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■37 / inTopicNo.1)  第2章 2:「金の霧と黒い霧」
  
□投稿者/ ぴよきち <一般人(23回)>-(2004/10/31(Sun) 04:48:34/220.22.84.91)
        目の前のレオンの姿が段々と消えて行き、周りが真っ暗になったかと思うと今度は何
       も聞こえなくなりました。少し息苦しさを覚えて徐々に全身の感覚が無くなっていきま
       した。まるで今から深い眠りに入るように、意識も次第に朦朧としてきた時、目の前に
       一筋の光が見えました。光は段々と大きくなっていき、自分の身体が光に吸い込まれて
       行ったかと思うと・・・ ドーンと背中に何かがぶつかりました。
        背中に当たったのは地面でした。痛みを堪えながらゆっくりと立ち上がり、勇者は廻
       りを見渡しました。
        「ここは何処だ・・・ 僕は・・・そうだ、レオンにテレポーテーションで・・・ということは
       ここはデリナダか」段々とハッキリしてきた意識を持って、改めて廻りを見渡しました
       が、デリナダらしき町も東の祠もありませんでした。
        「とにかく町を探そう・・・」
        勇者は当ても無くとにかく歩き始めました。方角もハッキリしなかったので、とりあ
       えず山沿いを進んで行きました。
    
        一方、こちらは復興間近のラントの町。レオンは町の復興を手伝いながらも勇者のこ
       とを案じてました。「うまくいったのかな? 大魔道師も無茶言うよなぁ、俺にテレポ
       ーテーションをやらせるなんて・・・ あいつ無事だったのかなぁ、手応えは充分だったか
       ら死んじゃいない筈なんだけど。」
        テレポーテーションは大魔道師だけが覚える魔法で、レオンもスラックから学んでは
       いたのですが、とても難しい魔法で、完璧に成功させることができるのはLv.70を越
       えてからと言われている位でした。
        「まあ、調べようが無いことをいつまでも考えたって何にもならねえか・・・ あいつの
       こった、平気な顔して歩いてやがるだろ・・・」
    
        背中の痛みも殆ど消え、勇者は山沿いを何事も無かったかのように平気な顔をして歩
       いていました。もうどれだけ歩いたでしょう、さすがに少し疲れてきたかなという頃、
       遠くに村らしきものが見えてきました。「あれ、あの村は・・・」確かに一度来たことがあ
       る村でした。勇者は記憶を辿りながら村に向かって歩いて行きました。
    
        さて、‘デリナダ東の祠’でワープ装置の修復を終えたスラックは、2度とディアー
       ザに破壊されぬよう、邪悪な魂を寄せ付けない強力な結界を張り、デリナダの町へと向
       かいました。途中、出現したモンスターを‘サンダーL’‘ターン’‘ブロー’といっ
       た魔法で苦もなく倒しながら・・・
       「日に日に魔物の数が増えて来とるのう・・・ ディアーザが段々と力を付けて来とるとい
       うことか。奴が今、一番欲しいのは頑丈な身体の筈じゃ。となると、奴がどうやって身
       体を手に入れようとするのか、それを考えねばならんな。さて、そろそろあの少年もデ
       リナダに来る頃じゃと思うが・・・ 全くデリナダの連中はどうしてああも問題ばかり起こ
       すんじゃ、やっぱりオスヤコディの怨念かのう・・・ くそっ、わしがもう少し若ければ自
       分で解決するんじゃが、残念ながら、さすがにあの洞窟の奥まで行く体力はもう無いわ。
       全く悔しい話じゃ・・・」さすがにお年を召された大魔道師らしく、ぶつぶつと独り言を言
       いながらスラックはデリナダの町に入って行きました。
    
        目指す村に入った勇者は、早速、門番に話し掛けました。すると門番は・・・
        「おお、お前、この村の客! ここ、通ってよいぞ!」
        勇者はぺこっと頭を下げて、村の奥へと向かいました。そうです。勇者が辿り着いた
       のは、サザラド大陸のマックルエルフ族の村(マックルエルフの村2)だったのです。
        早速、村の奥に行って長老に挨拶をしました。
        「おお、お前、ディアーザ倒した勇者! ゆっくりしていくよい・・・ でも、その前に
       頼みある。」
        「頼み? 何だろう」勇者は首を傾げましたが、長老はお構い無しに続けました。
        「お前、ディアーザ倒した。西の聖なる樹、魔物消えた。」
        「それは良かった」と勇者が言おうとしましたが、長老は遮るように続けました。
        「三日前、金の霧と黒い霧、聖なる樹に入った。それからまた、魔物出てきた。」
        「金の霧と黒い霧?」それが何なのか勇者には判りませんでした。
        「聖なる樹、村に伝わる‘秘伝の書’ある。魔物が取るよくない。お前、取ってくる
       よい。」
        勇者はデリナダに一刻も早く行きたかったのですが、長老の頼みを無下に断る訳にも
       いきません。結局、こくんと頷いて‘西の樹’に向かって歩き始めました。
        西の樹の手前には門があり、以前はここを通ることは出来なかったのですが、今は門
       の前に一人の門番が立っていました。
        「話、長老から聞いてる。通るよい。」と言って門番は道を開けました。
    
        勇者は何の衒いも無く、堂々と西の樹の中へ入って行きました。樹の中は以前と変わ
       りないように思えましたが、ディアーザを倒したことでこの樹も幾分成長したようで、
       葉が以前より生い茂りジャンプの必要は全くありませんでした。
        長老の言った通り『オークナイト』『ゆうれいマックル』『グリーンスライム』『ち
       くぼう』というモンスターは出て来ましたが、Lv.60の勇者にとってはただの雑魚敵
       にしか過ぎませんでした。
        殆ど障害もなく最上階に辿り着いた勇者は、恐らく長老の言っていた‘秘伝の書’が
       入っているであろう宝箱を見付けました。しかし、勇者は宝箱を素通りして、その向こ
       うに居る「金の霧」の正体のほうに進みました。
       
                                          つづく

引用返信/返信 削除キー/
■38 / inTopicNo.2)  金の霧
□投稿者/ ぴよきち <一般人(24回)>-(2004/10/31(Sun) 05:02:11/220.22.84.91)
     マクストをプレイされた方は、金の霧の正体はもうお分かりかと思います。場所も場所ですしね。
     と言うことは黒い霧も大体想像が付きますね。

     でも、この後もストーリーは続きますので、「金の霧ってゴー○○ンマッ○ルだろう」などというレスは付けないで下さいませ。
引用返信/返信 削除キー/



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