精神科デイケアにおける診療報酬算定基準に
ついて
当HPに訪問してくださっている方からの質問を受けて、算定基準の書籍を借りて本格的に調べてみました。
さて、まずは質問の内容から。
「デイケア」に関してですが、週に何回利用できる、という規定があるのでしょうか。第8回の問題のリハビ
リ学で、それを問う出題があったのですが、久美出版の解説を見ましたら、利用3年を過ぎれば週5回まで算定、とあります。しかし、実際には毎日、つまり週
7回デイケアに通うことも可能ですよね。3年を目処に日数が制限されるというのも聞いたことがありません。この問題も、久美出版の参考書の解説もわからな
くて、知り合いのPSWに聞いたら、デイケア日数に特に規定はないと言われました。この問題の解説はどういう意味なのでしょうか?
実際のところはどうでしょう…。
過去問は、週3日しかデイケアを受けられない、という問題だったのですがそんなことはありません。ただ、久美出版の参考書の解説はもう一歩踏み込んで解
説しているようですね。
「当該療法を最初に算定した日から起算して3年を超える期間が行なわれる場合には週5日を限度として算定
する。」と。
なぜかこんなところまで解説してくれています。奥深いですね。出題者の意図とは大きくかけ離れた解説な気がします。ここまでPSWの国家試験で求められ
るか…といえば、さすがにここまではでないでしょう。
本題に戻りましょう。結局は3年以上利用している人は、5日以上は利用できないような書かれ方ですが、別に問題はないんです。まして患者さんの負担も増
えません。後ほど、算定について詳しく書きますが、3年を超える患者さんが5日以上利用した場合には、算定できないため、病院が損するだけなんですよ。だ
から5日以上のプログラムは組まないのが普通なんです。
<算定(1日につき)>
小規模 550点 大規模 660点
※当該療法を最初に算定した日から起算して3年を超える期間が行なわれる場合には週5日を限度として算定する。
(1)精神科デイケアは、精神障害者の社会生活機能の回復を目的として、個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであり、実施さ
れる内容の種類に関わらず、その実施時間は患者1人当たり1日6時間を標準とする。
なお、この実施に当たっては、患者の症状等に応じたプログラムの作成、成果の判定に万全を期する。
(2)精神科デイケアは入院中の患者以外にの患者に限り算定する。ただし、精神科デイケアを算定している患者に対しては、同一日に行なう他の精神科専門療
法は、別に算定できない。
(3)同一の保険医療機関で精神科ショートケア、精神化デイケア、精神科ナイトケアまたは精神科デイナイトケアを開始した日から起算して3年を超える場合
には、精神科デイケア等の実施回数に関わらず、算定は1週間に5日を限度とする。
(4)同一の患者に対して同一日に精神科デイケアと精神科ナイトケアを合わせて実施した場合には、精神科デイナイトケアとして算定する。
<おまけのQ&A>
@同一医療機関でデイケアを開始した日から起算して3年を超える場合に算定制限が設定されたが、別の医療機関から紹介された患者でデイケアを継続して実施
している場合も、当該医療機関での開始日から起算すればよいか?
⇒当該保険医療機関における開始日を起算日とする。
Aデイケアを開始したが、3ヵ月後に通院できなくなった、その1年後に再びデイケアを施行し始めた場合でも、当該医療機関での開始日から起算することにな
るのか?
⇒当該保険医療機関における開始日を起算日とする。
B同一の医療機関でデイケアを開始した日から起算して3年を超える場合に算定制限が設定されたが、一旦治癒した患者に再度デイケアが必要となった場合も、
最初に当該デイケアを算定した日から3年を超えている場合は1週間に5回を限度として算定すると考えてよいか?
⇒よい。当該保険医療機関における開始日を起算日とする。
C3年以上実施している患者について、週5日までとなったが、週5日以上実施してはいけないということか?
⇒算定は週5日を限度とするが、実施することは差し支えない。
D平成16年3月31日以前に既に開始日から3年が経過している患者についても4月1日以降の算定は週5回までと考えてよいか?
⇒そのとおり。
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