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■64 / inTopicNo.1)  第3章 1:「ラント発 − ウェイダン行」
  
□投稿者/ ぴよきち <一般人(41回)>-(2004/11/12(Fri) 23:02:01/220.22.84.102)
        勇者たちは龍の王国を出て、4つの宝玉‘天空の宝玉’‘地平の宝玉’‘水平の宝玉’
      ‘深層の宝玉’を手に入れるため、カラッカ大陸へ向かうことにしました。
        現状では、ワープでラントかデリナダへ行き、旅の扉で「ウェイダン東の関所」に出
       るしかありません。「そら、ラントから行ったほうが早よおまっせ。」というモンクの
       意見を採用することにして、勇者はワープを唱えようとしましたが・・・ 「あっ!やられ
       た!」またしても、ワープに呪いが掛けられていたのです。ということは・・・
        勇者たちは一瞬にして大ピンチになりました。渡し舟の船頭はデリナダに帰してしま
       いましたし、龍の王国に教会はありません。カラッカ大陸どころか、目の前のカラの町
       にすら行けません。「船頭を帰さなければ良かった・・・」勇者は悔やみましたが後のまつ
       りです。
        このピンチを救ったのは・・・ 勇者たちの後ろから声を掛けてきたこの人でした。
        「やあ、あなたたちのお陰でカラに帰れます。本当に助かりました。」カラの道具屋
       でした。「おや、どうされました?」勇者たちの暗い表情を見て、道具屋の親父が訊い
       てきたので、勇者は自分たちの状況を説明しました。すると「それでしたら、私の舟で
       カラまで乗せて行きますよ。」と言ってくれました。
        「ディアーザがこのお方を捕らえていたお陰で、拙者たちは助かったようなものでご
       ざるな。」と戦士が言いましたが、「何でやねん、ワープに呪い掛けたんもディアーザ
       や。」とモンクの速攻ツッコミが入りました。
        道具屋の親父にカラまで連れて来て貰った勇者たちは、お礼を言った後、カラに入り、
       教会で呪いを解いて貰って、早速、ワープでラントへ飛びました。
    
        勇者たちはカラッカ大陸へ行く前にラントの町に入って、レオンや花職人そしてサイ
       モンに挨拶をしておくことにしました。ラントの町に入るとレオンはすぐに見付かりま
       した。「よおっ、相変わらず元気そうだな。おっ、お仲間たちも一緒か。ココは相変わ
       らず平和だよ。」と言うレオンの身体には数ヶ所に新しいキズがありました。ディアー
       ザが復活してから日が経ち、平穏だったラント周辺にもモンスターが現れるようになっ
       たと村の人は言っていました。
        花職人に‘祝福の花’のことを訊いてみると、「花はすくすく育っていますよ。もう
       すぐ実がなって種が蒔かれ、花の数も増えてくれるでしょう。」と答えました。
        自分たちが冒険をしている間にも、ある者は花を育て、ある者は町を魔物たちから守
       っている。勇者は苦しい冒険を続けていながら、時々「どうして自分だけが・・・」と考え
       たことも正直ありましたが、こうして色んな人がそれぞれの役目を黙々とこなしている
       姿を見ると「自分の見えない所で、色んな人が自分と同じ目標を持って頑張っている。
       ラントだけじゃなく、世界中の町や村でそれそれの人が自分の役目をこなしているんだ。
       ディアーザを倒すということが自分に与えられた役目ならば、不平など言わず黙って目
       標に向かって進むのみ・・・」と、改めて気持ちを引き締めました。
    
        勇者たちはラントの中の北西の端にある小屋に入りました。小屋の中には階段があり、
       そこを下って北への通路を進むと、元グランデ国王のサイモンがいる筈です。
        サイモンは勇者たちが来ることを前以て知っていたかのように、にこやかな顔でこち
       らを向いて立っていました。「やあ、おかえり。龍の王国を救ったそうだね。」サイモ
       ンは恐るべき情報収集力を持っているようです。「せっかく来てくれたんだから、君た
       ちにいいことを教えよう。4つの宝玉は『ランガート南の洞窟』にあるよ。」
        「!?」勇者たちは思いもかけぬサイモンの言葉に驚いて、何も答えられませんでし
       た。「この人は何者なんだろう・・・ 大魔道師というのはこんなに凄いモノなのかな」と
       勇者は感心しました。レオンがスラックに頭が上がらないのも解る気がしました。
        「ランガートには旅の扉を使わなきゃ行けないことは判っていると思う。しかし旅の
       扉は『ウェイダン東の砦』にしか出ない。問題なのは、今、ウェイダン国王が東西両方
       の関所を通行止めにしていることだ。」
        「そらまた、何ででっか?」間髪入れずにモンクが尋ねます。
        「ウェイダンにタチの悪い盗賊が入ったようで、外へ逃がさん為らしい。」
        サイモンから「タチの悪い盗賊」と聞いて、勇者たちは反射的にひとりの人物を思い
       浮かべましたが、果たして‘彼’のことなのでしょうか。
        「その盗賊が捕らえられて、王が関所を開放しない限りランガートには行けないんだ
       よ。だからウェイダンに着いたら、まず王様に話を聞きなさい。もし、君たちが盗賊を
       捕まえることができたら、王はすぐにでも関所を開放するだろう。」
        「分かりました。黙って待っているより、自分たちがその盗賊を捕まえたほうが早そ
       うですね。」と僧侶が答えました。
        「そうだね。そうと分かれば一刻も早く出発したほうが良い。君たちも疲れているだ
       ろうが、ディアーザの魔の手からこの世界を救えるのは君たちしかいない。私からもお
       願いする。グランデ王国のような悲劇が再び起こる前に・・・」
    
        勇者たちはサイモンの許を離れ、ラントを発ち、「ラント西の祠」に入って右側のワ
       ープ装置に乗りました。あっと言う間に「ウェイダン東の関所」に到着し、階段を上が
       って関所内に出ました。勇者にとっては久し振りのカラッカ大陸です。
        サイモンが言っていたように、「真実の塔」に行く東側の出口には門番が立っていま
       した。試しに話し掛けてみると「通行許可証を持たぬ者は通す訳にはいかん。」とのこ
       となので、ウェイダンの町に入り、王様から‘通行許可証’を貰うことにしました。
        勇者たちはウェイダンの町に入りワープの行き先がまたひとつ増えました・・・ は良い
       のですが、盗賊騒ぎの影響でしょうか、店という店が、宿屋や武器屋も含め、一斉に戸
       を閉め、あの賑やかだったウェイダンの町がまるでゴーストタウンのようになっていま
       した。ウェイダン城の入り口にも門番が立っていたので、或いは「入れないのかな」と
       も思いましたが、試しに話し掛けてみると「おお、あなたは伝説の勇者! どうぞお入
       り下さい。」と言われたので、お言葉に甘えて城内に入らせて貰いました。自分たちが
       考えているより、自分たちのことは知れ渡っているようです。
        早速、王の謁見室に入り、ウェイダン王の話を聞くことにしました。
        「おお、来おったな。待ちかねておったぞ。グランデ王・・・ いや、サイモン卿から話
       は聞いておると思うが、お前たちに、今、この国を騒がせとる盗賊を捕まえて欲しいの
       じゃ。実は怪しい奴をひとり捕らえてはおるのじゃが、ソイツが本当に例の盗賊かどう
       かは判らん。ソイツじゃないような気もしておるのじゃが・・・ ただ真犯人が掴まりでも
       せん限り簡単に釈放もできん。例の盗賊に関して判っておるのは、変装の名人で普段は
       このウェイダンにおる、ということだけじゃ。」
        「それ、判ってるって言えるのかな」と勇者は思いました。
        「ただ、変装を見破る唯一の方法があるんじゃ。ここから東の『真実の塔』に置いて
       ある‘心眼ゴーグル’を装備して話し掛ければ、どんな変装をしておっても相手の本当
       の姿を見ることができるんじゃ。我がウェイダンに伝わる‘真実のメガネ’を改造して
       装備できるようにしたんじゃ。ま、早い話、その‘心眼ゴーグル’を取ってきて盗賊を
       見付けて欲しいのじゃ。暫く姿を消しとった魔物がまたぞろ出始めてのう・・・ おいそれ
       と取りに行けんようになってしもうたんじゃ。」
        「分かりました。何か前もココで同じことをやったような気もしますが、その盗賊を
       掴まえない限り『西の関所』は開放できないんですね。」僧侶が王に確認をとりました。
       「すまんが、そういうことになるのう。」王は申し訳なさそうに答えました。更に・・・
       「おお、そうじゃ。これは大変言いにくいんじゃが、実はの、お前たちから預かってお
       ったGとアイテムも、全部盗まれてしもうたんじゃ。本当に申し訳ない。」
        「げっ! 嘘やろ、ほんまかいな・・・」モンクが明らかに落胆しています。
        「残念じゃが、本当のことじゃ。盗賊を掴まえればひょっとしたら戻ってくるかも知
       れんが・・・ 正直、期待はできんのう。おっと、忘れるところじゃった。コイツがないと
       『真実の塔』には行けんぞ・・・」と言って、王は勇者に‘通行許可証’を渡しました。
    
        早速『真実の塔』へ向かうべく王に一礼をして謁見室を出た勇者たちは、ウェイダン
       城を出る前に、捕らえられている「怪しい奴」と話をするため地下牢に行くことにしま
       した。地下1階へ下りた後、マックル像の前の隠し階段から地下牢のある部屋へ入った
       勇者たちは捕らえられた「怪しい奴」を見ました。
    
                                          つづく

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