精神保健福祉援助技術問題



問題51 医療機関における個人情報の取り扱いに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 遺族から診療録の開示請求があったので,個人情報保護法にのっとって,例外として開示手続を支援した。
B 退院後のデイケア利用に際して,病状悪化時の状態を知るため,病棟部門の診療録から情報収集した。
C 本人から委任された代理人が法定後見人ではなかったため,診療録の開示請求に応じなかった。
D 意識不明で緊急入院してきた患者について,関係機関に身元の照会を行った

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × × ○


問題52 「精神障害者の生活の質」の調査法に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A WHOQOL-26は,身体的領域,心理的領域,社会的関係,環境の4 領域,「全般的な生活の質」を問う質問項目2つからなる全26項目から構成されており,精神障害者にも用いることができる。
B クオリティ・オブ・ライフ評価尺度(Quality of Life Scale;QLS)は,入院中の精神障害者の生活の質を明らかにするために用いることができる。
C フォーカス・グループ・インタビューは,利用者が生活の質の向上のために専門職に何を期待しているかを明らかにするために用いることができる。
D グラウンデッド・セオリー・アプローチは領域密着型の質的研究法であり,精神科病棟での患者の生活の質に関する理論を生成するために用いることができる。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○


問題53 次の事例を読んで,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

〔事 例〕
 Fさん(女性,29歳)は,22歳のときに統合失調症になり,通院だけで服薬をしながら,A 事業所に勤務していた。26歳で結婚をして,出産を機に服薬が不規則になっていたこともあり,症状が再燃した。夫は仕事で休みがとれず困り果て,診療所の主治医に電話で相談してきた。Fさんは家事が手につかず,多弁多動な状態となり,入院の必要性が理解できず,夫や主治医が説得しても応じなかった。1 歳になる長女の育児環境も厳しく,近隣の義母が見かねて面倒を見ることになった。そして,義母からZ 市保健所の精神保健福祉相談員に相談があった。

A 病気を理解するために,Fさんに保健所が実施している心理教育プログラムに参加するように勧めた。
B Fさんの職場に病状を伝え,安心して療養できるように職場環境を調整した。
C 夫と義母に対して,医療保護入院の手続について説明した。
D Fさんの援助とともに家族への援助について,保健所や児童相談所などの専門機関とも連携しながら,チームで支援した。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 × ○ × ○
4 × × ○ ○
5 × × × ○


問題54 次の事例を読んで,Yさんからの相談を受けたN精神保健福祉士がYさんの了承を得て連携する専門職として次の記述のうち,適切でないものを一つ選びなさい。

〔事 例〕
 Yさん(男性,50歳)は,アルコール依存症で入院した後,生活保護を受け,退院後はアパートで一人暮らしをしている。就労にチャレンジしていた時期もあったが,現在は地域のセルフヘルプグループのリーダーとして精力的に活動をしている。近々,県レベルでの当事者が集まる大会も企画されていた。Yさんはこの頃疲れやすく,不安になって総合病院の内科を受診した。高血圧と糖尿病が発見され,入院するほどではないが,服薬と食事のコントロールや運動など生活改善の必要性を指摘された。Yさんは今の生活を維持したいと希望し,これらの生活習慣病をこれ以上悪化させないためにどうすればよいかと,精神病院のN 精神保健福祉士に相談してきた。

1 総合病院の管理栄養士
2 市町村の保健師
3 精神障害者福祉ホームB 型の指導員
4 訪問看護ステーションの看護師
5 調剤薬局の薬剤師


問題55 チームアプローチに不可欠な構成要素として,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 複数の組織又は人で構成される集団であること。
B 異なった専門職または多機関と連携すること。
C チームワークが機能できていること。
D 目標の共有と視点の一致があること。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○


問題56 次の事例を読んで,ストレングス・モデルによる援助として適切でないものを一つ選びなさい。

〔事 例〕
 Eさん(男性,58歳)は,統合失調症で入院して30年が経つ。病状は特に問題なく,何回か退院の機会があったが,本人の「絶対退院したくない」の一点張りで今日まできた。Eさんは身の回りの整理や金銭管理は苦手であるものの,趣味が多彩なこともあって,友人も多く,病棟の暮らしにすっかり満足しているようである。N精神保健福祉士の勤務するその病院では,「患者様第一に居心地のよい療養環境を提供する」ことをモットーとしていた。市の退院促進支援事業が始まったこともあり,N精神保健福祉士は,これまでと違った視点で改めて支援する決意を固め,Eさんと久しぶりに面接した。

1 Eさんに結果的に「絶対退院したくない」と思わせた援助者のかかわりを反省し,地域に利用できるさまざまな資源が生まれている状況を詳しく話す。
2 Eさんの夢や希望を引き出せるように,N精神保健福祉士が思うE さんの良さを対話を通じて率直に伝える。
3 Eさんの自己決定を尊重しつつ,退院して地域で暮らす方がE さんの趣味をもっと生かせるのではと提案してみる。
4 最近退院した患者さんに,病棟で「地域で暮らす」という講演をしてもらうなど,Eさんに退院の意欲が出てくる方法を考える。
5 Eさんの抱えている問題を改めて面接で確認し,退院に向けてその問題解決を図るように支援する。


問題57 精神保健福祉援助活動に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A リーガルモデル(legal model)は,司法の原理であり,人権の擁護と法秩序の維持を意味する。
B リフレーミング(reframing)とは,病気や障害によって失ったものを回復する過程のことである。
C リジリアンス(resilience)とは,否定的な意味を肯定的なものに変えるコミュニケーションの技術である。
D リンケージ(linkage)とは,ケアマネジメントの過程で,利用者のニーズを満たす社会資源に利用者を結びつけることである。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○


問題58 次の障害者基本計画策定委員会の会議場面で活用される援助技術のうち,正しいものの組み合わせ
を一つ選びなさい。

〔事 例〕
 精神保健福祉施策に熱心なG市では,市町村合併もあり人口もまもなく30万人に達する。そこで今後の重点事業を策定するための委員会が設置された。委員は,精神科医療機関,社会復帰施設,保健所,精神障害当事者の会,家族会,市民団体,社会福祉協議会などの関係者20名である。座長には学識経験者(精神保健福祉士)が選ばれた。社会資源が豊富なG市であるが,関係機関の意見がなかなか調整できず,その取りまとめが難航した。しかし,機関協働型の包括的地域生活支援プログラム(Assertive Community Treatment;ACT)チームの立ち上げを計画に盛り込むことで,合意が得られた。

A ソーシャル・ネットワーク
B ソーシャル・アドミニストレーション
C グループ・スーパービジョン
D ソーシャル・アクション

1 AB
2 AC
3 AD
4 BD
5 CD


問題59 次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A アルコール依存症の親をもつ子どもの精神的な問題への対応では,家族関係を視野に入れて支援することが重要である。
B 摂食障害などに悩む思春期の女性については,薬物療法だけでなく,家族の協力が不可欠で,セルフヘルプグループの活用も有効である。
C 不登校は精神病圏に位置づけられる問題であり,かかわるタイミングと優しい声掛けが基本である。
D PTSD(外傷後ストレス障害)は思春期に特有の適応障害であり,早期回復のためには危機介入的なアプローチが有効である。

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○


問題60 小規模作業所,精神病院,地域障害者職業センター及び公共職業安定所がチームを組んでAさんの就労支援を行った。このチームアプローチに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A チームの関係機関が集まり,地域障害者職業センターが実施した職業評価結果の報告を受け,今後のケア方針が決定された。
B 職場開拓に当たり,公共職業安定所が求人情報を,地域障害者職業センターが過去に就職した者の名簿と事業所一覧を持ち寄って,チームで検討した。
C 地域障害者職業センターが職業評価を,公共職業安定所が職場開拓と就職後のフォローアップを,精神病院が病状管理を主に担当することとした。
D 就労準備はAさんの希望により小規模作業所で実施することとなり,地域障害者職業センターが小規模作業所にプログラム内容についてのコンサルテーションを行った。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○


問題61 精神保健福祉士が行う援助過程に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 援助過程で獲得した利用者の能力やその程度を確認し,利用者と今後の生活について話し合う。
B 個別の援助過程の積み上げを通して,施設・機関の機能及び専門職の知識・方法の発展にも寄与する。
C 終結に当たっては,自らの主観的な感情は排除して客観的に援助過程を振り返る。
D 終結の時期の決定に際して,利用者である精神障害者の意思を優先する。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ ○ × ×
4 × × ○ ○
5 × × × ○


問題62 精神障害者の権利擁護に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 精神保健福祉士が日常的に行っている情報提供は,権利を擁護する重要な方法である。
B アドボケイトは当事者と利害の対立する機関や個人の間で,中立的な立場に立つことが求められる。
C 精神障害のある仲間がアドボケイトとして代弁する方法をセルフ・アドボカシーという。
D 直接サービスを提供している精神保健福祉士は,利用者のアドボケイトにはなりにくい。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○


問題63 精神科デイ・ケアに通っているEさん(男性,24歳)と面接したN精神保健福祉士が活用する面接技法に関する記述のうち,正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。

E:デイ・ケアをやめたいんです。
N:やめたいんですね。それは,深刻なようですね。もう少しお話を聞かせてください。
E:仕事を探そうと思っているんです。弟が就職して。お父さんから「おまえもがんばれよ」と言われて。
N:弟が就職して,お父さんから「がんばれ」と言われて,このままではいけないと思っているんですね。それで,がんばって仕事をしようと思ったんですね。
E:えー。そうなんです。でも,どうしたらいいか分からなくて。

A 明確化(clarification)
B 励まし(encouraging)
C 言い換え(paraphrase)
D 要約(summarization)

1 AB
2 AC
3 AD
4 BC
5 BD


問題64 援助過程に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 利用者自身が問題ととらえていることに耳を傾け,直面している生活問題やニーズについて明確にする。
B 利用者と出会う最初の局面では,問題の所在を明らかにするために客観的な情報の収集に焦点化する。
C 所属する施設・機関より別な施設・機関の方が適切な援助を行うことができる場合には,相手先の施設・機関と連携をとり委託する。
D 契約は,この援助過程が終結するまで継続し,変更が必要な場合は担当者を変えた新たな援助過程として始めることを原則とする。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○


問題65 SST(社会生活技能訓練)グループで精神保健福祉士がリーダーを務めるときに必要な留意点に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 基本訓練モデルで個々人の練習場面を設定する場合,参加者全員が共通に練習できる内容にする。
B 個々人の人格,そして自発性と創造性を尊重し,本人の意見を引き出す努力をする。
C 毎回のスタッフの振り返りでは,セッションの進め方や次回の打ち合わせ等を行う。
D 参加者からの正のフィードバックが得られるように,心掛ける。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○


問題66 精神保健福祉領域における地域援助技術(コミュニティワーク)の説明に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 地域社会の偏見・差別というバリアの除去や軽減が含まれる。
B 精神障害者の地域生活を支え,希望を実現していく機会や資源の開発が含まれる。
C 利用者個人に対して生活上のニーズを充足させるため,適切な社会資源と結び付ける。
D グループの力に依拠し,個々人が社会生活能力を高め,地域社会の問題に効果的に対処できるようにする。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○


問題67 次の文章の空欄A,B,C に該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。

 精神障害者の雇用機会を増大させるためには,精神障害者の雇用に際しての(A)を払拭し,あるいは,本人の円滑な職場適応を図る観点から,精神保健医療福祉施策や(B)との連携を図り,必要に応じて本人及び周囲への適切な支援を行いながら,(C)で訓練,ないしは試行的に雇用される機会をさらに増やしていく必要がある。
(出典:「精神障害者の雇用の促進等に関する研究会報告書」平成16年5月厚生労働省)

1 企業の不安―雇用均等施策―実際の職場
2 企業の不安―メンタルヘルス対策―実際の職場
3 本人の不安―職場定着推進チーム―授産施設
4 家族の不安―メンタルヘルス対策―授産施設
5 本人の不安―雇用均等施策―授産施設


問題68 精神保健福祉士による家族支援に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 心理教育プログラムは,地域でのネットワークづくりへの展開はないが,病気や対応方法に関する正確な知識を得るための治療グループとして実施する。
B システム論は,家族の機能不全を顕在化させるため,わが国では直接の支援として用いられていないが,家族機能への理解のためには重要な理論である。
C ナラティブ(物語)・アプローチは,家族の関係をそれぞれが語る物語からとらえようとする手法であり,主体性を尊重する支援である。
D アルコール依存症者の家族には,イネイブラー(enabler)として行動しないことを助言し,患者の飲酒行動のみにとらわれず,家族自身の人生にも関心を向けることを支援する。

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × × ○ ○
5 × ○ × ○


(精神保健福祉援助技術・事例問題1)
次の事例を読んで,問題69から問題71までについて答えなさい。

〔事 例〕
 Hさん(男性,28歳)は大学を出て,大手企業に勤めていたが,発病によって3年で退職となった。悪化時には激しい幻聴や妄想が出現するため,入院の経験も2回あった。いずれも仕事に就くことへの焦りから服薬を中断したのがきっかけである。退院後,医師の勧めでデイ・ケアを利用しているが,病気や障害の理解は少なく,もとの職場に戻りたいと訴えたりしている。デイ・ケアでは,考えがまとまらなくなったり,聞こえてくる声に気をとられて共同作業がはかどらず,疲れて横になってしまうこともある。家族とも葛藤があり,半年前から担当しているJ精神保健福祉士には「先月も父がアパートに来て,大金はたいて大学まで出したのに,親孝行もしないでブラブラ遊んでいると説教して帰った」と話していた。(問題69)
 そんなHさんが数日来所しておらず,心配したJ精神保健福祉士は自宅に電話をしてみた。電話では「3日前にパソコンを買ったのでかかりきりになって…明日は行きます」ということだった。翌日話を聞くと,月20万円の収入になる仕事があると誘われ,仕事の手始めにパソコンを買ったのというのである。Hさんの収入は月8万円の障害厚生年金のみである。支払いは通信教育教材をあわせて50万円,契約時に15万円,残金は月2万円の分割払いということであった。J精神保健福祉士は,Hさんの思いを受け止めながらも「悪質商法なのでは」と尋ねたが,取り合ってもらえなかった。3週間後,催促しても仕事がもらえず,困ったHさんから契約を解約したいという相談が2回あった。(問題70)
 その後,売買契約は解約したが,Hさんの落胆は大きく,徐々に自宅アパートに引きこもるようになりデイ・ケアにも来なくなった。J精神保健福祉士は,デイ・ケアの看護師とHさん宅を訪問したが,外をうかがうような落ち着かない様子で「誰かがアパートを監視していて外に出られないんですよ」と話している。窓も閉め切り,食事もろくにとっていないような状態で,デイ・ケアに来て欲しいといっても全く聞き入れる様子はなかった。数日後,Hさんは身体も衰弱し,本人自ら入院した。(問題71)


問題69 J精神保健福祉士による支援についての次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 働けない罪悪感を軽減し,家族に受け入れてもらうために,福祉工場で収入を得ることを勧める。
B Hさんの話を聞き,生い立ちや家族への思い,元の職場へのこだわりについて受け止める。
C 信頼できるデイ・ケアメンバーに事情を打ち明け,Hさんに対して病気や障害とつきあいながら生活してきた体験について話してもらう。
D Hさんの意向を踏まえて,働きたいけれど働けない本人の状況について,父親に説明する。

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○


問題70 Hさんが売買契約を解約する場合のJ精神保健福祉士の支援として,次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 国民生活センターに通報し,Hさんの契約について取り消しを依頼する。
B 運営適正化委員会に対して,Hさんの受けた消費者被害について苦情を申し立てる。
C Hさんに売買契約書を見せてもらい,どんな説明を受けたかを確認した上で事業者に直接連絡をとる。
D パソコン売買契約が解約になった時点で,「特定商取引に関する法律」に基づき,簡易裁判所に事業者の行政処分を求める。

1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ×

問題71 J精神保健福祉士のHさんへの支援に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 解約になった時点で,パソコン活用の仕事は困難であることを直面化させるために面接する必要があった。
B 解約になった時点で,落胆や焦りの気持ちを受け止めるための面接を約束しておく必要があった。
C デイ・ケアに来なくなった時点で,民生委員に支援を依頼する必要があった。
D 病状の悪化を防ぐための支援について主治医と相談しておく必要があった。

1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×


(精神保健福祉援助技術・事例問題2)
次の事例を読んで,問題72から問題74までについて答えなさい。

〔事 例〕
 Sさん(女性,48歳)は統合失調症で15年近く入院した後,同じ敷地内に2年前に設置された福祉ホームB型「Uホーム」に半年前に入居してきた。Sさんの病状は以前から安定していたが,既に両親は亡くなり弟夫婦の受け入れも困難であったことや,一人暮らしの経験がなく,単身生活への不安が強いことなどが入居理由であった。施設長との面接で約束事項を含む利用契約を確認した上で,入居した。(問題72)
 Sさんは日中,隣接するデイナイトケアに週3日通うかたわら,近くのスーパーに週2回パートで勤めている。彼女の実家が食堂を経営していたこともあり,料理がうまく,コミュニケーションも上手な明るい人柄で,女性の少ないUホームでは,みんなの人気者であった。ホームでの生活が順調にいっていたかに見えたそんなSさんにある日大きな出来事が生じた。最近Uホームでは,入居者の苦情に関する相談箱「利用者の声」を設置した。職員のM精神保健福祉士は,施設長からすべての投書に目を通し,苦情窓口担当者として対応するように指示された。(問題73)
 ある日,「SさんとPさん(男性,55歳)がベタベタして迷惑」云々という投書があった。施設開設時から入居しているPさんは大人しい人柄であるが,最近,糖尿病性神経障害を患っており,金銭の管理ができず,自炊能力に欠ける。家族もいないことから退所後の計画では,救護施設への入所を申請し待機中の状況であった。Sさんとの付き合いは密かに始まっていたらしく,この投書がきっかけで苦情窓口担当者であるM精神保健福祉士は,2人に適切な交際にとどめるように注意した。翌日,夜半に「Sさんと他の入居者がつかみ合いの喧嘩をしている」との連絡が当直者にあり,相手が少し負傷したことでその原因になったSさんは施設を退所となり,病院に戻ることになった。Pさんもこの事件がきっかけで最近元気がなかったが,Sさんが近いうちに病院を退院してアパート生活をすると聞いてから,救護施設ではなく在宅が良いと言い出している。(問題74)

問題72 S さんとUホーム側が取り交わした利用契約の中で,退所事由に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 意欲面の障害や逸脱行為の病状がある場合
B 施設が決めたプログラムや行事に個人的な理由で参加しない場合
C 他の利用者に著しく迷惑になる行為や相手を傷つけるような喧嘩をした場合
D Sさんからの退所の申し出があった場合

1 AB
2 AD
3 BC
4 BD
5 CD


問題73 M精神保健福祉士のUホームにおける「利用者の声」投書への対応に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 小さな問題はその都度施設の回答を掲示で返し,大きな問題は入居者のミーティング等で話し合う。
B 投書の際は必ず名前を記載してもらい,投書者に対する個別の面接で丁寧に対応する。
C 投書はすべてそのまま掲示し,必ず施設側の回答を示す。
D 施設に対する苦情解決のために第三者による委員会の設置を検討する。

1 AB
2 AD
3 BC
4 BD
5 CD


問題74 Pさんの在宅での支援計画に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 今後の退所を目指して,苦手な金銭と食事の管理の指導をする。
B 生活習慣病の管理のために,退所後は訪問看護サービスの利用も検討する。
C Sさんとの同居も視野に入れながら,Pさんの意向を汲んで計画を立てる。
D  Pさんが希望している在宅生活に向けて,自立生活を送るための就労支援プログラムを勧める。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○


(精神保健福祉援助技術・事例問題3)
次の事例を読んで,問題75から問題77までについて答えなさい。

〔事 例〕
 地域生活支援センター(以下「センター」という)のP精神保健福祉士は小規模作業所(以下「作業所」という)に通所しているというEさん(男性,45歳)から電話で相談を受けた。Eさんの話はあちこちに飛び,概略を理解するのにかなりの時間を要した。内容を整理すると,作業所や病院で知り合った仲間数人と「気軽に集まって楽しめる場を作りたい」と話し合っているが,協力してもらえないかということのようだった。センターのことは,仲間の口コミで少しは知っていたが,電話するまでには,かなり時間と勇気を要したとのことだった。(問題75)
 結局センターの一角を借り,活動を開始した。その3年後,P精神保健福祉士はリーダーであるEさんとサブリーダーのFさん(男性,35歳)から相談を受けた。「センターは居心地がいいし,憩いの場としての役目を十分果たしている。だが今後は,精神障害者への理解を広める活動を始めたい。その一歩として,街中に活動の場所を確保したいのだが…」と。EさんとFさんを中心とする男性メンバー6名と,P精神保健福祉士がサポーターとなり,新たな活動の準備が始まった。まずは,場の確保が課題としてあげられた。話し合いの結果,地理的にも便利で,老人クラブや障害者団体等へも場を提供している,市の地域福祉センターが候補としてあがった。EさんとFさんとP精神保健福祉士で,市の担当課に相談に行き検討を依頼した。しばらくして,「老人クラブ会員の中で,一緒の場所で活動はしたくないので,他でやって欲しいとの要求が出ているので困っている」といった老人クラブ代表者からの相談があった旨,市の担当者からP精神保健福祉士に対して電話での報告があった。(問題76)
 新たな活動のことは,関係機関スタッフやボランティアの協力もあって,ある程度市民も知るところとなり,地元の新聞社からEさんへ取材の申し込みがきた。Eさんは,家業を継いでいる弟家族のことを気にかけ,P精神保健福祉士に「取材を受けるか否か,悩んでいる」と相談してきた。(問題77)


問題75  Eさんからの電話相談時のP精神保健福祉士の対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 話があちこちに飛ぶのは病状悪化によるものなので,通院や服薬の状況を尋ねる。
B 作業所に通っているメンバーが主なので,作業所指導員に中心になって協力してもらうように勧める。
C 電話をかけてくれた気持ちを理解し,思いを受け止める。
D これまで地域生活支援センターを利用したことがないので,一度来所するように促す。

1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×


問題76 市の担当課から連絡を受けた直後のP精神保健福祉士の対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 老人クラブの代表者に対して,「精神障害者も地域福祉センターを利用する権利がある」と直ちに電話で抗議する。
B 一部の団体から反対が出ているので,別な場所を探そうとEさんとFさんに提案する。
C P精神保健福祉士が,関係機関のスタッフを招集し,団結して市の担当部署の上司に苦情を申し立てる。
D 事実をEさんやFさんに伝え,ミーティングの開催を依頼し,今後の対応についてメンバーと検討する。

1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × × ○


問題77 Eさんの相談に関するP精神保健福祉士の支援に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 記者の報道目的や関心事をよく聞いた上で,新聞記事の内容確認ができるかどうかを十分に確かめてから,改めて考えてみるように助言する。
B  記者の取材時にEさんがカミングアウトする意向のある場合には,匿名性を保つ必要があるかどうかも,弟家族とよく話し合うように助言する。
C  活動の場に関することは相談にのるが,個人的な悩みはつきあいの長い作業所指導員や病院のスタッフにするように助言する。
D  新たな活動を推進するためには,多くの人に精神障害者の状況を理解してもらうことが大切なので,記者の取材に対しては迷わずリーダーの責任において対応するように勧める。

1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 ○ × × ×
5 × × ○ ○


(精神保健福祉援助技術・事例問題4)
次の事例を読んで,問題78から問題80までについて答えなさい。

〔事 例〕
 Kさん(男性,32歳)は,大学を卒業して大都市にある事務機器販売会社の営業マンとして就職した。初めての都会での単身生活に慣れず,営業活動のストレスも抱えながら働く毎日であった。就職して2年目の夏頃,朝起きることが辛く,遅刻,欠勤が徐々に増え,秋には欠勤が続いたので,会社の勧めもあって精神科を受診した。その結果,うつ病の診断で実家近くのM精神病院に3か月間入院となった。退院してから復職した数年間は,同じ営業の仕事を続けていた。しかし再び,うつ状態になったためM精神病院に再入院した。入院してから3か月が経ったころには,うつ状態の改善が多少見られたものの寛解には至らず,6か月を過ぎても状態像は改善されなかったが,「早く復職したい」と訴えるようになり,退院と復職に向けた準備のためにW精神保健福祉士がKさんの支援担当者となった。(問題78)
 退院後のKさんは,通院治療を受けながら復職を目指したが,「やはり営業マンには向いていない」と復職を断念した。そして,いくつかのアルバイトを試みたが続けることができなかったので,N授産施設に通い始めた。N授産施設では同年代のHさん(男性,33歳)と仲良くなり,毎日楽しそうに通所していた。しかし,6か月を経た時期になって「製品の袋詰め作業が単調でつまらない」と訴え,遅刻や休みが目立ち始めた。この頃,友人のHさんが,N授産施設のS精神保健福祉士と公共職業安定所の支援を受け,ガソリンスタンドに就職した。Hさんが就職したことで,Kさんは再び就職したいと思い始め,「そろそろ就職活動を始めたい」とS精神保健福祉士に就労支援を求めてきた。(問題79)
 その後Kさんは,Hさんが勤めている特定求職者雇用開発助成金制度を活用していたガソリンスタンドに就職できた。だが就職して1か月後,働く環境の変化による緊張で,仕事上のミスを重ねてしまったことから,仕事帰りにN授産施設へ立ち寄ったKさんが,S精神保健福祉士に「このままでは辞めさせられるかも知れない」と訴えてきた。(問題80)

問題78  Kさんの訴えを聞いたW精神保健福祉士による支援に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A  Kさんの早く復職したいという思いを受け止め,復職に向けての具体的な段取りを話し合う。
B  Kさんの意向を受けた復職支援のために事務機器会社に出向いて,産業医や労務担当者と相談する。
C  病状も改善されてきたため,公共職業安定所の障害者職業紹介担当窓口に一緒に相談に行く。
D  Kさんの了解を得て,労働基準監督署に労働者災害補償保険の労働災害補償給付受給の相談に行く。

1 AB
2 AC
3 BC
4 BD
5 CD


問題79  Kさんの就労支援におけるS 精神保健福祉士の対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A  授産施設における欠席状態が改善しなければ就職は難しいと考え,「まずは休まないで通えることを目標にしましょう」と提案する。
B  今の調子で無理して就職したら体調を崩すのではないかと心配なので,「私が主治医に就職の可能性について聞いてみましょう」と提案する。
C  休みが多いことは心配であるが,Kさんの希望が強いので,「まずは一緒に就職の可能性を探っていきましょう」と提案する。
D  Kさんの希望が強いので,「私が主治医に就職活動に入ることを報告しておきますので,一緒に公共職業安定所に仕事を探しに行きましょう」と提案する。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×


問題80  Kさんの訴えに対するS精神保健福祉士の支援に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A このままではKさんが退職になってしまう可能性があっても,秘密保持の原則を守るために,職場の上司には話さないようにする。
B 公共職業安定所をKさんと一緒に訪れて担当者を含めて話し合い,精神障害者職業相談員による職場適応指
導(アフターケア)を依頼する。
C 地域障害者職業センターにKさんと一緒に行き,ジョブコーチ支援事業を活用し,ジョブコーチによる就職後の職場支援を依頼する。
D 一時的に退職してもらい,授産施設で1,2か月体調を整えた後,同じガソリンスタンドに再就職する。

1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 × ○ ○ ×
4 × × ○ ○
5 × × × ○





あなたは 人目の訪問者です。