![](./icon/narkle.gif) | ディコスとしばらく合流することになり、鍛冶の町シリークを目指すことになった。 戦闘もディコスが加わって楽になり、フィアロンもまたゆったりぶりを発揮しだした。
「つ〜か〜れた〜 お昼にしよう」とフィアロン。しかし、今は朝だ。 「この前出発したばかりだろ! もう少し、歩け。」とグロスはフィアロンを蹴飛ばした。 「だって、おなかすいた・・・(バタッ)」 倒れてしまった。無理もない。暗黒魔道戦で力を使いきり、MP切れギリギリだったのにもかかわらず、グロスが勝手にウェイダンを飛び出してしまったからだ。 戦闘は楽になったもののフィアロンはかなりの重傷だった。 「休む場所がないんだから、シリークまでガマンだ」とドカドカとグロスが進んでいく。 フィアロンはピピルに乗せてもらって進む始末。「こんな感じで敵にぶつかったらまずいな・・・」とディコスがあたりを見回した。 「敵、見当たりませんね」とピピル。運よく、敵のいる気配はない。 不思議なほどしーんとしている草原に違和感を感じつつ、 とはいえせっかく敵がいないので木の陰で休み、フィアロンの回復を待つことにした。
「グロスとディコスは念のため外を見張ってて」とピピル。もうフィアロンの世話は慣れてきたような感じだ。 グロスはピピルが命令ばかりすることにムッとしたが、ここは黙ったまま座った。
・・・ 20分後。
フィアロンは熟睡していた。揺さぶっても、起きそうにない。 「ダメだ。起きない」とディコス。 「いっそのことこいつの皮を剥いで売りに出せばいいんだ」とわけのわからないことを言い出すグロス。 「まぁ、敵でてこないし、しばらくゆっくりしていれば」とピピル。「でも何で出てこないんだろう・・・?」
辺りは草原が広がり、それだけだった。向かってくるような気配も何もない。 不気味なほどの静けさがパーティを襲った。 「何か、確かに変だな。毒ガスの塊でもどっかに埋まってたりして」とグロスが冗談めいたように言った。 「ど、毒ガス・・・」とピピル。「冗談ですよね?」 しかし、ディコスは下を向いて、「本当に毒ガスかもしれないよ」 「えぇぇ!?」 「シリークの近くにある鉱山が最近ひどく荒らされたようだぞ。もしかしたら、それが原因で毒ガスが出てきて、この辺のザコ敵に利いているのかもしれない」 「それじゃ、シリークの住民は・・・」 「行ってみよう」
何か不吉な感じを抱きつつ、急ぐように動き出した。 「え? もう行くの? 待ってよ〜」とフィアロン。 どうもゆっくりもしてられそうにないかもしれない。
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