「アニメがお仕事!」舞台探訪

〜尾道望郷編〜



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。

 いきなりですが、管理人はコミック「アニメがお仕事!」(石田敦子/著)のファンなのです。
 そしたら、ある時に「アワーズ」で連載中の話を読んでいると、なんと尾道の風景が登場しているではないですか!
 何しろ尾道は一度「かみちゅ!」舞台探訪で街中を足を棒にして歩き回ったもので、有名どころならだいたいどこにあるか判ってしまうわけです。
 「見える! 僕にも見えるよ、ララァ!」
ってなもんです。
 その時には「ふたつのスピカ」の第10巻にも尾道の風景が登場する事がわかっていたので、「かみちゅ!」の未発見の背景と合わせて一石三鳥で舞台探訪をする計画がたちまちのうちに頭の中で組み上がったわけです。
 そんなわけで、11月の連休を狙っての、尾道探訪紀行の始まりです。

 尾道 −尾道市 千光寺山周辺−
 「ふたつのスピカ」で西土堂町の“電柱のある坂道”を撮影した後、「かみちゅ!」の学校横の坂道を上って第一の撮影ポイントに。

第5巻P99 中段

 まんま、そっくり。
 期待に胸をおどらせながらさらに上ると…。

第5巻P99 下段

 これもそっくりです。手ごたえバッチリ。
 そしてここをさらに上った所で…。

第5巻P99 上段

 手前の茂みの様子がちょっと違うけど、まぁ、ほぼ「そっくり」と言って良いのではないかと。
 
 ここまでがあまりにも予想通りの展開だったので、気分はもう既に「勝ったも同然」の気分で次の目的地に向かったのだけれども、ここからが苦難の道のりだった。
 事前の予定では、第5巻P99上段の石碑が、千光寺公園の「文学のこみち」にあると思っていたので、そこを回って千光寺山を降りる予定だった。
 けれども、千光寺山の頂上で「文学のこみち」の一覧を確認したけれども、「アニメがお仕事!」の石碑は、無い。
 念のため…、と思って一応「文学のこみち」を全部回ったのだけれども、やっぱり無いのだった。

 もう、手がかりすら無いので、やむを得ず次のターゲットのロープウェイに目標を切り替え。
 しかし、普通ならここでロープウェイで降りれば良いものの、「ふたつのスピカ」の第10巻P1の背景が千光寺山中腹の「尾道アート館」前にある事が分かっているので、歩いて降りる以外の選択肢はない。ふぅ。

 一度千光寺山を降りて、「ふたつのスピカ」撮影のために御袖天満宮を回った後、再度、千光寺山ロープウェイに。
 ここで下のロープウェイ乗り場からロープウェイの様子をながめていると、誤解に気づいた。
 第5巻P100の風景は、すれ違ったゴンドラから撮影したものだと思っていた。
 けれども、ゴンドラがすれ違うのは、背景からの予想よりももっと下の方である。
 「と、いう事は…」
と、ある程度想像がつきながらもロープウェイに乗って山頂駅まで上ってみると…、

第5巻P100

 それは、ロープウェイの山頂駅から撮られた風景だったのだ。
 ロープの位置からゴンドラの位置まで、そのまんま同じ。風景も絶景だし、満足満足。

 さて、今回の宿は、前回使った駅前の「ホテルα−1尾道」の予約が一杯だったために、千光寺山頂付近の「ビュウホテルセイザン」を予約していた。
 駅に戻ってコインロッカーから荷物を取りだして見上げてみると、目の前の千光寺山のてっぺんに「ビュウホテルセイザン」の文字が…。
 そして、私の肩には取材の資料とカメラと娘(笑)が詰まったバッグの重さが食い込み、千光寺山を徒歩で一往復した足は痛みで片足を引きずる状態。
 …そのまま回れ右してタクシーに乗り込んで、「ビュウホテルセイザンまで」と告げる私だった。

 山頂までまっすぐに坂道を上る徒歩と違い、車で千光寺山に登るためには東の長江方面に大きく迂回しなければならない。1,000円を超えてなお回るタクシーのメーターを横目でうらめしく眺めながらも、考えるのは未発見の背景の事。
 「あの石碑は絶対に『文学のこみち』だと思ったんだけどなぁ。でも、背後に写ってる柵の形が、千光寺公園と違うもんなぁ。あんな三角形の模様の柵なんて、無かったもんなぁ…」
 と、その時、タクシーの外を流れる光景の中に一瞬見えたものは。
 「…ん!? 三角形の柵!?」

 翌朝、早起きしてその場所に行ってみると…

第5巻P99 上段

 ありました。ありえないぐらいの凄い偶然。
 場所は、千光寺公園の駐車場を少し下った所。
 この時、一緒に写真を撮っているおじさんがいたので、結構有名な場所なのかも?

 これで、第5巻P99での未発見ポイントは、あと残すところ1枚、路地から見上げた坂の背景だけ。たぶん千光寺山の南側か西側斜面だと思って歩き回ったのだけど、似たような場所が多すぎて、結局、探すのを断念。

 向島 −尾道市 向島−
 尾道渡船で向島に渡って、「かみちゅ!」第9話の大和関連の場所へと。

第5巻P132 下段

 「かみちゅ!」とほぼ同じ構図なので、すぐに見つけることが出来た。

 それにしても、何でこうも「かみちゅ!」の場所とかぶるのか? もしかして、第10巻末に書かれている「尾道一部写真提供」のY.Matsuoさんって「かみちゅ!」スタッフ?
 …と思ってちょと検索してみると、もしかして、巻末のY.Matsuoさんって、↓この方かな?
 松尾ゆきひろさんのブログ ■人生いきあたりばたんきゅ〜■

 えっ? あと残りの第5巻P137の下段はどうしたと?
 いや、これは素直に負けを認めよう。向島の竜王山に登って対岸の千光寺山付近を探したんだけど、右肩上がりの坂って無いんだよねぇ…。

 そんなわけで、「アニメがお仕事!」の舞台探訪記でした。
 知人からは「えーっ、あの話ってドロドロしてない?」とよく言われるのですが、…たしかにドロドロしてるんですが(笑)、そこに描かれた自分の選んだ仕事にかける情熱というものに非常に心を打たれるからなのですよ。我が身を振り返って、「はたして自分はこんなに仕事に情熱を傾けているだろうか?」と考えさせてくれる所が好きなのです。

 今回はマイナーな作品の舞台探訪なので見る人ちょっと置き去りかもしれませんが(笑)、私にとっての舞台探訪の原動力って、やっぱり「この作品が好きだから」という事が一番なので、これからもそのスタンスでボチボチとつづって行きたいと思います。

  終わり。