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■359  Re[5]: BM 第1章 5:嘘が真に
□投稿者/ viper(ヴァイパー) -(2005/01/09(Sun) 22:55:30)
    「盗賊だぁ?」
    グロスはスラックをにらみ付けた
    「そうなんじゃ〜盗まれたんじゃ〜」
    「さっきは壊れたって言ってたじゃねーか」
    「そそそそれは・・・とにかくそこだけは駄目じゃ!」
    スラックは真剣な目で訴えていた そのあまりにも必至な姿を見てピピルがそうっと話しかけた
    「どうして駄目なんですか?確かに勝手に調べたのはお気に障ったかも知れませんが、そこまでして止めるなんて・・よほど重大なことでも?」

    グロスはなおもベッドをひっ掴み、その下を調べようとしていた スラックはグロスにしがみつき、悲鳴のように叫んだ
    「だから駄目だと言うておろうが!その下にある物を見たら・・・見たら・・」
    「うっせーな!この下に何か隠し研究室でもあるんだろ?」
    「(ぎくっ)何故それを・・・じゃない!何もない!」
    「え〜今『ぎくっ』てゆったじゃ〜ん」
    突然フィアロンがぼけーっとしたまま突っ込みを入れた スラックの冷や汗が一段と増えた

    「そ、その・・その下にある物を見たらお前達の命が危ないんじゃ!(出任せ)」
    グロスはびくっとして思わずベッドから手を離した
    ピピルも体を震わせ、主人公は後ろ歩きでベッドから離れ、フィアロンは相も変わらずぼーっとして何も反応しなかった
    「命が危ない?」
    主人公が思わず聞き返した
    「ええとその・・・そういうことなんじゃ・・・」
    「もし見てしまったらどうなってしまうんですか?」
    ピピルの問いにスラックは冷や汗をだらだら流しながら、震えた声で答えた
    「それはワシの口からは言えぬ・・・口にするのもおぞましい・・ただ、数年前その下にある物を見た者がそれっきり姿を消してしまった・・・とだけ話しておこう」
    グロスもベッドから離れた それっきり誰もベッドの下についてスラックに問おうとしなかった
    みんな顔がこわばっている フィアロンはあくびをしている

    主人公はふっと思いだし、スラックの方を向いて話を続けた
    「あ、そうだ。指輪盗まれてしまったんですよね?」
    「(良かった、ごまかせた・・・)ああ、うっかりしててのう・・」
    「何だよこの家防犯対策甘過ぎじゃねーか」
    「う、うるさい!」
    「俺ならなぁ、泥棒が入ろうもんならソッコーで取り押さえて皮剥いでやるぜ」
    その発言はちょっと笑えなかった グロスなら本当にやるかも知れない 寧ろ泥棒の身を案じたくなった
    「ちなみに、その指輪って何処にあったんですか?」
    ピピルの言葉にスラックからまた汗が噴き出してきた
    「それは秘密じゃ・・・・」

    その時どこかからガタガタという音が響いてきた
    とっさに全員が音の出所を探して辺りを見回した よく見るとフィアロンがいない
    「あ〜これちょうらい(頂戴、と言ってるらしい)」
    主人公・グロス・ピピル・スラックの4人は音と声のした倉庫の方に飛んでいった 何とフィアロンがおいてあるツボを片っ端からあさっていた
    「ぎゃああああああ!」
    スラックは絶叫した それは自分の家を物色された驚きではなく、嘘がばれてしまうと言う恐怖が形になったものだ
    「うおおい!フィアロンてめっ!何やってんだぁぁ!」
    グロスがフィアロンを取り押さえた
    「ここにあるケーキ食べてい〜い?」
    「何処にもケーキねえだろ!お前寝ぼけてるんだよ!!」
    どうやらお腹が空いたフィアロンが倉庫を台所と間違え、物色していたらしい
    「これちょうらい」
    そう言ってフィアロンは手に持ったものをひらひらと振り回す ピピルはフィアロンの持つものをぱしっと奪い取った
    「これお返しします、勝手に取っちゃってすいません」

    それは一枚の紙切れだった そしてこう書かれていた
    「指輪は頂いた 盗賊ディコス」


    「・・・ディコスぅ〜?」
    「確か街の人達が言ってましたね 変装の得意な泥棒だって」
    「道具屋さんが騒いでいましたっけ」
    「薬草取られただけで騒ぐ道具屋のおっさんもどーかと思うけどよ」
    「そうじゃ!ディコスの奴がワシの家に忍び込んだんじゃ!」
    スラックから汗が引いていた
    「覚えておるとも、3日前の事じゃったかの・・ワシが眠っていると物音がしての、起きたらそこに変なミラックルがいて、逃げ去っていく所を見たのじゃ・・」
    しかもやたら饒舌になっている
    「んだよ、そいつから指輪を取りかえさねぇと先に行けねーって事かよ、ちっ、面倒くせえ」
    舌打ちするグロス
    「ディコスは何処に行ったんでしょうか?」
    ディコス捜索の意を示すピピル
    「街の人達に訊こうか」
    それに乗る主人公
    「・・・ケーキは〜?」
    まだ寝ぼけているフィアロン
    (良かった・・・・ベッドの下見られなくて良かった)
    危機を乗り切ったスラック

    「じゃは僕たちはディコスを探しに行きます」
    「おお、道中気を付けるのじゃぞ」
    スラックは主人公達を見送った
    4人が去った後、スラックはそうっとベッドを動かした そこには下り階段が隠されていた

    数年前 スラック最愛の妻・エレンは掃除しているときにこれを見つけてしまった
    そして興味本位で階段を下りた彼女は、娘と共にスラックの前から姿を消してしまった・・・

    主人公は外にでてから、ふとこんな事を考えた
    「そう言えばあの階段の下を見た人って・・どんな恐ろしい目に遭ってしまったんだろう」


    隠されていた大量のエロ本を見てエレンは激怒し、スラックに往復ビンタをかまし、荷物をまとめ、家をでて行った
    スラック以外誰も知らない、あまりに哀しい物語である
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