「SNOW」舞台探訪

〜Legend編〜



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。


 「SNOW」の舞台である、1年中雪が降る村、龍神村。
 その龍神村のモデルがあると、ネットでのうわさには聞いていた。
 そんなある日のこと、例によってQLAND氏からお誘いのメールがあった。

QLAND「『SNOW』ツアー、行く人募集中だにょ〜」
「ホントに見つけたんですか!? って、QLANDさんの地元に近いじゃないですか(^^;」

 そんなやりとりがあったのが冬の中頃。それから紆余曲折あって日程が延び延びになって、ようやく旅行のメドが立ったのは、もう本格的夏に入った7月の連休になってからだった。
 そんなわけで、思いがけずに「Legend編」となってしまった、「SNOW」舞台探訪ツアーの始まりである。

龍神湖はいずこ? −美山町大野地区−
 京都府のJR亀岡駅にてQLAND氏と合流。
 QLAND号に乗り込んで、「SNOW」の舞台を目指す。
 途中、トリ・インフルエンザで一躍有名になってしまった丹波町を通り、和知町を抜けて、目的地の京都府北桑田郡美山町へ。

QLAND「最初に、龍神湖に行くにょ〜」
「龍神湖キター!」

 そして着いたのは、美山町内の大野ダム。

大野ダム

QLAND「というわけで、ここが『龍神湖』の舞台候補なのだな」
「・・・・・」
QLAND「今は水が無くなってるけど、冬の間は水がこの辺まであって、この設定資料集みたいに見えてたんだよ。あそこにちょうど上下式の桟橋もあるし…、
 って、ああっ、ダメじゃん! 自分で言っててダメだって分かっちゃったじゃん!
 ダム湖だから、水位が上下するから、ゲームの中の桟橋みたいなのじゃダメじゃん、あの上下式の桟橋みたいなのしかあり得ないじゃん!」

 …そんなわけで、一瞬にして舞台候補でなくなった大野ダムなのであった。
 しかし、この他に美山町には湖らしい湖は無く、他に龍神湖の候補は無い。
 「山の形からして、ダム湖か火山湖だと思うんだけどなぁ…」とはQLAND氏の弁だが、はたして真の舞台はいずこに?

 次にやって来たのは、大野ダムの西の大野地区。

QLAND「この間からつり橋(向山橋)が見えるのだな。ここで道がカーブしてるし、バス停のモデルということでどうでしょうか?」

澄乃「何だか無理やりっぽいね、彼方ちゃん」

「…まぁ、さっきのに比べれば、Bランクというところですか」
QLAND「きーっ! オレが必死になって探し出して、オマエは『Bランク』とか言うだけかよ。きーっ! ヤな奴だな!」

 本当にお世話様です(^^;>QLAND氏

 この美山町の大野地区には、つり橋がいくつかあって、中にはゲームと同じ赤い橋もあるので、翌日に川の反対側の林道にも回って探したりしてみたのだが、ゲーム中のつり橋をバックにしたバス停の風景は見あたらなかったのだった。

 初日はここで探索打ち切り。
 この日はQLAND氏の自宅に泊めていただいて、次の日に備えたのだった。


雪月雑貨店 −美山町知井地区−
 翌朝、QLAND氏の自宅を出発。
 昨日と同じく、和知町から美山町へ入る。

 今度は、美山町の中心部をすぎて、町のはずれの北東方面へと進んでいく。
 そして着いたのは、「かやぶきの里」と銘打った美山町知井地区。

「かやぶきの里」

QLAND「ここが、最近、京都府の中で新観光名所として売り出し中の、知井地区なのだな」
「ちぃ、覚えた」
QLAND「…言うと思ったけど」

 一応観光地なので、それなりの駐車場と休憩所がある。
 駐車場に車を停めて、自動販売機に向かうQLAND氏。

QLAND「これ、入れてみて」
と、500円玉を渡すQLAND氏。
「?」
不思議に思いながらも、「美山牛乳」の自販機に500円玉を入れる。
チャリーン。
500円玉は戻って来てしまった。
「???」
QLAND「ここにたまたま寄った時に牛乳買おうと思ったら、今と同じように500円玉が使えなかったのだな。それであそこに見えるお店に行こうと思ったわけだ」

 と、言いながら集落の入り口の商店に歩いて行くと、そこには!

 澄乃「わっ、私の家そっくりだよ〜」
芽衣子「それにしても、もう少ししっかり隠れられんのか?」

「おおっ、これはまさしく『雪月雑貨店』!」
QLAND「…と、いうわけなのだな」

 この日はデジカメの設定を間違って、焦点範囲を狭くして撮影してしまいました。
 そのため、これからのオマケ付き(笑)写真は、背景がボケてますが、写真をクリックすればピントの合った写真が出て来ますので、そちらをご覧下さい。

 ゲーム中での看板は「山海堂パン」であるが、実際は「西湖堂パン」。地元京都のパン屋さんのようだが、今も存在しているのか、ネットで検索をかけても分からなかった。

商店内部

 お店の中は、残念ながらゲーム中のような雑貨店のイメージではない。
 向かって右手の棚にカップ麺が置いてあって、そこだけは似ているが、あとは観光目当てのかぶと虫が目につくぐらいで、あんまんはもちろんのこと、ほとんどめぼしい物が置かれていない。このシーズンのメインの販売物はあゆの遊漁券のようである。うぐぅ。

QLAND「それじゃ、次は山登りね」
「おお、山登りというと、あの!」

展望台(?)入り口

「…ってこんなところ入って行くんですか!?」
QLAND「おかしいなぁ。前来た時は、ここに『展望台入り口』って看板があったんだけどなぁ?」

 と、先行き不安になりながらも、登り始める。
 QLAND氏によると、何かで「展望台」と紹介している資料があって見つけたとのこと。
 しかし、登って行くうちに、入り口の看板が無くなった理由が分かったような気がした。
 道が細くて険しい上に、所々崩れかけている。
 実は、これは関西電力の鉄塔の保守用の道なのだ。
 一時期観光用に「展望台」として公開していたのかもしれないが、こんな険しい道に大勢の観光客が登ったら、転落事故が起きてもおかしくはない。それで観光用の案内を無くしてしまったのではないだろうか?

QLAND「ゼイゼイ。こんなところ、女連れて逃げ込むなんて、バカじゃないの?」
「しかも、一人身重だし」
QLAND「ありえないって。ゼーハーゼーハー」

 山道の途中にゲーム中に出てきたような風景があるんじゃないかと期待して探しながら登ったのだが、似たような風景は見あたらない。ゲーム中に出てきたような低い灌木が無いのだ。

QLAND「ハアハア。こんなところに毎日弁当持って来れねぇぞ〜」
「しかも、鹿が唐揚げ食べてるし」
QLAND「鹿は唐揚げ食わねぇだろ〜」

 他人が聞いたら疲労で幻覚を見てるんじゃなかろうかと心配するような会話を続けてるうちに、ようやく鉄塔のある場所に出た。

鳳仙「木が邪魔でほとんど見えないではないか、兄上!」

 微妙だが、スタート画面のうち、雪の場面と比べてみると、道路のカーブや交差の具合が似ていることが判ると思う。
 ちなみに、鉄塔に登って撮影してもゲーム中と同じアングルにはならない。なぜそう言えるかはノーコメントで(笑)


龍神の社 −美山町知井地区−
 山から下りて来て、再び「かやぶきの里」へ。

「で、次はどこに?」
QLAND「まったく、舞台探訪サイト開いてるくせに、少しは自分で探そうっていう気は無いのか? ブツブツ…」
「(だって、アナタ、人を驚かせるために何が見つかってないのか教えてくれないじゃないですか…)」

 という言葉は胸にしまいつつ、QLAND氏に案内されてやって来たのは、「かやぶきの里」の東の外れのほう。鎌倉社という神社。
 言われて見なければ気づかないぐらいの小さな神社である。

鳳仙「この小さな神社が『龍神の社』?…」

「これですか?」
持って来たゲームの背景のプリントアウトと見比べてみる。
QLAND「その夏のシーンはウソ。比べるのは、この設定資料集の原画。
ポイントは3つ。石段の数、石段の割れ方、石段の両脇の木の形」
「おおっ、言われてみれば!」

 これは、今回の探訪の中でも特大ヒット。間違いなく、龍神の社の鳥居のモデルと断言して良いでしょう。

鎌倉社の境内

 ちなみに、境内の様子が上の写真。
 境内はかなり狭く、ゲーム中の背景とは似ても似つかない。龍神の社の境内のモデルはここではないようだ。

 さて、せっかくここまで来たので、イベントを。
 雪が無いので、紙ねんどを雪がわりに見立ててみようという作戦。
 龍神の社と言えば桜花の雪だるまイベントなのだが、実は「龍神湖」イベント用に雪うさぎの材料を買ってしまっていたので、ここは雪うさぎで。

雪うさぎ・・・?

「…なぜ雪うさぎに見えませんか?」
QLAND「(ウルトラセブンの)アンノンだ」

 ちなみに、夏の紙ねんどは、ベタついて最悪です(@風子)


龍神学園 −美山町知井地区−
 ところで、私は「SNOW」では芽衣子様萌えです。
 PS2版は芽衣子様シナリオがあると聞いて口惜しさにホゾを噛みました。
 そんなわけで、芽衣子様が良く登場する道路の背景画像のモデルを探すのを楽しみにしていたのですが…。

芽衣子様の道?

 車で走り回って探したのだけど、そのものズバリの道は見つからず。
 比較的似ているのが上の写真かなぁ、と。「かやぶきの里」の北の外れで撮影。

 さて、以上で「かやぶきの里」の探索は終了。
 「かやぶきの里」を後にして、車で北へ少し走る。知井地区の外れまで来たところにあったのは…。

澄乃「えう〜、ここが龍神学園だよ〜」

 これはまさしく龍神学園!
 以前から、ゲーム中で大して重要でもないのに背景一枚作られていておかしいと思っていたのだが、想像するに、取材して背景まで描いたものの、諸般の事情(笑)でシナリオがカットされたのではないだろうか?

 この日は、ここまでで美山町知井地区の探索を終了。
 この後は、「芽衣子様の道」や「龍神天守閣」,「バス停」,「診療所」を探して美山町内を走り回ったり、「龍神の社」の境内のモデルを探して隣町の京北町へ遠征したりしたのだが、収穫は無し。
 美山町北部の芦生地区も、もしかしてゲーム中の「若生兄妹」の元ネタではないかと思って行ってみようとしたのだが、車2台すれ違えないような細い道に危険を感じて、入り口まで行っただけで断念したのだった。

 −あとがき−
 以上で、「SNOW」舞台探訪ツアーは終了。
 結局、今回の確定モデルは、雪月雑貨店、山の上、龍神の社の鳥居、龍神学園の4ヶ所でした。
 見つけられなかったモデルは、バス停、芽衣子様の道、龍神の社境内、龍神天守閣、龍神湖、龍神の滝、診療所などなど、たくさんあります。
 結果的には確定した場所は「かやぶきの里」周辺のみということで、美山町自体が「SNOW」の舞台というよりも、スタッフが「かやぶきの里」周辺のみを参考にしたのではないかと想像します。
 舞台探訪ツアーとしては、美山町自体が交通の便が悪いため行き来に時間がかかりますが、「かやぶきの里」中心に回るのであれば現地で1日あれば十分見て回れます。
 が、ぜひ舞台探訪者はムダな情熱を注ぎ込んで、まだ見ぬ舞台を探し出して、ネットで報告していただきたいと思う次第です(笑)
 ちなみに、QLAND氏によると、冬は名物のシシ鍋がおいしいそうで、雪景色の雪月雑貨店や龍神学園を撮影した後、旅館でゆっくりするのも良いと思います。

  終わり。