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Re[6]: BM 第4章 7:作り笑いの町
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□投稿者/ viper(ヴァイパー) <マックル(21回)>-(2005/07/23(Sat) 14:55:22/218.119.157.149)
| ウェイダンは大きな都市だと聞いていた。ウェイダン城下に広がる町は人に溢れていて、賑やかな町だと噂に聞いていた。 町の周囲は堀に囲まれていて、いかなる軍勢でも攻め入る事は出来ない。 人々は何にも怯える事無くいつでも笑顔で暮らしていると…。
一行はウェイダンの宿に泊まっていた。フィアロンはベッドの上でぐっすりと眠っているが、他の3人はじっと座っていた。 確かにウェイダンは大きくて、店や施設も充実している。自慢の堀は本当に広くて、確かにこれなら安心して暮らしていけそうだ。 でも何か違和感があった。 「…何か聞いていたのと違わないかな?」 宿の主人が4人を迎えた時はに爽やかな笑顔で案内してくれた。 しかし主人公は自分達が見ていない所で主人が溜息をつき、暗い顔をしているのを見た。自分達に見せてくれたのはいわゆる営業スマイルなのだろう。 「何処がだ?町はでっけーし店も一杯だし、噂通りじゃねえか」 グロスは主人公の感じた違和感をまったく気にしてはいないらしい。 「町の奴らも親切だしよ、それに預かり所ってあっただろ?あれ便利そうだよなー」
宿に来るまでの間何人かの町人と顔を合わせた。みんな揃って笑顔で4人を歓迎してくれていた。 だが主人公にはその笑顔が心の底からではなく、あくまで客人を迎える為に作ったものだと言う事が伝わってきた。 「みんな作り笑いばかりしていて気持ちが悪いんだ」 主人公がまだ幼い頃、弟がやけにニコニコしながら自分に話し掛けてきた事があった。 あまりにも明るい顔をしていたので、かえって違和感を感じたのを覚えている。 その後、実は弟が主人公のおもちゃを無くしてしまい、それを誤魔化そうとしていた事が判った。 「この町の人たちは何か隠しているよ」 ウェイダンの全ての人々が何か恐ろしいものを抱え、隠そうとしている。主人公はそれを感じていた。
「別に気にしなくても良いんじゃね?俺達は余所者だし、ウェイダンの事はウェイダンの奴らに任せて置けば」 グロスは神経が太すぎる。太い割に感度は鈍いらしい。 ピピルが話を続けた。 「あのねグロス、「情けは人の為ならず」って知ってる?」 「あ?情けをかけるのは人の為にならないって事だろ」 「まったくもう…違うよ。人に情けをかけておけばめぐり巡って自分に良い事がかえってくるって事だよ」 「え?マジ?そうなのか?」 「そう、良い事をすれば良い事がかえってくる。悪い事をすれば悪い事がかえって来る。僕達がウェイダンの人たちの為にはたらいて損はしないと思うけどね」
3人はウェイダンで起こっているであろう問題を解決しようと決意した(でもフィアロンはまだ寝てる)
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