第17回社会学問題



問題51 集団に関する用語の説明のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 準拠集団とは、ある個人がそこに所属し、帰属感や愛着を持ち、そこに所属している人を仲間として意識し得る集団のことである。
B 第1次集団とは、子どもの遊び仲間など親密で対面的な結びつきを特徴とする集団のことである
C 内集団とは、ある個人がそこに所属しているか否かにかかわらず、自己の態度や意見の形成において影響を受ける集団のことである。
D ゲマインシャフトとは、ある目的を達成するために、人々の人為的な選択によって形成される集団のことである。 

  1  ○   ○  ×  × 
  2  ○  ×  ×  ○  
  3  ×  ○  ×  × 
  4  ×  ×  ○  ○  
  5  ×  ×  ○  ×


問題52 我が国の女性のライフコースに関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 

A 国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」(平成14年)によれば、独身女性の理想とするライフコースでは、過去10年余り、「仕事と子育ての両立」は増加を続け、「専業主婦」は減少を続けている。
B 国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」(平成14年)によれば、独身男性が女性に期待するライフコースでは、過去10年余り、「専業主婦」が「子育て後の再就職」を上回っている。
C 「厚生労働白書」(平成15年版)は、女性の職場進出に伴う子育ての機会費用の増大等の影響を出生率低下の一因としてあげている。
D 20世紀末(1990年)と大正期(1920年)との女性を比較した場合、末子の成人年齢到達時(20世紀末は20歳、大正期は15歳とする。)から本人が死亡するまでの期間は、20世紀末は大正期の約3倍である。

  1  ○   ○  ×  × 
  2  ○  ×  ○  ○  
  3  ○  ×  ×  × 
  4  ×  ○  ×  ○  
  5  ×  ×  ○  ○


問題53 2001年時点での諸外国と日本の合計特殊出生率を比較した次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A アメリカは、1990年代において2.0以上を維持し、2001年の数値は日本を上回った。
B イタリアは、1990年代末に2.0を超える水準へと回復を見せ、2001年の数値は日本を上回った。
C スウェーデンは、1990年代に一時期2.0を越えたが、その後に急激な低下を見せ、2001年の数値は日本を上回った。
D 韓国は、1990年代に一度も2.0を超えることはなく、2001年の数値は日本を下回った。

 1 AB
 2 AC
 3 AD 
 4 BC
 5 CD


問題54 社会調査に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 

A インタビューや聞き取りなどから得られる調査データのうち、質的データ分析においては、被調査者の言葉をそのまま分析概念に用いる場合もある。
B 社会調査は、調査テーマに応じた関連学説や関連調査結果などを踏まえて専門家の作成した質問及び回答項目に基づき、適切なサンプリングで行われる場合、調査倫理上の問題は生じない。
C 公開されている社会調査のデータについて、新たな分析技法を適用したり、新たな要因間の関連について分析し直したりすることを二次分析と呼ぶが、二次分析は調査倫理上避けるべきものとされている。
D 社会調査は、専門家によって全国を対象として行われる調査を意味しており、一定の地域を対象として市民あるいは市民団体が実施する調査は含まれない。

  1  ○   ×  ○  × 
  2  ○  ×  ×  ○  
  3  ○  ×  ×  ×
  4  ×  ○  ○  ×  
  5  ×  ○  ×  ○


問題55 次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして適切なものを一つ選びなさい。

 パーソンズ(Parsons,T.)は、産業化の進展によってもたらされた20世紀半ばのアメリカの家族・親族体系の特徴の一つとして、両親と子どもから成立している核家族は住居面や経済面において親家族から分離・独立している点を指摘した。また、基本的かつこれ以上減らすことができない家族機能として、【A】の2点について提案した。
 一方、リトウォク(Litwak,E.)は、19歳以下の子どもを持つ地理的移動をした白人の妻を対象とした調査結果から、パーソンズによる前者の部分の指摘について異なる見解を示した。彼は異居近親関係の核家族間で互助機能が保持されているデータを示して、農民家族的色彩の濃厚な【B】は崩れたが、その変形というべき【C】は重要な機能を営みつつあると述べた。

1 子どもの扶養と夫婦の伴侶性――古典的直系家族―修正拡大家族
2 子どもの基礎的社会化と成人の―古典的直系家族―修正直系家族 
  パーソナリティの安定
3 子どもの基礎的社会化と成人の―古典的拡大家族―修正拡大家族 
  パーソナリティの安定
4 子どもの扶養と夫婦の伴侶性――古典的拡大家族―修正拡大家族
5 子どもの扶養と夫婦の伴侶性――古典的拡大家族―修正直系家族


問題56 次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 勤労者世帯1世帯あたりの年次別実収入の前年比は、バブル経済が崩壊した1990年代初頭以降も2000(平成12)年まで一貫して微増傾向を示した。
2 国民生活基礎調査によれば、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の中で、「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」の割合は2000年では過半数を超えている。
3 国民生活基礎調査によれば、2000年の高齢者世帯と母子世帯の1世帯当たりの平均所得金額を比較すると、母子世帯の方が多い。
4 1960年代初頭には80%を超えていたエンゲル係数は、2000年には10%を切っている。
5 高等教育機関への進学率向上に伴い、全世帯の家計に占める教育費の割合は急増しており、2000年時点では10年前と比較すると3倍になっている。


問題57 第二次世界大戦後我が国における農業及び農村をめぐる変化に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 農地改革によって、基本的には寄生地主制が解体され、自作農が広範に創出されたことは、農村の封建的な社会関係に変化をもたらした。
B 農地改革を受けて成立した農地法によって、1950年代初頭には株式会社の農地所有が認められるようになったことで、農村内の農民層分解が推し進められることになった。
C 1990年代半ばに外米輸入の部分自由化が開始されたのに対応して、我が国で初めて米の減反政策が導入されたことは、農業協働組合の組織基盤を強める契機となった。
D 平成11年に成立した食料・農業・農村基本法は、「国は、国民の農業及び農村に対する理解と関心を深めるとともに、健康的でゆとりのある生活に資するため、都市と農村との間の交流を促進、市民農園の整備の促進その他必要な施策を講ずるもの」と定めている。

 1 AB
 2 AD
 3 BC 
 4 BD
 5 CD


問題58 平成15年に実施された「ホームレスの実態に関する全国調査」についての次の記述のうち正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 

A 調査対象者のホームレスとは、定住先を持たない人たちで、都市公園、河川などで路上生活をしている者及び簡易宿泊所での生活者や失業中の居候者のことである。
B ホームレスの数は、都道府県別では東京都が最も多く、次いで多いのは大阪府であり、両方で全国の9割を占める。
C ホームレスは、性別で見ると女性より男性が多く、10歳ごとの年齢別に見ると40歳代の人が最も多い。
D 路上生活直前の職業で一番多いのは建設業関係の仕事であり、従業上の地位は、「常勤職員・従業員(正社員)」と並んで「日雇い」の比率が高い。

  1  ○   ×  ○  × 
  2  ○  ×  ×  ○  
  3  ×  ○  ○  ○ 
  4  ×  ○  ×  ×  
  5  ×  ×  ×  ○
 

問題59 内閣府による「配偶者等からの暴力に関する調査事例」(平成14年)における男性が加害者となる場合のドメスティック・バイオレンスに関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 

A 夫・パートナーからの女性への暴力被害の潜在化には、そうした暴力を容認しやすい社会通念が作用している。
B 暴力を振るう夫・パートナーは、家庭以外でも攻撃的であるという特徴が見られる。
C ドメスティック・バイオレンスは、身体的被害、精神的被害、性的被害など、女性の心身に多大な影響を与えるものである。
D ドメスティック・バイオレンスから逃れるのが困難である理由として、それまでの生活基盤が失われることが関係している。

  1  ○  ×  ○  ○ 
  2  ○  ×  ○  ×  
  3  ○  ×  ×  ○ 
  4  ×  ○  ○  ×  
  5  ×  ○  ×  ○ 


問題60 世帯に関する次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

 世帯は、「住居と生計をともにする社会生活上の単位」である。世帯を対象にした統計調査のうち最も代表的な国勢調査では、世帯の種類を2区分している。昭和60年の国勢調査では、昭和55年まで用いられた「普通世帯」と「【A】」という区分に代えて、「一般世帯」と「【B】」に分けられた。これによって、【A】に含まれていた間借り・下宿・独身寮の単身者は一般世帯に含まれるようになった。
 ところで、65歳以上の高齢者の中で【B】に所属する割合は、昭和35年と平成7年の国勢調査のデータを比較してみると、この間に【C】したことが見て取れる。

1 単独世帯―その他の親族世帯―低下
2 単独世帯―施設等の世帯―――上昇
3 準世帯――その他の親族世帯―低下
4 準世帯――施設等の世帯―――上昇
5 準世帯――その他の親族世帯―上昇





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