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Re[17]: BM 第5章 17:罪無き個と子
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□投稿者/ viper(ヴァイパー) <マックル(22回)>-(2005/08/17(Wed) 23:24:25/218.119.157.149)
![](./icon/dicos.gif) | グロスは炎の剣を構え、ウェイダン王を見据えた。 「へっ、こんな隙だらけの奴なんざこれで一発だ!」 剣を振り上げようとしたその時だった。 「待って!」 主人公がグロスを呼んだ。 「落ち着いて、ウェイダン王は操られているだけだ。王様まで倒す必要はないよ!」 「…ン、確かにそうだよな…」 それを訊いてグロスは暗黒司祭の方に向き直った。今度こそ攻撃を仕掛けようと飛びかかろうとした。 「覚悟しろ!うりゃああー!」 しかしグロスの攻撃は届かなかった。ウェイダン王がグロスの前に飛び出してきたのだ。グロスは攻撃を止めてしまった。その瞬間ウェイダン王がグロスにパンチを喰らわせてきた。 「ぐはっ…」 「グロス…!ヒールS!」 フィアロンがとっさに魔法をかけたお陰でダメージは少なくてすんだ。 本来マックル族はさほど腕力はないのだが、ウェイダン王はマックルロード族である。それは通常のマックル族を凌ぐ力を持っている。また通常は体を動かす際に脳が自然と力の量をセーブしてしいるのだが、暗黒司祭は王を操る事で無理やり力を引き出しているのだ。 「くそっ、あいつボーっとしてる割には強いじゃねーか」
その後も何とかして暗黒司祭に攻撃を仕掛けようとしたが、暗黒司祭はその度にウェイダン王を盾にした。そして攻撃の手が緩んだ隙に王のパンチが飛んでくるのだ。誰も暗黒司祭には近づけなかった。 「駄目だ、全然手が出せないよ…」 この状況でグロスの我慢が限界に達しようとしていた。折角新しい武器を作ったのに見せ場がないのだ。 「もうこうなったら王様ごとぶっ飛ばしてやる!」 「え、待って!」 主人公が止めようとしたがグロスは叫んだ。 「おいフィアロン、なんでも良いからお前の魔法であいつら纏めて吹き飛ばせ!」 「え〜…?何〜?」 「ほらこの間やってたサンダーよーでも何でも良いから!」 「よ!?」 ピピルは焦った。サンダーYOーは一度だけ見た事があるが、正直良く判らない呪文である。何よりあのフィアロンの魔法…何が起こるか判ったもんじゃ無い。 「駄目!フィアロン止めて…!」 しかしフィアロンは詠唱を始めていた。 「サンダー…」
その瞬間青色の物体がフィアロンめがけて跳んできた。 「待たんか若造が!」 例のジジイ…老フィンクルが見事な空中ハイキックをフィアロンに喰らわせた。 「あうぉ…」 フィアロンは力の抜けた断末魔と共に倒れた。 「フィアローン!」 「ジジイ!てめー何すんだ!」 「それはこっちが言いたいわ若者よ!罪の無い者にまで手を上げようとは見損なったわい」 塔で会った時とは違う、真剣な顔をしていた。 「わしが先代ウェイダン王である事は言ったかの…ウェイダン王室は世襲制だと言う事は知っておろうな?」 「知るか」 グロスは一言で質問を切り捨てた。だが主人公とピピルはすぐに判った。 「だからグロス、現ウェイダン王はこの人の息子なんだよ」 「真実の眼鏡を探していたのも、全部その為だったんですね」
ちなみに蹴られたフィアロンのHPは残り少なかった…まだ誰も気付いていない。
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