお話は次に書きますね。
つづく・・・


ちゅうことで、ホンマにつづきます(笑)
血ガス検査の必要性のお話へ続く・・・

ファンコーニ症候群 血液ガス検査の必要性♪

前回の続きです

こちらも、頂いた質問への回答ですので、文章はなんかと繋がり有るなぁ〜って文面です
詳しくは2012/7/11のBBSを読んでくださいねぇーっ

血液ガス検査がどうして必要かを熱く語っておりますので
まだ血ガスを出来てない方の耳に届けばうれしいなーと思います




>最後に質問

〜中略〜

>その詳しい内容を血ガス検査で調べたっていうことなのですか?
>今さらですが急に?と思ったので教えてくださいませませ。



さて、後半部分の血ガス検査で・・・・?の回答です。

血ガス検査をするのは、血液中の栄養であるHCO3(重曹)が
体内にいかほどあるのか、又体が酸性に傾いていないか
症状に依ってはpHやCO2などの値を参考に
この病気の重症度を調べるのが目的です。

前半の回答でおしっこに栄養がダダ漏れなんですよ…
と説明しましたが、HCO3(重曹)も同様に
尿に出てしまっているので、それを知る為の検査です。

残念ながら、普通の血液検査で解ればよいのですが
このHCO3は血ガス検査でしか解りません。
HCO3はファンコーニ症候群であれば、必ず喪失していきます。
体内に足りていないと不調が出てきますので
血液ガス検査が必要になるという訳です。

血液のお話になりますが、血液は体の内部の働きで
一定のpHに保たれるようにできてるんですネ。
そのpHが正常値より酸性になろうとしている状態をアシドーシス
逆に塩基性になろうしているのをアルカローシスと呼び
ファンコーニ症候群は、おしっこにHCO3が出て
体は酸側(アシドーシス)に傾いてしまいます。

この酸側に傾いた体を正すために
重曹(アルカリ性)を与えるのです。

重曹の投与は、体内のpHを一定に・酸側に傾いた体を正し
(なので、投与開始から血ガス検査時のHCO3の値は20以上のキープを目標とします。)
健康体に近い値に引き上げる大切なことなんです。

現に○○ちゃん(トピ主さんのバセンジーちゃん)の血液ガス検査結果ですが

>PH 7.244
>HCO3 17.9

(ワタシの解る範囲で)この2ヶ所だけでも
体が酸性に傾いているのが解ります。

花・くららが使用しているIDEXXという機種の平均値なので
値は少し違うかもしれませんが、PHの平均値は7.31−7.42で
HCO3の平均値は20−29なんですネ。

○○ちゃんの結果にあてはめると、
pHもHCO3も平均より下回っていることが解り
これは体が酸側に傾いていることを示します。

ゴントー先生の論文にも下記の様に書かれています。

* * * * * * * * * * * * *

F SODIUM BICARBONATE ANTACID TABLETS- (Brands include URL, Rugby, Lily, Watson and Concord.)
F 重炭酸ナトリウム塩制酸薬錠剤−(この錠剤を扱う製薬会社にはURL, Rugby, Lily, Watson、Concordがある)

This is THE MOST IMPORTANT component of this protocol.
これは本文献の最も重要な要素である。

Without correction of the Fanconi bicarbonate loss and correction of serum acid/base imbalance, this disease remains fatal.
ファンコーニ症候群における重炭酸塩喪失および血清酸・塩基平衡異常の治療無しでは、この病気は致命的なままである。

* * * * * * * * * * * * *


【結果】

普通の血液検査も、血液ガス検査も、尿から出てしまっている栄養が
血液中にどういう影響を与えているかを知る為の検査です。
足りない栄養、足りてる栄養を定期的な検査で診てもらいます。
足りてない栄養は、お薬を頂いたり、食事の内容を考えて頂いて
平均値内にもってくるよう指導してもらいます。

他に、病状は進行していないかや、違う病気を併発していないか
他の病気の初期を見過ごさないチェックにもなります。

定期的に行う検査は、ファンコーニを発病していても、
元気で健康に過ごせる様チェックする大切なコトなのです。

又ファンコーニ症候群の病気を理解することで
誤治療を防ぐことも出来ます。

例えば、重曹投与を始め体に十分足りていると
余分な重曹は尿に出ますので、尿のpHは常にアルカリ性に傾き
通常であれば結石の心配がなされ、pHコントロールの療法食など
勧められますが、ファンコーニで重曹投与を開始していれば
尿がアルカリ性に傾くのは致し方ないことなので
pHコントロールを与える必要は有りません。

むしろその食事は低たんぱくで電解質をセーブしているので
ファンコーニの治療には向きません。

腎不全でも同様に、ファンコーニ症候群を持って腎不全を併発した場合
腎不全の療法食では、
低タンパク低リン食になります。
タンパク・リン・・・これらはファンコーニ症候群で尿中に喪失される上に
食事でも摂取することができないということになり、
必要以上に栄養が不足してしまいます。


なのに、腎臓の病気だから…と腎不全を併発していないのに
腎臓サポートの療法食を勧める残念な先生もいらっしゃいます。
※赤字部分BBSと違います。追記しました。


又、点滴の話も前レスでした通り
この病気の進行を助長させてしまうような点滴もあります。

薬一つとっても、グルコン酸カリウムは有効ですが
クエン酸カリウムは有効ではない…
(黒田先生に理由を聞いて納得したんですが、
その理由を忘れちまいましたぁーごめんなさい!)

※‘その理由’の追記です。(2012.7.23)

“ラクト(乳酸)”と名前に付く輸液はアシドーシスを助長させますので
この病気を持つ子への利用はNGです。
輸液の必要があるならば、生理食塩水(液)に必要な栄養素を混ぜるか
ただの“リンゲル”という輸液を利用するのが望ましいそうです。
※病状・状況によりますので、主治医の判断を仰いでください。
とにかく、アシドーシスを助長させる(現状より更に酸側に追い討ちをかける)
ものは利用しないように・・・


薬一つとっても、グルコン酸カリウムは有効ですが
クエン酸カリウムは有効ではない…


など注意点が有り、この病気をきちんと理解して下さった先生は
その点を留意しながら治療して下さいますが
それをご存じない先生の元に行ってしまうと
残念ながら誤治療につながってしまう危険が出てきます。




ココまでがBBS文面、不要なところは省いていますがほぼ原文です。

お分かりいただけると思いますが、この病気にとって食事で栄養をとることは
確実に生命の維持に繋がってるんですネ。
尿に栄養がダダ漏れなのですから、食事で補うことは必然・・・
それをまず理解してください。

ゆるやかに進行する為、なかなか危機感を持ってもらうのが難しいのですが、
定期的な検査で“現状”を知っておくことはもっとも大切な“治療”です。
更に、血ガス検査で体内の“HCO3”の値を知ること、重曹を与えることの必要性も
この文面を読んでご理解いただければと思います

ながながお付き合い頂き、ありがとうございました


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