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LOVELY、LOVELY、HAPPY ! - autumn wind -






「うーん、なんとなく私は竜センパイの気持ち判るけど」
「え」

謝らせてくれない、という私の話を聞いた眞乃が、少し考えてからそう言った。
「え、え、なにが?」
「だって、竜センパイとしては、無傷で真琴を助けたかったと思うわよ。それを骨折。格好悪いじゃない」
「かっこわるい…」
想像もしていなかった言葉にびっくりする。
「ああ〜〜、なるほど」
理佳も納得そうな声を上げた。
「確かに。本当なら華麗に助けたかっただろうにね」
「でしょ? しかも骨折のせいで予定になっていた決勝戦はドタキャン。意外と竜センパイは約束関係を守る人だと見てるけど?」
どう?と眞乃は私を見る。
「う、うん、そう・・・」
竜くんは、自分では色々いうけれど、実際には、約束したことや言ったことは大切にする人だ。
「・・・・・・」
「ね?」

格好悪いから・・・って、


え?ホントに?


「鈍くさい失敗を思い出したくないんでしょ、だから言われるのイヤなのよ」


ええ〜〜??!


「ギプスのせいで骨折のことが周りに丸判りなのも、腹立たしいはず、と私は見ていますよ」
ニヤリ、と眞乃が笑う。
「竜センパイ、かっわい〜い」
理佳が囃はやした。
「私たちは真琴を庇って、怪我をしたって知っているけど、学校中には階段から落ちたって思われてるし」
「あ、」
それ。
それも、真実を私は言いたい。
でも、竜くんに止められているから言えない。
「だーかーらぁ」
眞乃が呆れた声を出す。

「竜センパイにとっては、真琴を守り切れなかったことの方が、単純に階段から落ちたっていうよりも、恥なのよ」

「だから、広めたくないんでしょ」
わかった?と覗き込まれた。



・・・・・・わかった・・・ような、わからないような。
え、ホントに?
竜くん、そうなの?


確かに、階段から落ちてマヌケって友達から からかわれても、怒っているけど、私がそのときのことを持ち出すときほど不機嫌じゃない。
あっさりしている気がする。
それは、階段から落ちたって思われるのは、重要じゃないからなの?


「ええ〜〜…?」
なんだか、納得してしまったような…。


「真琴」
にこっと優しく眞乃が笑う。
「竜センパイは好きとは言ってくれないだろうし態度も判りにくいかもしれないけど、『一番大切な女の子』だとか、『真琴のもの』だとか、そういう言葉、嘘は言わないんじゃない?」

「う、うん…」

「竜センパイだって、初めての恋愛なんでしょ? 真琴と同じで、慣れてないんだから。あんまり求め過ぎても酷だと思うわ」

ね?と眞乃は姉のような瞳で私を見た。






つづく




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