老人福祉論問題
問題81 老人保健法に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 保健所は,その管内の市町村における老人に対する医療等以外の保健事業の実施に関する計画を定めなければならない。
B 市町村は,その管内を越える広域的な見地から,医療等以外の保健事業の供給体制の確保に関する計画を定めなければならない。
C 平成17年の老人保健法の改正により,市町村老人保健計画は,市町村老人福祉計画及び市町村介護保険事業計画と一体のものとして作成されなければならないとされた。
D 都道府県は,市町村が行う医療等以外の保健事業の実施に関し,都道府県が設置する保健所による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助及び市町村相互間の連絡調整を行う。
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
問題82 シルバーサービスの展開に重要な影響を及ぼした次の事項を古いものから順に並べた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 社団法人シルバーサービス振興会設立
B 有料老人ホーム設置運営指導指針策定
C 「WAC法」制定
D 「PFI法」制定
(注)
1 「WAC 法」とは,「民事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律」のことである。
2 「PFI 法」とは,「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」のことである。
1 A→B→D→C
2 A→C→D→B
3 B→A→C→D
4 B→C→A→D
5 C→B→D→A
問題83 指定介護老人福祉施設における施設サービス計画に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 計画担当介護支援専門員は,施設サービス計画の原案の内容について入所者又はその家族に対して説明し,文書により入所者の同意を得なければならない。
B 施設サービス計画の実施状況の把握(モニタリング)は,少なくとも3か月に1回は行わなければならないと法定化されている。
C 計画担当介護支援専門員は,施設内のサービス担当者会議の開催やサービスの提供にあたる他の担当者に対する照会等により,当該施設サービス計画の原案の内容について,他の担当者から,専門的な見地からの意見を求めるものとされている。
D 施設サービス計画は,施設職員によって提供されるサービスの範囲内で作成しなければならない。
1 ○ × ○ ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×
問題84 認知症高齢者に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 認知症高齢者のアセスメントでは,コミュニケーション障害の程度と内容を知る必要がある。
B 行動障害(BPSD)は,基本的な障害に加えて不安感・ストレス・身体不調などの諸要因が作用して引き起こされる。
C 物盗られ妄想の言動は,認知症の初期のみに見られる症状である。
D 思い込みの激しい人には,混乱を避けるため,実際の事実を確認できるように対応する。
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○
問題85 介護保険制度における住宅改修に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 要介護認定で「要支援」と認定された高齢者も居宅介護住宅改修費支給の対象になる。
B 住宅改修費支給申請書に添付する書類として,介護支援専門員が住宅改修を必要とする理由を記載した書類を作成した場合,別途そのための費用を本人から徴収することができる。
C 平成17年4月1日現在,厚生労働大臣が定める居宅介護住宅改修費支給限度基準額は,20万円である。
D 居宅介護住宅改修費の支給は,対象となる高齢者―人につき1 回を限度としている。
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 × ○ × ○
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×
問題86 近年の家族と介護をめぐる動向に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 「高齢者介護に関する世論調査」(内閣府,平成15年)によれば,男女とも家族の中では,配偶者に介護を望む割合が高い。
2 「国民生活基礎調査」(平成13年)によれば,要介護者等のいる世帯の世帯構造は三世代世帯の割合が最も高い。
3 「国民生活基礎調査」(平成13年)によれば,同居の主な介護者のうち,男性の割合は約24%である。
4 「国民生活基礎調査」(平成13年)によれば,男性が主な介護者となっている場合,夫の占める割合は息子の占める割合の約2倍である。
5 「国民生活基礎調査」(平成13年)によれば,同居の主な介護者で「ほとんど終日」介護していると回答しているのは約27%である。
問題87 高齢者のうつ状態に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 意欲が低下して動作や反応が鈍くなるという症状によって認知症と誤解されることがある。
B 身体的な衰えに関連した心気的な訴えが執拗に続く場合には,訴えに対して丁寧な説明は逆効果となる。
C できないことに注目しがちだが,できていること,行っていることを認めて,それを本人に伝えていくことは基本的な対応である。
D 高齢者の場合のうつ病の遷延化は,脳の老化が加わることによって,また,慢性の身体疾患が関与する場合に起こりやすい。
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ ○ ×
(老人福祉論 ・ 事例問題)
次の事例を読んで,問題88 から問題90 までについて答えなさい。
〔事例〕
A男(77歳),B子(75歳)の夫婦はJ市で夫婦二人暮らしである。妻のB子は脳梗塞のため入院していたが,状態が落ち着いてきたため,病院から介護老人保健施設への入所を勧められた。しかし,B子は,7年前に別の老人保健施設(現在介護老人保健施設)に入所していたときに入所者同士のトラブルがあったことから,施設に入所することには否定的で,「施設には入りたくない」と泣きながら訴え,A男は,「妻の介護は,自分がする。他県で暮らす息子夫婦も近くに越してくることになっている」と述べ,在宅でのA男による介護が始まった。その後,A男はB子の食事や排泄等の介護を献身的に行っていたが,近くに転居することになっていた一人息子が,勤務先の都合に加えて,妻の母が倒れ,その介護もあり,転居の見通しは立たなくなった。A男は,日ごろから楽しみにしていた近隣の友人と会うことも難しくなり,B子に対して,「もっとしっかりしろ!」と強い口調で声を荒げることも多くなった。そのような状況の中,A男が病院のC医療ソーシャルワーカーから紹介されて同市の在宅介護支援センターヘ相談に来所した。在宅介護支援センターのソーシャルワーカーであり,介護支援専門員でもあるDワーカーは,A男と初回面接を行った。A男からは,現状の介護の負担は非常に厳しいが,妻にとっても,また,自分にとっても,住み慣れた家で暮らしていたいという強い意向が伺えた。翌日の訪問面接の場面では,A男は「何とか食事だけでも自立して欲しい」と期待を述べ,同席したB子は「施設には入りたくない。息子夫婦が近くに越してこなくなっても二人で暮らしたい」と希望した。A男とB子の共通した願いである在宅生活の継続のために,B子が介護保険制度を利用してA男の負担を軽くする方向が話し合われた(問題88)。
要介護認定を行った結果,B子は要介護度3であった。D ワーカーは改めて夫婦宅を訪問し,居宅サービス計画の作成を行ったが,A男は他人が自宅に入ることを気にして積極的にサービスを利用しようとしなかった(問題89)。
同時にDワーカーは,病院のC医療ソーシャルワーカーやケアプランで活用する指定居宅サービス事業者に対し,A男とB子を地域で支えていくための方策について適宜連絡や調整を行った(問題90)。
問題88 このときのDワーカーの対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A A男はB子の日常の介護に加えて,慣れない家事などをしているために介護負担が重い状態にあったため,B子に介護老人福祉施設への入所を勧めた。
B 一人息子あるいは息子の妻に介護を依頼できないかどうかをA 男に再度確認するよう言った。
C 在宅生活に向けての準備が整わぬ状況で退院したため,在宅生活を可能とするように福祉用具の貸与をはじめ,諸々の手続きについてA男,B子と話し合った。
D A男と今後の短期的目標並びに中長期的な目標について話し合う中で,A男の希望も含めてケアプランを作成するようにしていくことを伝えた。
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
問題89 居宅サービス計画の作成に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A A男の介護負担軽減やB子の生活支援の観点から通所介護を利用してみてはどうかと勧めた。
B A男が日常的に相談していた民生委員からもA男の了解を得て情報を収集し,居宅サービス計画を作成した。
C 介護保険サービス以外の市の独自サービスである配食サービスも居宅サービス計画に組み入れた。
D A男の介護負担を軽減することを最優先と判断し,訪問介護を最大限利用するような計画を作成した。
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × × × ○
問題90 指定居宅サービス事業者との連携に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A A男がB子に厳しい口調で接していることをそれぞれの指定居宅サービス事業者に説明した。
B 居宅サービス計画書に基づき事業者への連絡をした上で,サービス担当者会議を開催し,今後の支援の方針について検討・確認した。
C A男,B子にもサービス担当者会議に参加するよう促し,積極的に発言してもらった。
D 将来的に在宅生活を継続できない状況も想定し,介護老人福祉施設にあらかじめ詳細な情報を提供した。
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
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