年金の併給調整について

 
○併給調整とは
 年金制度においては、1人の人が複数の年金を受けることは過剰給付になり、公平性を失うとの観点から、「1人1年金」が原則となっている。複数の年金が受け羅列場合には、いずれか1つの年金を選択しなければならず、これを併給調整という。
 ただし、老齢基礎年金と老齢厚生年金というように、同種の基礎年金と報酬比例年金(厚生年金部分)の年金は一緒に受けられ、遺族年金と老齢基礎年金の組み合わせも例外が認められている。


○国民年金・厚生年金の併給調整
 上記でも述べたように原則は1人1年金だが、厚生年金は国民年金の上乗せという位置づけなので同種の基礎年金と報酬比例年金(厚生年金部分)の年金は一緒に受けられる。しかし、遺族厚生年金と老齢厚生年金といった同じ年金制度からは受け取ることができない。詳しくは以下の表を参照。

@国民年金の年金間の調整


A厚生年金の年金間調整


○併給調整の特例
 遺族厚生年金と老齢基礎年金の支給については特例的に扱われ、遺族厚生年金を支給する者自身が持つ65歳以降の老齢基礎年金とその遺族厚生年金は選択により併給される。この場合の併給とは、どちらも満額支給されるという意味ではない。選択肢は以下の通り。
@老齢厚生年金+老齢基礎年金
A遺族厚生年金+老齢基礎年金
B(老齢厚生年金×2分の1+遺族厚生年金×3分の2)+老齢基礎年金
※尚、年齢によっては60歳から64歳の間からは特別支給の恒例厚生年金を受け取ることが出来るが、その特別支給の老齢厚生年金と遺族厚生年金はどちらか選択することが出来る。

○障害基礎年金の併給調整の緩和
 平成18年4月からは障害基礎年金を受給していても65歳以降、老齢厚生年金と併給出来るようになった。これは、改正前は支給事由が同一の年金は、両方支給されるが同時に支給事由の異なる2つ以上の年金を受け取る権利を有していてもどちらかを選択しなければいけなかった。
 したがって、例えば障害基礎年金を受給している人が働いて厚生年金に加入している場合、保険料を納付していても、60歳以降もそのまま障害基礎年金を選択していると老齢厚生年金は受給できなかった。
 そこで、この度、支払った保険料が掛け捨てにならないように障害基礎年金と老齢厚生年金の併給を可能にし、自分の支払った保険料が年金給付に反映されるようになったのである。








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