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■1955  Re[2]: BM第7章 2:草林
□投稿者/ viper(ヴァイパー) -(2005/12/03(Sat) 23:14:19)
    4人は辺りをぐるりと見回した。ディコスは着いたと言うが、他の三人にはただの広い野原のようにしか見う無かった。
    「ここが…村?」
    ピピルは更に良く見回した。そこには建物を形作る石の壁や屋根はなかったが、樹木が立ち並び葉が生い茂ってこの場所を包んでいる。自然そのものが家になったような空間が広がっていた。
    ただの森とは違う、人に厳しい世界ではなく優しい世界であった。

    「誰だ」
    「マックル来た」
    「何しに来た」
    「ここ十年マックル来てない」
    あちらこちらからマックルエルフ達のひそひそ話が聞こえる。
    「わーちっちゃい。羽がある〜」
    フィアロンが木の陰に隠れている一人のエルフに近寄ろうとした。が、エルフはさささっとフィアロンから離れた。
    「ねえー、君はなんて名前なの?」
    「こっち近づく許さない」
    許さない、といわれてもフィアロンは尚も近寄ろうとする。エルフの顔がやや厳しくなった。
    「ノーム、来るよろし!」

    エルフが呪文を唱えた途端、エルフとフィアロンの間に壁のようなものが現れた。
    「うあわ」
    フィアロンは勢いよく壁に跳ね返され、後ろに向かって転がりながら戻ってきた。
    「フィアロン…!」
    主人公は転がってきたフィアロンを受け止めた。幸い怪我はしていないようだ。

    「ノーム呼ばなくても」
    「知らない奴、私に近づく事許さない」
    「ソウリン落ち着くよろし」
    主人公とピピルはそろそろとエルフ達の元へと近づいた。
    「ごめん、でもフィアロンは君達に害を加えるつもりじゃ無いんだ」
    「あの…僕達ここで休ませて貰いたいんだけど…駄目ですか?」
    それを聴くとエルフ達は二人の方を向いた。
    「旅マックルか、何処へ行く?」
    「旅の果てに何を目指す?」
    難しい言い回しであったが、どうやら旅の目的を尋ねているようである。
    「僕達は魔王を倒すために旅をしています」
    主人公は力強い声でそう言った。

    「魔王倒しに…」
    エルフ達はまた集まってひそひそ話をし始めた。暫くしてそのうちの一人、先程フィアロンに魔法を使った者がそこから離れた。
    「父上に仰いでくるアル。待つよろし」
    そのエルフは羽をパタパタ動かして村の奥の方へ飛んでいった。
    「…父上?何だ?ここの偉い人か?」
    ディコスがエルフ達に尋ねた。
    「ソウリンは族長の娘」
    「ソウリンは精霊使い」
    「ソウリンは強い」
    傍にいたエルフ達が次々とそう答えた。
    「精霊使い…ってなんだ?」
    ディコスはピピルの方を向いて質問した。
    「僕も詳しい事は知らないけれど…訓練所にいた頃世界にはそういう職業もあるって聴いた事があるよ」
    「さっきの変な魔法の事か?」
    二人がそう話しているとソウリンが戻ってきた。
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