Drip Circle
(現在 過去ログ2 を表示中)

HOME HELP 新規作成 新着記事 トピック表示 発言ランク 検索 過去ログ

[ 最新記事及び返信フォームをトピックトップへ ]
■76 / inTopicNo.1)  第3章 6:「行って戻って・・・」
  
□投稿者/ ぴよきち <一般人(49回)>-(2004/11/17(Wed) 04:04:13/220.22.84.102)
    第3章 6:「行って戻って・・・」
    
        「南の洞窟へ行くには川に橋を架けるしかない。ところが、お前たちも見たであろう、
       ランガート地方では橋を造るための材木が殆ど取れんのじゃ。あれだけの川に橋を架け
       るとなると相当な数の樹木を伐採せんことにはとても足らん。そこでマックルエルフ族
       の村へ行って、エルフ族の村長にあの広大な森の木を伐採しても良いという‘許可証’
       を貰ってきて欲しい。実は前々からお願いしておるのじゃが、中々首を縦に振ってくれ
       んでのう。正直、わしだけの力では今のところどうすることもできんのじゃ。」
        「‘許可証’を貰ってくれば宜しいんですね。分かりました。すぐにでも参りましょ
       う。」僧侶が代表して答えました。
        「おお、行ってくれるか・・・ そうじゃ、お前たちから返して貰った船は今オーバーホ
       ールの真っ最中での、お前たちが‘許可証’を持って来る頃には終わっとるじゃろ。そ
       うしたらまた好きなだけ使うが良い。」
        勇者たちはランガート王に一礼して城を出て、そのままランガートの町を出ました。
       先刻、立ち寄ったばかりの、マックルエルフの村1へ逆戻りです。
        「しかし、あの村で森林伐採の話など一度も耳にしなかったように記憶しておるが、
       本当に話が通じるのでござろうか。」戦士が言ったように、他の3人も同じ心配をして
       いました。少なくともエルフ族の村に居た人たちにはすべて話し掛けた筈です。しかし
       返ってくる言葉は、前回の冒険の時に聞いたものと殆ど変わりがありませんでした。と
       なると・・・「新村長に話をしてみるしかないでしょう。」と僧侶の言った言葉に頼るしか
       なさそうです。ランガート周辺では『スピリット』『アンデットクラブ』『ピンクルッ
       キー』『ブルークリストン』『炎の亡霊』が出てきました。『ピンクルッキー』の‘ゲ
       ット’だけは警戒しましたが、それ以外は勇者たちにとってダメージと呼べる程のもの
       を与えることはできませんでした。
    
        ちようどその頃、カラッカ大陸のとある島に、黒い巨大な城が忽然と現れ、その地下
       にある薄暗い一室で、ひとつの邪悪な魂が、己の持つ真の力に覚醒し、歓喜の声を上げ
       ていました。「くっくっくっくっ・・・ そうだ、そうであったのだ。下劣な者の身体など
       我には不要であった。我は自らの力を信じておれば良かったのだ。くっくっくっ・・・ あ
       のマックル共には感謝せねばなるまい・・・ 我の浴びた屈辱、留めようのない怒り、湧き
       上がる復讐の念、これらが皆、我の血となり肉となった・・・ お陰で我は真の力、真の姿
       を手に入れたのだ! くっくっくっ・・・ 我は魔界の王! 真の大王! 我こそが最強に
       して最大の存在・・・ くっくっくっ・・・」
    
        ランガートの北にある橋を渡り、今度は北へ進み東へと進路を変え、勇者たちは再び
       マックルエルフ族の村1へやって来ました。
        今度は、書庫へ行く通路が開いていたので、近くに立っていた書官に声を掛けると、
       「‘スクスク草’の場所、本書いてある。自分で調べるよい。」と返ってきました。
        「スクスクソウ? 何やねんそれ、初めて聞いたで。」モンクが、えっ、というよう
       な顔をして言いました。
        思わぬ返事が返ってきたので、改めて村内のエルフ族に片っ端から話し掛けました。
        「木切る。あとなかなか育たない。‘森の秘薬’必要。」
        「この村‘森の秘薬’ない。‘森の秘薬’作るしかない。でもこの村作る草ない。」
        2人から、どうやら役に立ちそうな話を聞くことができました。秘薬を作るとなれば
       薬屋に話を聞くしかありません。
        「‘スクスク草’‘ドンドン草’持ってくる。‘森の秘薬’作る。」とのことなので、
       どうやら、どこからか‘スクスク草’と‘ドンドン草’を持って来ないといけないよう
       です。薬屋に話を聞いた時点で全員に話を聞いた筈ですが、肝心の村長がどこにも居ま
       せんでした。「おかしいでござるな。あと、話をしてないのは、2箇所の泉の番人と道
       具屋ぐらいのものでござるが・・・」念の為、戦士が言った2箇所の泉の番人に話し掛けて
       みましたが、泉の水の説明を聞かされただけでした。いよいよ最後は道具屋です。
        道具屋に話し掛けてみると、「ようこそ道具屋へ」で始まるいつもの道具屋の言葉が
       返ってくるだけでしたが・・・ 突然、モンクが「あれっ!」と呟き「すまん、道具屋はん、
       もう一遍、商品見せてもらえまっか?」と道具屋に言いました。道具屋は商品一覧表を
       勇者たちに見せました。モンクが見付けた!とでもいうように、一点を指差して言いま
       した。「一番下をよう見てみ、何やねんアレ・・・」
        商品欄の一番下には「‘精霊使いの知恵’2000G」と書かれてありました。
       「それがどうしたと言うのでござるか、モンク殿。」戦士の質問にモンクではなく僧侶
       が答えました。「なるほど、秘密ショップが無くなったのですね。」
        村長の居場所が判ったので、勇者たちは、早速、村長の許へ向かいました。村の北西
       の端から‘ジャンプ(L)’を2回使って元秘密ショップの所へ行くと、村長が居まし
       た。村長に話し掛けると「俺、村長。何か用あるか。何、木切る? それよくない。村
       の周りの木、聖なる木。なかなか育たない。でも‘森の秘薬’使う。木スクスク育つ。
       木ドンドン増える。‘森の秘薬’持って来る。木切るよい。」と、村長は仰いました。
        やはり‘森の秘薬’さえ村長に渡せば‘伐採許可証’を貰えるようです。
        勇者たちは村長の許から書庫へと移動し‘スクスク草’と‘ドンドン草’のヒントを
       探しました。すべての本を読んで整理してみると・・・ ‘スクスク草’は村の南12歩、
       西に11歩の見えない森の中にある3箇所の花畑の中で一番大きな花畑の、水辺から離
       れ、木がすぐ側に立っている場所に咲いている、黄色い花には隣接しているが赤い花は
       隣にない青い花を調べるとあるそうです。
        ちなみに僧侶は今の説明を1回聞いて完璧に覚えたそうです。す、すっげー
        ところが‘ドンドン草’については「力無い者ドンドン草取れない。」とだけ書いて
       あるだけで、いくら探しても他のヒントはありませんでした。
        「少なくとも私たちに‘力’はあるでしょうから、さっさと行きましょう。」僧侶の
       掛け声で、一行は‘南西の森’に向かうべくエルフ族の村を出発しました。
    
        かつて‘南東の森’に入った時と同じくエルフ族の村から南に12歩、西に11歩進
       んだ所で景色が変わり‘南西の森’に入ることができました。僧侶の指示に従って、一
       番大きな花畑から‘スクスク草’を手に入れました。一旦、その花畑を出て、更に奥に
       進むと、今の花畑より少し小さい花畑がありました。折角なので中に入って色々と調べ
       てみると‘マックルコイン’と‘耐久力のもと’を見付けました。早速、モンクが‘耐
       久力のもと’を使用し、防御力が3増えました。しかし‘ドンドン草’は見付かりませ
       んでした。やむなくその花畑も出て、勇者たちは更に奥の方へ進みました。この森の中
       では『竜戦士』『プチウォリアー』『ブルークリストン』『レノゴースト』『鼠魔道』
       がやたらと出て来て、なかなか思うように進めませんでした。
        やがて‘南西の森’の中では一番奥の花畑に到着しました。3つの中では一番小さな
       花畑でした。その花畑に入ってすぐ、4人が一斉に「あれだな・・・」と思ったモノがあり
       ました。それは1つだけ明らかに周りから「浮いている」存在でした。花畑ですから花
       には間違いないのですが、赤・青・黄色と咲く花の中で、その花だけが黒い花びらを咲
       かせていたのです。
        「なるほど・・・ コイツを調べろっちゅう訳やな。ほんでもって『力無い者・・・』ちゅ
       うことは・・・ 大体、想像付くわな。」モンクが半分笑いながら言いました。
        モンクが指をボキボキと鳴らし、他の3人が装備している剣に手を掛けながら、勇者
       はその‘怪しさ満開’の花を調べました。
    
                                          つづく

引用返信/返信 削除キー/



トピック内ページ移動 / << 0 >>

このトピックに書きこむ

過去ログには書き込み不可

Pass/

HOME HELP 新規作成 新着記事 トピック表示 発言ランク 検索 過去ログ

- Child Tree -