障害者福祉論問題



問題91 次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 発達障害者支援法では,発達障害を「自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と規定している。
B 注意欠陥多動性障害の特徴として,@年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力,A多動性,B衝動性,ということが指摘されている。
C 発達障害者支援法による発達障害者支援センターの業務には,専門的な発達支援とともに,就労支援を行うことも含まれている。
D 文部科学省の調査(平成14年)では,発達障害により学習や行動面で特別な教育的支援を必要とする小中学校に在籍している児童・生徒は,義務教育段階での全児童・生徒の約15%とされている。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○


問題92 障害者の所得保障に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」は,障害基礎年金等の受給権を有していない障害者に特別障害給付金を支給することにより,その福祉の増進を図ることを目的としている。
B 「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」では,特別障害給付金の支給を受ける権利は,老齢基礎年金等を受けることができるまで消滅しないとしている。
C 「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」における特別障害者とは,20 歳以上で精神又は身体の重度の障害により日常生活において常時特別の介護を要する状態にある者を指し,所得保障の観点から身体障害者更生施設に入所している者も対象としている。
D 所得税法における特別障害者は,精神又は身体に重度の障害がある者で政令で定める者であり,控除額がその他の障害者より増額される。

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○


問題93 次の事項の組み合わせのうち,正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 平成17年6月改正の障害者の雇用の促進等に関する法律―精神障害者(精神障害者保健福祉手帳所持者)の雇用義務の規定
B 障害者就業・生活支援センター―障害者職業総合センター,地域障害者職業センター,障害者雇用支援センターその他厚生労働省令で定める事業主により行われる職業準備訓練のあっせん
C 身体障害者授産施設―身体障害者で雇用されることの困難なもの又は生活に困窮するもの等を入所させて,必要な訓練を行い,かつ,職業を与え,自活させる。
D 指定特定知的障害者授産施設―授産活動に従事している知的障害者への労賃の支払い

1 AB
2 AC
3 BD
4 BC
5 CD


問題94 「交通バリアフリー法」に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 都道府県は,基本方針に基づき,単独又は共同して,特定の駅やその周辺の地区を重点的に整備すべき地区として指定し,移動の円滑化のための基本構想を作成しなければならない。
B 公共交通機関の旅客施設及び車両等の構造及び設備を改善するための措置,旅客施設を中心とした一定の地区における道路,駅前広場,通路その他の施設の整備を推進するための措置その他の措置を講ずることによって,法律の目的を達成することとされている。
C この法律において「車両等」とは,公共交通事業者等が旅客の運送を行うためその事業の用に供する車両,自動車,船舶及び航空機と定義されている。
D 主務大臣は,公共交通特定事業が実施されていないと認めるときは,公共交通事業者等に対し,その実施を要請することができる。
(注)「バリアフリー法」とは,「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」のことである。

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×


問題95 次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 介護保険制度と同じように支援費制度でもケアマネジャーによるケアプランの作成が法定化されている。
B 医療的ケアを必要とする重度障害者の地域生活への移行も進む中で,家族以外の者によるたんの吸引が一定の条件の下では容認されるようになった。
C 障害児教育の分野では,関連機関のネットワーク化や連絡調整に当たる特別支援教育コーディネーターを位置づけ,関係機関との連携協力の体制整備を図ることが重要となっている。
D 平成17年の介護保険法の改正で,新たに地域包括支援センターが位置づけられ,社会福祉士,精神保健福祉士,保健師それぞれが必置となり,多職種の役割を調整する主任ケアマネジャーも位置づけられ,障害者も支援の対象とされた。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○


問題96 次の施設等とそこに配置しなければならない職員の組み合わせのうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 身体障害者療護施設―理学療法士又は作業療法士
B 知的障害者更生相談所―知的障害者相談員
C 知的障害者福祉ホーム―生活支援員
D 精神障害者福祉工場―精神科の診療に相当の経験を有する医師

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○


問題 97 世界保健機関(WHO)が1980年に出した「国際障害分類(ICIDH)」と,2001年に改定された「国際生活機能分類(ICF)」に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 「国際障害分類」では,「障害」を「機能障害」「能力障害」,「社会的不利」の3つのレベルに分類した。
B 「国際生活機能分類」では,「生活機能」を「心身機能・身体構造」,「活動」,「参加」のすべてを含む包括用語とした。
C 「国際生活機能分類」では,「機能障害」,「活動制約」,「参加制限」という考え方を示し,その総称を「社会的不利」という言葉で整理した。
D 「国際生活機能分類」では,病気だけでなく,加齢や妊娠なども含む「健康状態」に注目し,さらに「環境因子」や「個人因子」などの「背景因子」にも注目し,それぞれの要素が影響しあう双方向のモデルという考え方を示した。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○


(障害者福祉論・事例問題)
次の事例を読んで,問題98 から問題100 までについて答えなさい。
〔事 例〕
A子(29歳)は,小・中学校は普通学級に通い,定時制高校卒業後,地元の工場に就職し,部品組立て等の仕事に従事した。25歳のときに同僚と結婚し,すぐ長男を出産するが,家事・育児が十分にできなかったこともあり,2年ほどで離婚となった。27歳のときに実家に戻るが,当時,父親は脳血管障害後遺症で介護保険のサービスを利用していた(要介護度3)。また,母親も手帳は所持していないが軽度の知的障害があると考えられ,娘親子に適切な支援はできなかった。A子はまもなく,「出会い系サイト」で知り合った男性を頼りにし,遊び回るようになった。長男への育児が十分でないという理由から近くの児童委員の紹介により,児童相談所がA子親子の支援にかかわることになる。児童相談所をはじめ,公的な相談機関がかかわる中で,A子にも軽度の知的障害があることが明らかになり,28歳のとき療育手帳を取得し,障害基礎年金2級と診断された。A子の今後の生活設計などを具体化するために市の福祉事務所が中心となって,関係機関が集まり,支援計画が検討された(問題98)。
その結果,障害者職業センターの職業相談などを活用し(問題99),サービス業に就職した。A子は職場に満足しているが,職場で人間関係のトラブルがあったり,給料が入ると必要もないのに衝動買いをしてしまう,生活費の管理ができない,などの新しい課題が明らかになった。サラ金からの督促状も届くようになり,A子親子の暮らしを守るために,金銭管理などをはじめとする日常生活の支援を確実に行うことが求められてきた(問題100)。

問題98 この家族には多くの支援機関や専門職がかかわっているが,家族全体を視野に入れた支援計画と,そのキーパーソンを検討するためのケア会議が開かれた。この時点で提案された今後の方向性として,次のような意見の中から,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A この家族に最も長くかかわっている介護保険の介護支援専門員が中心となり,地域の関連機関とすべての情報を共有しながら,家族4人の今後の暮らしを検討する。
B 長男の育児放棄や,身体的な虐待なども予想されるので,児童相談所のケースワーカーが中心となり,親子を引き離すために家庭裁判所に児童養護施設への入所承認の請求を行うこととした。
C A子の総合的な支援計画を確立し,その中で母子ともに,地域の中で安心して暮らすために,X地域生活支援センターの障害児(者)地域療育等支援事業のコーディネーターが中心となり,関連機関との連携を強化していくことを検討する。
D 親子の新しい生活を築くために,実家を出て母子生活支援施設を利用し,そこの母子指導員が中心となって関連機関と協力し,知的障害者としての支援も受けながら,新しい生活に向けたサービス利用を検討する。

1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○


問題 99 A子の就労支援に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A ジョブコーチによる支援を開始し,段階的にジョブコーチの役割を同僚や上司に移行するように支援する。
B A子の場合,職場での就業にかかわる支援だけでなく,日常生活への支援が重要との視点から,両者の支援を一体化した「障害者就業・生活支援センター」による支援を行う。
C A子の職場適応を図る視点から,障害者職業総合センターに職業カウンセラーの派遣を依頼し,A子に対するカウンセリングを定期的に実施する。
D 事業主は,障害者職業能力開発校に依頼して職場内で職業準備訓練を行い,A子の職場適応を図るよう支援する。

1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ×


問題100 A子に対する成年後見制度や地域福祉権利擁護事業の活用に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 後見人制度を利用するために費用がかかるので,任意後見の費用を補助する成年後見制度利用支援事業の活用を検討した。
B 日常的な金銭管理の課題を抱えているので,判断能力が不十分であるかを含めて,地域福祉権利擁護事業の活用を検討した。
C 知的障害が軽度のA子の場合,成年後見制度を活用しても「補助」類型となり,A子の衝動買いなどの問題に対しては効果が期待できない。
D A子の親亡き後対策という視点から,成年後見制度を活用するに当たって,親とともに,弁護士や社会福祉士などの専門職が「複数後見人」となり,身上監護を親から専門職へと徐々に引き継ぐよう支援する。

1 AB
2 AD
3 BC
4 BD
5 CD





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