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■74 / inTopicNo.1)  第3章 5:「ディコスの真意」
  
□投稿者/ ぴよきち <一般人(48回)>-(2004/11/16(Tue) 15:58:58/220.22.84.102)
        海底トンネルの南側入り口、つまりウェイダン側の入り口には岩の壁がありました。
       そして壁の向こう側にスイッチが見えました。「なんや、コッチから行けんちゅうこと
       かいな・・・」モンクが訝しげに岩の壁を見ながら言いました。
        「ま、今はとりあえずランガートへ向かいましょう。」僧侶に促され、勇者たちは、
       西の関所へと進みました。ウェイダン王の指示で門兵は通路を開けていました。関所を
       通過し、一路ランガートへ・・・ 行く前に、勇者たちは鍛冶の村「シリーク」へ立ち寄る
       ことにしました。シリークに向かう途中『フライアニマル』『バルーンボンバー』『キ
       ラーブック』『スライムライダー』というモンスターが出現しました。出現するモンス
       ターも冒険を進めるに連れて幾分強くはなってきているようですが、まだまだ勇者たち
       の敵ではありませんでした。戦士も雑魚敵相手には決めゼリフを言わなくなりました。
        「そう言えば僧侶殿、ディコス殿がわざと牢に入ったのは何故でござるか。貴公は御
       存知のようであったが・・・」戦士が決めゼリフの代わりに僧侶に訊きました。
        「結論から言えば、私たちにアドバイスをする為ですよ。父親の遺品を取ってきた私
       たちに対する、彼なりのお礼なのでしょう。」僧侶は答えました。
        「それやったら、わざわざ牢に入らんでも、隠れ家でも良かったんちゃうの・・・」今度
       はモンクが尋ねました。
        「あの時点で、私たちは『盗賊はディコスかも知れない』という考えもありました。
       それを払拭するには‘あの場所’が一番だったのです。」と僧侶は答えました。
        「なるほど・・・ しかし僧侶殿は、王がディコス殿の話をする前にすでに判っていたよ
       うに見受けられたが、如何でござるか。」再び戦士が訊きました。
        「勿論、判っていましたよ。だってディコスさんは、以前、魔術師(僧侶)だったん
       ですよ・・・ シーフに転職されたのは白黒両魔法をすべて習得されてからなんです。です
       から牢の中に居たって、いつでも‘ワープ’で出られたんですよ。」
        「なるほど・・・ 拙者は全然気付かなかったでござる。まだまだ修行不足でござるな。」
        戦士が反省している間に、勇者たちはシリークに到着しました。ワープの行き先がま
       た1つ増えました。早速、マックルブレードの生みの親であるシリーク村長に挨拶をし
       ました。「おお、伝説の勇者たちじゃないか。また冒険を始めたらしいの。まあ、ゆっ
       くりして行きなさい。えっ、何『海底トンネル』に岩の壁があったと・・・ うむ、それは
       知っておるが、誰の仕業かは判らん。じゃが、まあ、お前さんたちが探しとる奴の仕業
       じゃろうな。」村長は訥々(とつとつ)と抑揚のない口調で話されました。
        「やっぱりな・・・」と勇者は思いました。
        「じゃが、確か、カラッカ側の入り口からは入れた筈じゃ。ただ、まだスラック翁の
       封印が生きとるかも知れん、入る前に一度スラック翁に会うて話を聞いたほうがええか
       も知れんの。」
        村長の言葉に勇者たちは頷いて、村長の許を失礼し、村内を一通り散策した後、早々
       に村を出ることにしました。
    
        「さあ、いよいよランガートでござるな。」戦士の声に幾分‘張り’が出てきました。
        「森の中には寄っとかんでもええんでっか。」モンクが訊いてきたので、僧侶が答え
       ました。「そうですね。念の為、MPの補充でもしておきましょうか。」
        このパーティーに於ける決定権は「オスヤコディの洞窟」以来、自然と僧侶が持つよ
       うになったようです。
        勇者たちはランガートへと南下する途中で東に進路を変え「マックルエルフ族の村1」
       に向かいました。森の中では『くさぼう』『呪法辞典』『炎の亡霊』『バルーンボンバ
       ー』といったモンスターが出てきましたが、どうせすぐにMPは補充できるからと、モ
       ンクを除く3人が‘ブレードL’‘サンダーL’‘フォースL’を連発したのでモンス
       ターたちはひとたまりもありませんでした。
        マックルエルフ族の村1に入った勇者たちは、とりあえず情報収集を行いました。デ
       ィアーザのことで何か有力な情報が得られるかも知れません。
        「ここマックルエルフ族の村。マックルエルフ以外ここ訪れた久しぶり。ゆっくりし
       ていくよい。」
        「この湖私達生まれた場所。だからここ絶対離れない。」
        「最近、魔物多い。おまけに強い。私達力強くない。でも、聖なる湖のそば、あいつ
       ら近付かない。だからここ大丈夫。」
        「マックルエルフ族、肉食べない。食べ物全部木の実や穀物。だから健康。」
        「この村、村長できた。村長何でも決める。みんな従う。」
        この村にも村長が誕生したこと以外は以前と変わりはなさそうです。ただ、沢山の本
       が収められていた‘書庫’は「書庫、今整理中。しばらく待つよい。」とのことで中に
       入れませんでした。
        あまり有力な情報は得られそうもなかったので‘神秘の泉’の水を飲んでHP・MP
       を全復活させた勇者たちは、マックルエルフ族の村1を出て、今度こそランガートへ行
       くことにしました。
        森を出て再びカラッカ大陸を南下し、橋を渡るとランガート城が見えてきました。
        「ほう、毒の沼がすっかり消えてますな。これでは‘湖沼王国’とは呼べませぬな。」
       戦士が言った通り、ランガートの‘名物’だった毒の沼はすっかり姿を消していました。
        「そう言えば、ラント周辺やウェイダンの南東にあった毒の沼も無くなっていました
       ね。」僧侶が思い出したように言いました。
    
        勇者たちはランガートに入る前に「ランガート南の洞窟」に入るまでの道を見てみま
       した。毒の沼が消え、本来の姿を見せたランガート地方は広大な緑の大地・・・ではなく、
       無数の岩山と何本もの川が複雑に入り組んだ山脈地帯でした。
        「こりゃまた、凄まじい光景やなぁ・・・ 洞窟まで行けんのかいな。」モンクが思わず
       口にするほど、南の洞窟までの道のりは険しそうでした。
        「一応、洞窟までの道はあるみたいですね・・・ ただし、今のままでは行けません。」
        僧侶がきっぱりと断言したので、他の3人はびっくりして僧侶を見ました。
        「残念ですが・・・ 勇者さんのMPが全然足りません。今、数えてみましたら‘ジャン
       プL’が必要な場所が19箇所ありました。フィールド上では‘ジャンプL’を1回唱
       えるごとにMPを20消費します。ということは洞窟へ行くには、最低380のMPが
       必要になる訳です。」僧侶が説明して、他の3人も納得したようです。
        「MP380て・・・ そんなん、どこまでレベルアップさせなあかんねん。」モンクが
       呆れたように言いました。
        「最後までレベルアップしても、380なんて数値にはならないでしょう。何か他に
       方策を考えなければ・・・ 少なくとも、今の私たちが如何なる手段を使っても洞窟へは辿
       り着けなさそうです。とりあえずランガート王に話をしてみましょう。王様が何とかし
       て下さるかも知れません。」僧侶の言う通りに、勇者たちはランガート王と話をすべく、
       ランガートの町に入りました。ワープの行き先が増えて8箇所になりました。
        ランガートの町の中も、勿論、毒沼はすっかり姿を消していました。ただ、町の外と
       は違って町の中は緑の草原が広がっていました。毒沼が消えたことで、この町にもナー
       クル族以外の人たちが沢山訪れていました。
        勇者たちはランガート城に入り、玉座に座ってる王様に「南の洞窟までの道を作って
       欲しい。」とお願いしてみました。
        王様は「伝説の勇者たちの頼みでもあるし、実は、以前から南への道は何とかせねば
       なるまいと思っていた。」と言った上で、勇者たちに‘ある用件’を頼みました。
    
                                          つづく

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