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■1103  Re[2]: BM 第6章 2:過去からの贈り物 未来への諡(おくりな)
□投稿者/ viper(ヴァイパー) -(2005/08/23(Tue) 21:52:00)
    一行はシリークの町へと急いだ。モンスターが出て来ない事もあってすいすいと進む事が出来た。
    だが途中でジャミーと言う鳥の姿をしたモンスターに襲われた。しかしそれも大した事ではなかった。
    「どけー!皮剥がすぞ!」
    グロスのフレイムソードにまとった炎がジャミーの吐いた火の玉を受け止めた。炎に炎をぶつけた所でダメージは無い。
    その隙に主人公とディコスが攻撃を仕掛け、何とか乗り切った。

    シリークの町は静かであった。
    静か、というのは人がいなくなっていて静かと言う訳はない。住民がガスにやられてしまったと言う意味ではない。
    町はの様子はいたって普通であった。人々は穏やか顔をしているし、何処からかカンカンというハンマーの音が聞こえる。
    「良かった…町は無事みたいだね」
    「マジで良かった…」
    ピピルはグロスの顔をみてギョッとした。あのグロスがさも嬉しそうな明るい顔をしているのだ。
    「グロス?」
    「よかったぁぁ…」
    実はウェイダン王から「鍛冶師の町」と聞いた時、グロスはとてもわくわくしていたのだ。
    一体そこにはどんな業や技術があるのか、曲がりなりにも鍛冶師のグロスにとってそれは夢の世界であった。

    その時一人の子供が近づいてきた。
    「おにーちゃんたち何してるの?」
    それは可愛いキャックルの子供であった。だが口元は白いマスクで覆われて顔がよく見えなかった。
    「僕たちは旅をしているんだよ」
    ピピルは丁寧に答えた。
    「ところで君そのマスクどうしたの?風邪でも引いてるの?」
    「ううん、お母さんがつけてなさいって言うの。お友達もみんなつけてるよ」
    辺りを見回すと、確かに同じ様なマスクをつけた子供がたくさんいた。大人達はつけてはいない。
    「…何でだろう?」

    疑問に思ったピピルは近くの人に話し掛けてみた。
    「ようこそ鍛冶師の町シリークへ」
    「あの…この町の子供たちは何でマスクをしてるんですか?」
    「それですか?あれは毒ガス避けです」
    後ろにいたグロスと主人公とディコスはそれを聞いてさあっと顔が青くなった。慌てて口元を抑え始めた。
    「ああ心配なさらないで。毒ガスは空気より重いから地面の近くにしか溜まりません。背の低い子供達は危ないからと念の為にマスクをつけさせているんです。」
    三人は恐る恐る手を離した。
    「何故毒ガスが町に流れているんです?」
    「鉱山ですよ。知っているかもしれませんが、少し前にモンスターがどっと押し寄せてきましてね」
    「それで鉱山が崩れて内部に溜まっていた有毒ガスが漏れ出したと?」
    「ええ。正確に言うと昔戦争していた頃に使っていた毒ガス兵器らしいです。敵に鉱山を占拠されると厄介だからとあちこち罠を仕掛けていたようです」
    「確かに、敵に取られたら武器が作れなくなってしまいますから」
    「ガスは鉱山の山頂付近に設置されていました。敵が攻めてきた時はまずそこへ先に登ってこのガスを撒きます。そうするとガスは下へ下へと流れて行き、登って来る敵を全滅させる…と言う作戦だったそうで」

    戦争終結後も罠は撤去されずに残されている。罠の撤去にかなりの費用がかかる為だと言う。
    罠の大半は老朽化に伴って作動しなくなり、残った罠もその位置を把握している為問題は無い。
    ガスはいつか漏れ出す危険があるからと近い内に撤去を計画していたらしいが、その矢先にこの事故が起きたそうだ。
    「今の所は変わりなく生活できますが、これが長く続いたら子供達がどうなるか心配で…」
    未来を担う子供達が、この町に伝えられる技術を受け継ぐ子供達が、今は何も知らずに騒いでいる。
    話を聞いている内にグロスの瞳がめらめらと燃え出してきたが、誰も気付いていない。

    ついでにさっきから地面に突っ伏して寝ているフィアロンが毒ガスを吸いまくっていると言う事も、誰も気付いていない…。
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