2009年5月5日〜8日
高知にカツオを食べに行こう!!
5月3日にパールカップも終わり、宇和島に集結していたヨットも帰っていった。
「ゴールデンウィーク休暇はまだ残っているし、どこか行きたいよね〜。」と下船休暇中のtameさんをそそのかして悪巧み。
「土佐清水にカツオでも食いに行く?」
「行く行く!!」
ということで、「レースも終わったし残りの休暇は家族サービスよね。」と思っていた嫁さんの期待を見事に裏切り、オトッツァン二人のクルージングが決定。
今まで十数年間、ゴールデンウイークどころか盆や正月など普通の人がお仕事をお休みしているときが一番忙しい仕事をしていたため、パールカップが終わってこんなに時間的にも精神的にも余裕があったことがなかった。家族サービスはまた別の機会にするとして久々の純クルージングを楽しもう。GWなので行楽地はどこへ行っても人が多いしね・・・
5月5日
昼頃三浦を出港。目的地未定。とりあえず行けるところまで。 ラジオを聞きながらビールをプシュー。極楽ですな。 三浦半島をショートカットして細木運河を抜ける。ここは橋の高さが16.5メートル。可航幅20メートルぐらい?水深は3メートルぐらいか?潮の流れが速いので通るときはいつもドキドキ。 蒋淵(こもぶち)を抜けると良い風が吹いてきてセイリング開始。アビームで7ノットぐらいで走る。 柏島まで行こうと思ったが夜になってしまうので、鹿島か西海辺りに寄ることにする。 由良半島沖を通り、鹿島向け針路をとる。鹿島はヨットを付けられそうな所がないため西海の中泊に入港することにする。 最初、外泊港に行ってみたが適当な係留場所がなく、防波堤に居たおっちゃんが中泊港に行くよう勧めてくれて、係留場所も教えてくれた。 この辺りは磯釣りのメッカで、港内には瀬渡し船が多く係留されていた。 また、この地域は強い季節風から民家を守るため、城壁のような石垣集落群があるところで、観光地としても有名なところ。夕暮れ前にちょっと見学に行ってきた。 |
細木運河 通るときはけっこうドキドキする。 |
アビームで快適にセイリング。 |
外泊港入口 正面が石垣集落群。 |
中泊港 港の奥は瀬渡し船でいっぱい。 |
入口防波堤の船に横抱きさせてもらった。 |
磯渡しの漁船 速そうでかっこいい。港内はスローで走ってほしい。 |
外泊の石垣集落群 まるで城壁。冬はそうとう風が強いんやろうね。 |
5月6日
昨夜少し雨が降った。気圧の谷が通過したのだろう。朝から風が強く、時々波が防波堤を越えて上がってきている。ゴールデンウイークで釣り客が多いせいか瀬渡し船がボワーっと猛スピードで出港していくためよく揺れる。せめて防波堤を通過するまでスローで走ってもらえんかなあ!?
軽く朝飯を食って朝6時過ぎに出港。港を出たらそうとう時化ていそうなので、オイルスキンを着て荒天準備。
案の定防波堤を出ると海面は白波で真っ白だった。しかし、向かい風で波をかぶったのも鹿島の水道までの少しの時間だけだった。
鹿島でストームジブを1枚上げ、フリーで7〜8ノットで走る。風速は25〜30ノット。高茂岬を越えて少し風が弱まったのでメインも揚げる。その後も風は落ちてきてのんびりモードに。
柏島を通過し暇なので、釣りでもしますかあ・・・ということで錆びていたケンケンの針を取り替えて操業開始。途中で出会った引縄のオッチャンが、釣上げた大きなシイラを自慢げに見せて通り過ぎていった。
けっこう大きなうねりが入ってきている。結局何も釣れぬまま操業終了。
途中トロトロ走っていたが昼過ぎには土佐清水港沖到着。
入口の西側には浅瀬があり立標が立っているが、間違えてショートカットでもしようものなら一巻の終わり。
港の奥は深くいかにも天然の良港といった感じ。
港最奥部の岸壁に「シャングリラX」という50フィートぐらいの大きなヨットが泊まっていた。
ホワイトホークはさらに右手奥のどん詰まりの岸壁に係留。目の前が大型スーパーで、釣具店、GS、トイレ、公園などもすぐ近くにある。
すぐ近くの「足摺黒潮市場」(道の駅みたいな施設?)に行ったら、宇和島から源ちゃんが家族連れでちょうど到着。
店内で刺身やさば寿司、干物などを買って、みんなで外のテーブルで海鮮バーベキューの昼食。レストランから生ビールを出前してもらい贅沢三昧。
美味しいカツオのタタキを土佐造りでいただこうと思ったが、ぶったまげるぐらい高くて、ここではパス。(観光客目当ての店だから高いのかなあ?)
ちょっとお店の人に聞いてみたら今年は全然カツオが釣れないそうです。
腹もいっぱいになり、源ちゃんは夜のお仕事のため宇和島に帰っていった。私とTameさんは街の銭湯に行く。途中で「シャングリラX」に寄ってみた。三重の志摩マリーナからクルージングで来ているそうです。フネはNZ製のアルミボートでなんとツインラダー。
銭湯まではホワイトホークを泊めている岸壁から歩いて10分ほど。漁師町らしく銭湯も2軒ある。
風呂でさっぱりして、帰りにスーパーで買出し。鮮魚コーナーにはパックに入ったカツオのタタキがお手ごろ価格で販売している。
「これこれ、やっぱスーパーは安いわっ!!」 カツオのタタキと窪川牛のタタキを晩飯のおかずに買ってヨットに帰る。食卓の支度をして待望のカツオを並べようとしたとき「三陸産解凍トロカツオ」の表示に気付いた。 「!?」 カツオの本場に来て三陸産のカツオかい? 安かったわけね。やっぱりカツオは不漁なんか?
食べたら旨かったので「よし」としましょう。牛肉のタタキも旨かった。
夕方、「シャングリラX」が泊めてある岸壁に40ftぐらいのレーシングボートが入港してきた。
ここの漁船はとてもマナーが良くて、静かに走ってくれる。土地柄かね?
柏島 柏島から続く大堂海岸は花崗岩の断崖が続く絶景ポイント。 |
けっこう大きなうねりがあります。 |
土佐清水港入口 | 港内に向かって左手(西側)は浅い岩場があるので要注意。 |
土佐清水港 静かでとてもよい天然の良港。 |
土佐黒潮市場 海産物を中心に高知の特産品やお土産を販売。レストランもある。 |
豪華な海鮮バーベキュー昼飯 清水サバ激旨!! |
三重から来た「シャングリラX」 50ftアルミ艇
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銭湯「旭湯」 近くにもう一軒銭湯があります。 |
晩飯 スーパーで買ったカツオのタタキと窪川牛のタタキ。三陸産のカツオにはガッカリしたけど旨かった。 |
5月7日
高茂岬沖を苦労して走る |
朝起きたらなんか腰が痛い。ちょっと歩くと激痛。しばらく調子が良かったのにまた悪化してしまったみたい。家族サービスを怠って昨日の贅沢したので天罰がくだったか?
朝早く他の2隻の大型ヨットは出港していった。我々も6時半に出港。今日は北上する。
昨日よりうねりが大きくなっている。スピードログは6ノット以上を示しているのに、逆潮のためかGPSのSOGは4ノットちょっと。これではなかなか距離が稼げない。おまけに腰も痛い。
昼前から風が強くなり3ポンメイン&ストームでセイリングするも、2メートルの波と20ノットオーバーの向かい風でスプレーを浴びまくり。
昼に柏島に入って飯を食おうかと言っていたけどキャンセル。ビショビショになってタックを繰り返しながらなんとか高茂岬を越えて少し楽になった。
北西の風はあまり良くないが湾が深くて一番安心な御荘に入港することにする。深い御荘湾を進んで行き、そろそろ着岸の準備をしようとするが、なんか様子がおかしい? 浮桟橋が見当たらない?いや、ポンツーンはあるが桟橋が陸に上げられていて工事中の表示がしてあった。浮桟橋への係留を諦めて、平山の漁協前に付けようとしたところ、おっちゃんが「ここは浅いよ!!」と言って、隣にあるカキ養殖筏につけさせてもらえるよう話をつけてくれた。
カキ筏のご主人も親切な方で、筏に引いた水道を使わせてもらい、潮まみれの顔を洗うと心地よかった。
御荘平山の稲田水産カキ筏。 冬になるとここのカキを毎年買いに来ていました。身が大きくとても美味しい。 |
5月8日
ゲンちゃんが合流するというので、陸上からアクセスしやすい柏漁港にシフトする。今日も風は強い。
柏漁港は適当な係留場所がないので、とりあえず真珠の養殖筏に泊めさせてもらった。「1時間ぐらいかんまんやろか?」と頼むと、作業中のおっちゃんも快く許可してくれた。
9時過ぎにゲンちゃんが乗り込み出港。風が強いので由良半島の船越運河を通ることにする。橋の高さ、可航幅などはほとんど細木運河と同じ。ヨットで通過するのはちょっと度胸がいる。
途中、津島の田ノ浜にシーカヤックの基地があるというので、ちょっと寄ってみた。寄港する気はなかったが、津島マリンの管理人が船外機で出てきて「うちの桟橋に付けたらいいよ。」と言うので、じゃあちょっと寄ってみるか、と思って接近するが、風と波で小さい桟橋は大きく揺れ、水深も相当浅そうだったので辞めて帰ることにした。管理人のおっちゃんは、「どうしても寄って行ってくれ」と言いたそうな顔をしていたが、「またこんどね。」
強風を避けて陸地によって機走する。夕方までに帰れば良いので、どこかに寄って飯を食おうということになり、蒋渕の浮桟橋に付けて昼飯。蒋渕の郵便局長はゲンちゃんの同級生で、仕事中にもかかわらず遊びに来てくれた。
再び細木運河を抜け、いつも遊んでいる海に戻ってきた。最後はちょっとだけカッ飛びセイリングを楽しみました。
ちょっとした近場のクルージングだったけど、四国の南西部は海も景色もきれいだし、ヨットを泊められる所だっていくらでもある。人も素朴で親切。あらためて、「ええとこやなあ」と思います。
柏漁港の入口 | 真珠養殖筏に少しだけ泊めさせてもらった。 |
由良半島を分断する船越運河
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蒋淵の浮桟橋で昼飯。 |