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No194,205 の記事


■194 / )  BrokenMackle 序章 1
□投稿者/ tickle(管理) <マックルロード(76回)>-(2004/12/20(Mon) 01:15:06/203.136.171.99)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tyruster/0-Line/
    というわけで勝手に始めてしまいました(^^;
    直接HPに載せればいいじゃないかと思うかもしれませんが、
    話の方向によっては修正もありえるので・・。まぁスタートです。
    (初めって、どうしても外すことができないんだなぁ・・(^^;))
    
    2004/12/21修正
    Broken Mackle
    序章 1:カラッカ王の独断−−カラッカ
    
       −−この物語は、人間界とはかなり離れた世界のお話である−−
     -----------------------------------------------------------------------
       人間との戦いに敗北を繰り返してきた魔王は、あるとき大規模な徴兵を
      始めました。
       その一番の矛先となったのは、マックル族と呼ばれる、もっとも弱く小
      さいモンスターたちでした。
       魔王の力に勝てる術もなく、マックルたちは捕らえられていき、次々と
      戦いに駆り出されていきました。
       しかし、マックルたちはあきらめませんでした。
       辺境の村カラッカで、一匹の小さいマックルが立ち上がったのです・・。
       はたしてどうなることやら・・。
      -----------------------------------------------------------------------
    
       「これより、修了試験を執り行う!!」
      と、カラッカ王が声高く叫んだ。
       今日はマックル訓練所の修了試験。マックルが、一人立ちできるかどう
      かを試す試験である。マックルは、ある程度の年になると訓練生として訓
      練所に入ることができ、一人立ちできるまで訓練を続ける。魔王のマック
      ル狩りが始まって以来、訓練所に入るマックル族も多くなった。自分も、
      いつもはこの訓練所で練習を続けている。
       今日は、一人立ちを見守るマックルたちや、決闘を楽しみにしているマ
      ックルたちが多いせいか、自分の周りには、すでに訓練所のマックル、村
      のマックルたちでにぎわっていた。
       「今日はマクレルとの決闘か〜〜。しっかりしろよ」とか、
       「負けるなよ〜〜。負けたら、罰ゲーム〜〜」とか、応援してるんだか
      してないんだかわからないマックルたちもいる。
       「兄ちゃ〜〜ん、ファイト!」と言う声が聞こえる。弟からだ。片手を
      上げて、手を振ってやった。
       
       普段のカラッカはとても静かだ。辺境であるせいか、マックルも少なく、
      静かに暮らしている村であるが、この日は違う。訓練所のマックルたちも
      外に出ているせいか、いつもよりもにぎやかだ。普段は王室にこもること
      が多いここの王様も、今日ばかりはここに出ている。なんといっても、
      (自称)主催者だから。
    
       さてさて、話に出てきた「マクレル」というマックルだが、今回の決闘
      相手であり、この村の隊長も務める立派な兵士マックルだ。一番思い入れ
      の強い兵士マックルと言えば、やはりこのマックルである。小さい頃から
      かなりお世話になったし、武器の使い方、戦術方法などいろいろなことを
      教えてくれた。そのおかげで強くなれたし、こうして修了試験の挑戦権も
      手に入れることができた。いわば恩師である。
    
       とはいうものの、初めからマクレル隊長と戦うわけではなかった。なぜ
      なら自分の指名したマックルを選んで、そのマックルに勝利すれば修了試
      験合格、となるからだ。しかも、最近魔王がマックルたちを生け捕りにし
      ていることが知らされてからというもの、自分の村そっちのけで修了試験
      に立ち会える状況ではとてもなかった。
       しかしながら、とある状況によりそのマクレル隊長と決闘することにな
      ってしまった。そのわけは・・・。
    
       ・・・。
    
       昨日のことだった。それもかなり急に。
       突然カラッカ王に呼び出され、カラッカ王はこう話を切り出した。
       「明日の修了試験のことなんだが・・。おまえの指名したマックルが練
      習中に頭を強く打ったようでな・・。とても戦いには出せぬのだ。」
       え、と思った。しかしそのまま、王は下を向いて話を続けた。「おまえ
      の最適な相手ではあったんだが・・。しかたない。代わりの相手が必要だ。
      他に希望はあるか」と尋ねてきた。
    
       ふっと頭をかすめたのはマクレル隊長・・いや、しかしいくらなんでも
      ・・・とうんうん考えていると、王がまた口を開いた。
       「マクレル隊長じゃな」、と。びっくりして、王を見ていると、
       「その目はかなりやる気のある目・・。違いない、やる気じゃな! 遠
      慮はいらぬ、すぐに明日にでも準備してやろう。おまえの好きなわしの銅
      像も用意してやるからな」
    
       かなり強引だ。というか、王の一方的な話口で、一瞬でことは決まって
      しまった。勝手に話しかけて、勝手に用を済ませて終わる。いつもこんな
      調子だから、やるほうは参ってしまう。言うのは簡単だけど、やるのは難
      しい・・・。ま、かつてカラッカ王もかなり優秀な兵士だったから、この
      くらい大丈夫だとか思っているのかなぁ。これで大丈夫なのだろうか? 
      いや無茶だ。マクレル隊長に勝ったことは一度としてないのに。それに、
      マクレル隊長は今とても忙しいはず・・・。
       と、不安そうな顔をすると、王は「マクレルのことか? そういえば最
      近マクレルはマックル狩り対策の準備をしておったの・・。まぁ、すぐに
      こんなちっぽけな村に押し寄せているようなこともないだろうし、一日ぐ
      らいならいいじゃろ。」と言ってのけた。王はもうその気だ。
    
       「よし、そうと決まれば、早速明日の準備じゃ。こうしちゃおられん、
      おい、おまえ、村中に連絡じゃ。あとおまえはマクレルにも適当に言って
      おいてくれ。さぁ〜、明日が楽しみじゃな〜〜」
       と王は勝手に兵士たちに言い放ち、部屋へ戻っていってしまった。ちょ
      っと・・と言おうとしたとき、門番に「こっから先は入っちゃいかん。王
      の部屋なのだぞ」とか何とか言われて帰されてしまう始末。勝手な思いつ
      き、きまぐれが多すぎる。何とかしてよ・・。
       そして、その日のうちにこのことは(王の一方的な決断によって)村中
      に伝えられた。マクレル隊長との決闘が決まった瞬間でもあった。
    
       ・・・。
       
       そして当日・・・。マクレル隊長との一騎打ち。
       ついに、修了試験は始まったのだった。
                                    つづく

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■205 / )  BrokenMackle 序章 2
□投稿者/ tickle(管理) <マックルロード(82回)>-(2004/12/21(Tue) 22:17:33/203.136.171.98)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tyruster/0-Line/
    BrokenMackle
    序章 2:「マクレル隊長との決闘、そして・・。」−−カラッカ
    
       そしていよいよ決闘が始まった。
       マクレル隊長との決闘・・・。これにはどんな形であれ勝たなければ
      ・・・。双方とも、相手を見る目は真剣そのもので、見物客もじーっとそ
      の様子を見守っていた。
       が。
    
       1分経過。「・・・。」
       5分経過。「・・・。」
       10分経過。「・・・。」
    
       ・・・。
    
       そして、1時間が経過してしまった。それでも、双方とも剣を抜かなか
      った。相手のことを読みすぎて、なかなか抜けなかったから、というわけ
      でもない。では、なぜか。
    
       カラッカ王が二人があまりに剣を抜かないもんだから、「なぜ剣を抜か
      ないのじゃ!」とイライラしながら叫んだ。「これでは、試験にならない
      だろうが! 見物客も、あくびをしておるではないか!」
       すると、マクレル隊長が少し目を細めて、「お言葉ですが王様。」と言
      った。「なんじゃ?」と、王が聞き返す。「今は決闘中のはず。何をいま
      さら・・。」とため息をついて言った。すると、マクレル隊長は、
    
       「王様がそんなところで寝そべっていたら、決闘どころじゃないですよ。
      もうちょっと場所を考えてください。決闘する以上、ここは戦場も同等で
      す。ですから・・。」
       「ダメじゃ、ここはワシの特等席なんじゃ!」と王も反論。「せっかく
      面白そうな決闘が見られるんじゃ、一番激しいところで見るのが一番面白
      いじゃろ」と言い放った。また王の一方的な考え方である。
       「・・・。」マクレル隊長は反論できず、ただ呆然としていた。
    
       さすがに決闘場の真ん中で寝そべっていては、決闘ができない。マクレ
      ル隊長は厳しい目をしながら、兵士マックルを呼び出してちょっとささや
      いた。そして、兵士マックル数名が、さっと王の周りを取り囲んだ。
       「おい、何をする・・。ふざけるのもいい加減にせんか・・。おい、こ
      らっ! ちょっと待て! ワシはここで見るんじゃ!!」と王も必死で自
      分の場所を守ろうと奮闘。そんなことで奮闘するなら、もっと他のところ
      で奮闘して欲しいものだが・・。
    
       こうして王はひとまず引き下げられ、ようやく決闘が再開されるようす
      になってきた。双方はようやく剣を抜いて動きだし、観衆もおおっと騒い
      できた。剣がぶつかり合おうとしたそのとき・・・。
    
       「マクレル隊長、大変です! 訓練所でマックル10名負傷です! 一
      刻も早い治療が必要です! すぐ来てください!」と、決闘の途中である
      のに村の僧侶がかん高い声で叫んだ。いきなりでずこっとこけた。僧侶だ
      けで済む問題ではないのか? それもようやく決闘できると思ったのに。
       それに反応しなくてもいいのに、マクレル隊長は「おう、そうか。では
      すぐにこれを終わらせなくてはな。」と言った。へ? と思っているとこ
      ろに、マクレル隊長は突然大砲のようなものを持ってきて、
       「必殺! ブレードL砲発射!!」
      とか言って、突然砲撃を始めてきた。光の矢のようなものが次から次へと
      当たり、くらくらしていると、
       「どんどん行くぞ! ブレードL砲10連発!!」
      とさっきのものがさらに勢いをつけて飛んできた。なす術もなく、バタリ
      と倒れるしかなかった・・・。
      (ダメだ。これでもうおしまいだ・・・。)
    
       ・・・。
    
       「・・・」
       「・・・」
       「・・☆・!」
       「・い、☆※◇・・!」
       「おい、大丈夫か、しっかりしろよ!」と、誰かに起こされ、気づくと
      村の宿屋にいた。「おっ、気がついたか。心配したんだぞ」と今まで声を
      かけてくれたらしい宿の主人が話しかけた。「決闘、すごいことになって
      たね。マクレル隊長も急用が入ったからって、アレはないよなぁ。あれじ
      ゃ、向こうも決闘になってないじゃないか」
       マクレル隊長がいきなり取り出した砲弾について聞いてみると、本人も
      それは良く分かっていないらしく、少なくとも戦争で使うようなものでは
      ないか、ということだった。
       「コイツにも礼を言わないとな」と、主人がミニマックルを指差すと、
      なんと弟だった。「兄ちゃん、ずっと心配していたんだよ。でも、何事も
      なく助かってよかったね〜〜。」と弟が話しかけてきた。弟にも礼を言っ
      て、双方ほっとしていると主人が、
       「そうそう、王様が何でも昨日の決闘について話したいことがあるんだ
      ってさ。たぶんあまりにも昨日の決闘がひどかったから、何かあるんじゃ
      ないか?」と言ってきた。王のことだからそんなうまい話があるとはとて
      も思えないが、行かないと行かないで文句を言われそうだったので、ひと
      まず弟と宿の主人に再度礼を言って王のところへ向かうことにした。
    
       王のところに向かうと、王は「おお、来たな」とだけ言い、中に通した。
      何かあるとは思ったのだが・・。
       「いやいや、すまんすまん。昨日の決闘のことでな、」と話し出した。
      やっぱり、と思って聞いていると、「結局おまえは試験に合格、というこ
      とにした」と言った。へ?と言う顔で見ていると、王は「マクレルが途中
      で持ち出した砲弾、あれは「光弾」じゃ。無数の光の矢のようなもので一
      気に相手を倒してしまうものじゃ。はっきり言って、あれは決闘用じゃな
      い、戦争用じゃ」と言った。宿の主人の言っていた通りのことだった。
       「それで、」と王は話し出した。「こういうことになって再試合もめん
      どくさいじゃろうから、ここは両者の負けと言うことで・・」
       それじゃ勝者は誰なんだろうかと思っていると、王は「両者は負けで、
      ワシの勝ちとする」と言い出した。???と思っていると、「なぜならお
      ぬしたちは二人ともワシを席から追い出そうとした。それも主催者を。ど
      う考えても、ワシの勝ちだ」という、訳の分からないことを言っていた。
      結局、自分が勝てばいいと思っているらしい。決闘をしたのは二人なんだ、
      王とは戦っていないのに・・・。
    
       「まぁ何じゃ、とりあえず少しは喜んだような顔をせんかい。無論、外
      へ出るからにはそう簡単にことを済ましては困る。外にはわれらマックル
      族を襲うモンスターが大勢おる。今からおまえに命ずる! その軍勢の頭、
      魔王ディアーザを蹴り落としてくるのじゃ!」と、王にしてはかなり珍し
      く真剣なまなざしでこちらを見た。
       「訓練所へ立ち寄って、仲間を連れてくるといい。外へ出るんじゃ、マ
      ックル一匹ではあまりにも酷すぎる」といい、訓練所へ行かせた。好きな
      仲間でいいといったのにもかかわらず、結局は王の勝手に決めた仲間で行
      くことになった。勝手さは相変わらず・・・。
    
       鍛冶師、魔術師とパーティがそろい、さぁ出かけようと思ったとき、ま
      たしても王の呼びだしがかかった。なんだろうと思ってきてみると、王が
      必死になって何かを探しているのがわかった。何をしているのか聞いてみ
      ると、
       「いや、重要なことを忘れとった。装備やお金など、ろくなもんがない
      じゃろ。まずはほい、お金じゃ」と言って、200Gを放り投げた。
       そしてさらに、「ここに代々伝わる剣があるはずなんじゃが・・・。錆
      びついたままだったから、どこまで役に立つかは分からないが・・・。で
      もどこにあったかの〜〜」と言い、探していた。どこをどう探してもなか
      ったので、「これは誰かが盗ったに違いない」とか何とか言い掛かりをつ
      けて、見つからないからとりあえずコレで・・・。とあるものを差し出し
      てきた。
       思いっきり、訓練所で使われていたボロイ木刀だった。
       鍛冶師が「コレじゃ何の役にも立たねぇなぁ〜〜。もっとマシなものは
      ないのか」と言い出すと、王は「残念ながら・・・ない」とグサリ。「ま
      ぁ、おまえは鍛冶師なんだし、鍛冶をすれば何とかなるじゃろ。おい、も
      う用はないぞ。さっさと行った、行った」と跳ね返した。
    
       はぁ・・・。とため息をつきながら、必要最低限の武具と道具を買って、
      村を後にしたのだった。
                                   つづく  
    ------------------------------------------------------------------------
    <元ネタ>
    ○ ぴよきちさん
     ・ いきなりマクレル隊長に負けちゃった主人公(ゲームオーバーです)
     ・ 王の剣を失くしてしまい「とりあえずコレで・・・」と木刀を渡すカラッカ王 
    ○ とめさん
     ・ ブレードLを連発するマクレル隊長
    ------------------------------------------------------------------------

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