日野さんのトランスパック艇 乗船記  その1

久しぶりに日野さんのレポートです。
今回はなんとトランスパッカー!! 前回はメルボルン-大阪出場を前にしたモンスタースクーナー「ココリン」でしたので、よほどスパルタンなオーシャンレーサーに興味をお持ちなのかと思いきや、ご本人はまったくそんな気は無し。普通ならよほど腕に覚えがないとちょっとクルーとして志願するのは戸惑ってしまいますよね。しかし、日野さんの場合、「ヨットで行ったことないとこに行きたいから」という感じでクルー募集をしている船があるとすぐに行動に移してしまう。そんなフットワークのの軽さと行動力はすばらしいと思います。

今回は東京のコスモマリンクラブが来年のトランスパックをターゲットに進めているプロジェクトに参加。52ftの外洋レーサー「レグルス」と、39ftのクルージング艇「レティシア」(デュフォー39)でのキャンペーンの模様をレポートしてもらいます。


(日野さんのレポート)

4月12日、ヴェラシスマリーナーへ行ってきました。

何をしにって?
私、実は「レグルス」(ヨット)と言う52フイートのレーシング艇の回航要員として応募しているんです。

トランスパックレース。
このレースはスタートがロサンゼルス、ゴールがハワイと言う、国際外洋ヨットレースです。

残念ながら、2007年のこのレースへの参加艇は77艇中、日本艇は3艇だったそうです。

レグルスは2009年このトランスパックと言うヨットレースに若い人を参加させようと言う企画で2007年に立ち上げ若いレースクルー募集されました。

船の事はよく分かりませんが、メル阪へ出るために夫婦のかたがニュージーランドで建造。レースの後、売却されたものだと聞いています。

当然ながら、回航要員も同時に募集されていましたので、レースはともかく回航要員であれば、なんとかなるかも・・・とロサンゼルスに行ってみたい私は応募してみました。

今回は、横浜からロサンゼルスに向けての回航の為の下準備と言うことです。


9時に神奈川県の横須賀は久里浜駅前で待ち合わせ。
ですが、東京の電車にはひどい目に逢っていますので8時に久里浜駅に着くように出発・・・が、今回はどう言う訳か順調よく電車が走って8時に久里浜駅に到着(^_^;)

少し散歩などして時間を潰しますが8時59分になっても誰も現れません・・・???

確かに、「駅横のマクドナルドで待っていて下さい」との事だったのだが・・・

ふと辺りを見回すと少し離れた所に車が3台止まっているので(あの車が待ち合わせの人たちではないよねぇ〜なんて)見ていると外人さんが一人やって来た。

見るからに、「これから海に行くぞー」という格好をしているので(ん!やっぱりそうなのかもしれない・・・)と、すかさず会長さんにTEL。

そうすると、やはり、その車とのことなので急いでメンバーと合流。

他の殆どの人たちは何度も顔を合わせているらしくて名前など確認しなくても分かっているらしいのですが、例によって、私は今回も一度にたくさんの人の名前を覚えなくてはいけないのだ・・・(T_T)

全員で13名だったと思います???
3台の車に分乗してマリーナへ行き出発の準備。


船は、カッターリグでかなりの細身、そして、有ろうことかティラーです。
私はラットが好きなのですが(T_T)・・・(ティラーは体が横向きだし、それに力が必要で疲れる様に思えるんです・・・)

居住性は無視、帆走性能重視。
船の中は立てないほど低くて高さは160cmも有りません。
唯一立てるのはキャビンの入り口のみです・・・トイレもオープン、ベッドもパイプベッド。
しかし、レンジは有るし、冷蔵庫もあります。
そして、驚いたのがトイレの排出バルブ。

普通はボールバルブなのですが、この船は特殊なバルブが付いていました。

それは、椎茸のような弁が付いていて、コックを回すと弁が船の外側へ飛び出すというものでした。
弁を閉じると船底は、まっ平らになって抵抗が少ないとの事です・・・
初めて聞きました。(うーん・・・そこまでするか・・・)

説明を受けたりしているうちに出航準備も終わり、出港です。
人数も多く皆さん手慣れているので、あっという間に出港。

途中キャプテンといろいろ話をしましたが、台湾レースはレースそのものが中止らしい・・・
したがって、回航も無いそうです(T_T)

なによりも、ショックだったのは来年5月のロサンゼルスへの回航は4人で行うそうです・・・

今現在の回航要員登録人数は18人。(うわっ!どうしょう!!)私は行けないかも(T_T)

そうこうしている内に油壷マリーナ手前の三浦漁港へ入港、昼食となりました。
船の大きさに関係なく1日¥2,500だそうです。

板張りの岸壁に腰を掛け、お弁当を食べます。
すぐ傍にトイレや、おみやげ屋さんが有って便利のいい所でした。

そうしていると、7〜8名ほどの学生さんたちの乗った30フイート位のヨットが入港。

舫いを取ってあげて、見ていると、バウ(船の前)で学生さんがクリート止め(ロープの縛り方の呼び名)をしているのですが、まだ、手順がよく解らないようで、かなり変になっている。

10m位離れた所から、しばらく見ていたのですが、どうやらお手上げの様子。

そこで私は岸壁から「違うよぉ~」と、言ってしまった(T_T)

言った後で(しまった・・・まだ、諦めて立ち去っていなかったのだから諦めるまで、もう少し待つべきだった・・・
言われなくても何か違うと言うのは本人にも分かっていたみたい・・・
クリートの前で考え込んでいたのですからねぇ〜・・・(T_T))

後悔先に立たず。とはこの事です・・・

見ていると他の学生さんが飛んで来て手順を教えていてくれていました。(バウの学生さん、ごめんねっ)

私たちは食事を済ませて出港して小網代湾の西側でレースのクルー要員によるタック、スピンジャィブなど夕方まで練習。

再び三浦漁港に引き返して終了。
1日では有りましたが、いい人にも出会えて、とても楽しかったです。

5月の連休はヴェラシスから高知への
無寄港往復とのことです。

私も乗せて頂けることになりました(^O^)/ラッキー?

 

5月の那智勝浦・航海記へ