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よく「目が悪くなった」とか「近くが/遠くが見えない」と言いますが、健康な目を持っている人は、どのように見えているか、ちょっと理解できなかったりします。 "見えない" のなら、真っ暗とかなの? という素朴な疑問がある訳です。 同じ凸レンズのメガネが必要な遠視と老眼、どう違うの? 弱視とは? その辺のハナシです。 2005/11/20
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手元などの近くはピントが合うのに、遠くの景色などにピントが合わない状態です。おそらく、日本人に最も多い「目の悪いタイプ」です。 学生であれば手元のノートは見える(ピントが合う)けれど、黒板の字が見えない(ピンぼけになる)といった状態です。 近視は、凹レンズの眼鏡かコンタクトレンズで矯正します。 先天性の場合は眼球自体が長い場合が多く、後天性の場合は水晶体の度が強すぎるために起きるようです。 2005/11/20
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手元ばかりしか見ていないなど目を酷使したために、近くにピントが合ったまま固定されてしまい、近視のような状態になる症状です。 「手元はピントが合うのに、遠くにピントが合わない」という事自体は近視状の症状ですが、原因として見れば老眼と一緒です。 たまに遠くの景色を見て目をリラックスさせると防止できます。 治療も可能のはずですので、眼鏡屋さんで眼鏡を作るより先に、眼科で検査してみてください。 2005/11/20
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手元などの近くにピントが合わない状態で、機能的には近視とは逆です。 凸レンズの眼鏡かコンタクトレンズで矯正します。 ほとんど先天性で、眼球自体が短いか、水晶体の度が弱いために起きるようです。 老眼と違い、年齢が若ければ、矯正すれば無限遠から手前10cmまでピントが合います。 20歳前後までは、手元も遠くもピントが合うために、弱い遠視は検出が困難です。 ただし、近くを見る場合に正常な目の場合より強く調整する必要がある上、遠くを見ても目がリラックスできないため、眼精疲労・頭痛・肩こりといった症状が現れやすいので注意が必要です。 遠視に仮性近視が加わっている場合は、プロ(=医者)でも見抜くのが難しいようです。 先天性の過度の遠視の場合、乳幼児期の時点で手元にピントが合わないため、視覚の発達が阻害され、弱視になるおそれがあります。 2005/11/20
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老化によって水晶体の弾力が衰え、ピントの合う範囲が狭くなるのが老視です。 近くを見る時だけ凸レンズの眼鏡で矯正します。 30代後半から40代ぐらいになると「無限遠はピントが合うが、手前のピントが合わなくなる」という症状が出てきます。 遠視との決定的な違いは、「凸レンズの眼鏡をかけたままだと、今度は遠くにピントが合わない」という点。 そこで、眼鏡の上半分の度を弱く、下側の度を強くした「遠近両用」という眼鏡が登場することになります。 目の老化は、実は10代から(産まれてすぐから?)始まっており、10代では手前8cm、20代で手前10cm、25歳で12cm、30歳で15cm、35歳で20cm…とだんだん近くにピントが合わなくなってきています。 40代になると明視距離(手元を見るのにいちばん見やすいとされる距離)である手前25cmでもピントが合わなくなり、「ついに来たか」となる訳です。 ピントの合う範囲が狭くなるのが老視なので、近視の老視、遠視の老視などの組み合わせがあります。 2005/11/20
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ハッキリ見える場所までの距離をメートルで表して逆数をとったものをジオプトリ(D)と呼び、度の強さを表します。 たとえば、1メートル手前が1ジオプトリ(1.0D)、50cm手前が2ジオプトリ(2.0D)です。無限遠は0ジオプトリです。 近視の場合、本を持って手前から遠方に離していって、たとえば50cm手前より遠いとピントが合わなくなる場合、2Dの度の目ということになるので、マイナス2ジオプトリ(-2.0D)の凹レンズの眼鏡で矯正すると、無限遠にピントが合うようになります。 20歳代だと調整範囲が10ジオプトリぐらいあります。 遠視でも矯正すれば無限遠から手前10cmぐらいまでピントが合います。 歳を取ってくると、調整範囲が狭くなってきて、老眼が気になり出す40代になると無限遠から手前30cmぐらいまでしか合わなくなります。 調整範囲に換算すると、3.3ジオプトリぐらいです。 先の2.0ジオプトリの近視の場合、20歳代だと2.0〜2.0+10ジオプトリ、手前50cm〜手前8.3cmまでピントが合います。 それに老眼が加わって、調整範囲が3.3ジオプトリに狭くなった場合は、2.0〜2.0+3.3ジオプトリ、ピントの合う範囲は手前50cm〜手前18.8cmになります。 凹レンズのメガネで矯正すると、遠くはピントが合っても40cmぐらい手前のピントが合わなくなり、「近くはメガネをはずした方が見える」となります。 2006/06/18
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角膜が球面でなくなることで、"・"が"|"や"-"に流れて見えてしまう症状です。 近視や遠視、老視とはまた別の要素ですので、近視で乱視、遠視で乱視、近視で乱視で老視といった組み合わせがあります。 常にピントを合わせようと緊張状態を強いられるため、眼精疲労はもちろんのこと、頭痛・肩こり・吐き気といった症状が現れやすいです。 特に軽度の乱視では、「頭痛や腹痛がひどいのに、内科で診察を受けても異常がみつからない」といった事が起きやすいので注意が必要です。 下手な眼鏡屋は、近視だけを矯正して乱視矯正をしない場合があるようで、「眼鏡をかけるとハッキリ見えるのに疲れる」という症状が1週間以上続く場合は、乱視の矯正不足を疑った方が良いでしょう。 2006/06/18
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角膜が球面ではなく楕円面に歪んでいて、縦軸方向と横軸方向でピント位置が変わることによる乱視です。 正乱視は生まれつきが多く、シリンドリカルレンズのメガネで矯正できます。 2005/11/20
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老化や事故などで角膜が不定形に変形して、ピントが合わなくなる症状です。 基本的に完全な矯正はできません。度のないハードコンタクトレンズである程度矯正可能です。 眼をぎゅっとつぶったあとや、眼を強くこすった後にボケて見えるのは、一時的に角膜が変形したことによる(強度の)不正乱視が起きるためだそうです。 2006/06/18
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ピントが合っても詳細を見分けることができない状態で、画素数の極端に少ないデジタルカメラの画像のようなものと考えると良いかもしれません。ただし、弱視にもいろいろなタイプがあるようです。 健常の目でも月の光程度の明るさの中で本を読もうとしても色がわからず、ザラついてハッキリ字が読めません。 これは、明るさが不足して錐体細胞が働かず、明暗だけを感じる桿体細胞しか働いていないために起きる現象です。 明暗だけを感じる桿体細胞は、視野中心には少ない(視線に対して40度程度の場所が一番多い)ため、いくら眼をこらして見ても、ハッキリ見ることができません。 健常の目でも、それほど暗くなると "視力" は0.1以下に落ちます。 しかも、弱視による0.1といった視力は、近視や遠視と違い、眼鏡で矯正できません。 生まれつき色を識別する視細胞(錐体)が欠落するなど、黄斑内の視細胞の数が少ないタイプの弱視の見え方は、これに近いはずです。(違うかもしれませんが…) 白内障や緑内障に起因する弱視もあります。 ※画像はイメージです。実際の見え方と異なる場合があります。 2006/06/18
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(主に老化で)角膜や水晶体が白濁してしまう病気です。 ビニール袋を通して見たような、霧の中のような、そういったフワっとした見え方をします。周囲が明るいとギラギラした印象になることもあるようです。 水晶体や角膜が完全に白く濁ると失明となります。 角膜移植、人工水晶体移植などで視力を取り戻すことは可能です。 2005/11/20
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眼球内の圧力が上がることで視神経が圧迫されたり損傷を受けることで、部分的な視野欠損などが起きる病気で、最悪の場合、失明します。 眼球が長いことによる近視の場合も網膜が圧迫されている場合があり、緑内障になる危険性があります。 緑内障の怖い所は、視野欠損が起きても自覚しにくく、病気が進行しているのに気が付かない点です。 最もハッキリ見える部分である黄斑部分の損傷を受けると、弱視や失明ということになり、「目がおかしい!」と気づいた時点で既に手遅れになっているケースが多いそうです。 視野欠損が起きたら、すぐわかりそうなものですが、実はわかりません。 人間の目には盲点というのがあります。 下図の場合、右目で A を見て、適当な距離(20cm程度)離れて見ると、Bが消えます(左目でBを見るとAが消えます)。 A B 盲点の存在は、こうしてわかる訳ですが、片目だけで周囲を見渡したとき、視界の中のどこが盲点なのか、ハッキリわかるでしょうか? おそらく、わからないはずです。 盲点という視野欠損部分は、視野の中にポッカリ穴があくのではなく、盲点の周囲の景色の色で補完して埋めているために、存在がわかりません。 緑内障による視野欠損も、盲点の視野欠損と同様に、視野が欠損してもその存在がわからないのです。 緑内障は自覚症状がないまま進行しやすいので、早期発見・早期治療が肝心。 テレビ放送をしていないチャンネルや、放送終了後の砂嵐画面を間近で見ると視野欠損のチェックができます。 正常な部分はザラザラに見えますが、欠損部分はグレーに見えます。 緑内障チェックシートのようなものもあるようですので検索してみてはいかがでしょうか。 2005/11/20
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