Drip Circle
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■98 / inTopicNo.1)  第3章12:「情けは人の為ならず」
  
□投稿者/ ぴよきち <マックルナイト(59回)>-(2004/11/26(Fri) 02:51:03/220.22.84.102)
        ‘悪霊喰らいの壺’を手に入れて、対ディアーザ戦の準備は整った勇者たちですが、
       トロン北の洞窟に入るには‘黒い扉’を開けなければなりません。
        「鍵はどこにあるのでござろうか。」と戦士が言ってみたところで、勿論、誰も知り
       ません。ここは誰かに相談するしかなさそうです。勇者たちはフィンクルの里へ行き、
       先ずはスラックに相談することにしました。スラックの家に行ってみると大魔道師スラ
       ックは相変わらず熱心に「危険な研究」を続けていたようで、話しかけてみても「何じ
       ゃ、お前たち・・・ 指輪なら上にあったじゃろう。」と言うだけで、鍵の‘か’の字も出
       て来ませんでした。
        勇者たちは次にラントに飛び、サイモンに相談することにしました。サイモンは「祠
       の跡」の地下室でお祈りをしていました。勇者が話し掛けても「冒険は順調に進んでい
       るかな。」と逆に訊かれただけで、やはり鍵のことは知らないようでした。
        勇者たちはその後、シリーク村長やレオンの爺さ・・・ 親父のところにも行ってみたの
       ですが鍵については「全然知らない。」とのことでした。
    
        「あのう・・・ 一生懸命、鍵を探しとる時に悪いんやけど‘副職の秘訣’も一緒に探し
       て貰うてええかなぁ・・・ コイン12枚でも貰えんかったし、『勇気の神殿』も無くなっ
       てもうたんで、もう、どこにあるんか分からへんねん。」とモンクが珍しく恐縮しなが
       ら言いました。
        「そうであったの、モンク殿はまだ副職を変えていなかったでござるな。うむ、少な
       くとも今まで行った町には、間違いなく置いても売ってもなかったでござる。というこ
       とは、どこかの宝箱にでも入っていたのではござらぬか。」と戦士が言いました。
        「今まで行った場所で宝箱を見逃したことは無い筈です。ひょっとしたら『職業の神
       殿』にあるのかも知れませんね。」と僧侶が言いました。
        そう言えば、まだ「職業の神殿」に一度も行っていないことを思い出した勇者たちは、
       ランガートへワープし、船で「職業神殿の島」へ行きました。神殿の中だけでなく、外
       に居る人たちにも‘副職の秘訣’のことを訊きましたが、前回の冒険の時と同じく「ど
       こにあるのかは判らん。」と言われました。折角来たのですから‘鍵’のことも訊いて
       廻ったのですが、手掛かりは全く得られませんでした。
        「手間掛けて、悪うおましたな・・・ ‘副職の秘訣’は諦めるわ・・・ 今、どうしても必
       要ちゅうモンでもないし・・・ 」とモンクが珍しくしょんぼりして言いました。「やっぱ、
       それより鍵でっせ。あの扉をこじ開けんことには、ディアーザと戦うこともでけへんの
       やから。」とモンクが気を取り直して言いました。
    
        「もし‘鍵’が現在、存在していないというのなら作って貰うしかないですね。」と
       僧侶が、ある意味、開き直ったかのような発言をしました。鍵を作る・・・ となれば勇者
       たちの知る限り‘アイツ’しか居ません。勇者たちは先ずフィンクルの里にワープし、
       船で「北の大陸」へ向かいました。北の大陸の北岸、中央からやや西寄りの地点に着岸
       し、勇者たちは一軒の小さな家に入って行きました。
        「ごめん下さ〜い。どなたでっか。ディアーザ倒しの冒険をしとる一行で〜す。お入
       り下さい。ありがとう。」とモンクが1人で喋った後、付き合いで他の3人がコケまし
       た。家主であるディコスは、玄関を入って2つ目の部屋で椅子に座っていました。
        「おう、何でぇ、お前たちか。ちょうど良い時に来やがったな・・・ 俺を訪ねて来たっ
       てことは、目当てはコイツか?」とディコスが苦笑いをしながら言いました。ディコス
       がコイツか?と言って取り出したのは、不思議な形をした妙に古めかしい鍵でした。
        「確かに鍵が欲しくて参ったのでござるが、それはどこにあったのでござるか。」と
       戦士が訊きました。
        「お前たちに取って貰った親父(オスヤコディ)の帽子の中に隠されていたんだよ。
       手紙と一緒にな。その手紙には『もし、お前(ディコス)が儂の跡を継ぎ、海賊・盗賊
       として生きようと思うのならこの鍵を使うと良い。他の仕事に就くつもりなら絶対に使
       ってはならん。北の海に捨てるか、お前が信頼する者にくれてやれ。』って書いてあっ
       たんだよ。コイツは親父が人生の全てを賭けて創りだした最高傑作さ・・・ コイツで開か
       ねえ扉は無えよ。お前さんたちが持ってる‘オスヤコディの鍵’はコイツに比べりゃ子
       供騙しみてえなモンだ。コイツを隠すためのダミーってやつだったんだな。」
        「その鍵を貸して頂けないでしょうか。」と僧侶が単刀直入に言いました。
        「貸しゃしねえよ・・・ くれてやらぁ。俺は盗賊をやめたんだ。親父の遺言通り、お前
       らを信頼してることにするよ。」ディコスは勇者たちに‘伝説の鍵’を渡しました。
        「かたじけない。有り難く頂戴仕る。」と戦士がディコスに頭を下げて「もし、オス
       ヤコディの洞窟で勇者殿がディコス殿の頼みを訊いていなかったとしたら‘伝説の鍵’
       は手に入らなかったのでござるな・・・ まさしく『情けは人の為ならず』でござるな。」
       と感心したように言いました。それを聞いたモンクが「何でやねん。為になったやない
       かい。」とツッコミましたが、「違いますよモンクさん・・・ 『人の為ならず』というの
       は他人の為ではなく、人に情けを掛けると巡り巡っていつか自分の為になる・・・ という
       意味なんですよ。」と僧侶がモンクに再ツッコミを入れました。
        一連のやり取りを黙って聞いていたディコスは、やおら勇者のほうを向き「魔王城の
       ことは知ってるぜ。いよいよだな・・・ 」と言いました。勇者は頷きました。前回の冒険
       の時からあちこちで顔を会わせてきたディコスとは、ある時は戦い、ある時は助け、ま
       た助けられ・・・ 勇者は不思議な友情を感じていました。勇者は‘伝説の鍵’を受け取っ
       た代わりに‘オスヤコディの鍵’をディコスに渡しました。ダミーとはいえ、オスヤコ
       ディの遺品に違いはなかったからです。
        勇者たちはディコスに別れを告げ、そのままワープでトロンへ飛びました。
    
        トロンの町は相変わらず厳戒態勢が取られていました。勇者たちは一旦町の中に入り、
       念の為に‘痺れ取り薬’や‘解毒剤’などのアイテムを買いました。MPを使わないに
       越したことはないですから。
        すぐに町を出た勇者たちは西へ進み、そして北へと進路を変え、いよいよトロン北の
       洞窟に入ることになりました。この洞窟を抜ければ、ディアーザの待つ魔王城へ行くこ
       とができます。
        洞窟の入り口に入り、東へと向かう通路を進み‘黒い扉’に体当たりをかますと扉は
       当たり前のように開きました。流石は大海賊オスヤコディです。ディアーザの作った扉
       さえ開けてしまうのですから・・・ 扉の先にある下り階段を下りた勇者たちの目に入った
       光景は、以前とは比べものにならないほど縦横無尽に走り回っている通路でした。もは
       や通路というよりは「迷路」と言ったほうが正しいかも知れません。更に勇者たちを悩
       ませたのが‘瞬間移動の床’でした。縦横1歩分の大きさの黄色く光る‘瞬間移動の床’
       は地下2階のそのフロアにどうやら12箇所あり、ひとつの光る床に乗った瞬間に別の
       光る床に瞬間移動させられてしまいました。移動する先は決まっているみたいなのです
       が、移動した先がフロアのどのあたりに位置するのか全く判らず、これでは道を覚えよ
       うとしても中々覚えられません。憎いことにジャンプでその光る床を飛び越えようにも、
       光る床は行き止まりのところにあったりして「無視」して進むことはできないようにな
       っていました。
        それでも僧侶は光る床の位置関係を着実に頭にインプットしていたようで、他の3人
       は道を覚えるという作業を僧侶に任せ、出現した『シルバークリストン』『だいまどう』
       『デーモンヘッド』『呪いの仮面』『呪いの茸』『ジェラス』『リザードアーチャー』
       『サタンナイト』といったモンスターを倒すことに専念していました。
        何回かの試行錯誤の後、僧侶の指示通りに進んだ一行は途中で見付けた宝箱から‘知
       識のワンド’と‘聖なる盾’を入手した後、地下3階へと進む下り階段を見付けました。
        地下3階のフロアは一見して何の変哲もない、ちょっと入り組んでるかな?と思える
       程度の道が普通に続いているだけのフロアに見えました。とりあえず東へ向かって進み
       始めた勇者たちが‘異変’に気付いたのは、かれこれ5分くらい歩き続けていた時でし
       た。そうです。ここは行っても行っても同じ道が続く‘ループのフロア’だったのです。
       このまま同じ方向に進んでも景色が変わる気配がなかったので、勇者たちは進んできた
       道を引き返し、さっき下りた階段のところまで戻ることにしました。来た道を間違いな
       く戻った勇者たちは、何とか元の階段の見えるところまで戻ってきました。
    
                                          つづく
    

引用返信/返信 削除キー/
■99 / inTopicNo.2)  投稿の間隔が・・・
□投稿者/ ぴよきち <マックルロード(60回)>-(2004/11/26(Fri) 02:56:27/220.22.84.102)
      ここのところ、以前と比べて投稿する間隔が開いています。ストーリー自体は
     すでに完成していますが、年の瀬を迎えて中々時間が取れません。
      とはいえ、必ず最後まで書き上げますので・・・ ヨロシクオネガイシマス。
      「つづく」の代わりに「完」と書けるのはいつのことやら・・・
引用返信/返信 削除キー/



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