重要人名Part4
<牧 賢一>
◆セツルメント活動や雑誌『社会事業』の編集などに携わり,戦後は全国社会事業協会の事務局長として活躍した。『コミュニテイ・オーガニゼーション概論』
(1966年)
<マズロー>
◆アメリカの心理学者。
◆欲求の階層説を提唱し,下位の欲求が満たされると上位の欲求が生じると考え、なかでも最高層の自己実現欲求を最も重視した。
<マレー>
◆アメリカの心理学者。人格は欲求と外的圧力との関係によると考え,主題統覚検査(TAT)を創案した。
<マートン>
◆アメリカの社会学者。『社会理論と社会構造』(1957年)
◆中範囲の理論を主張し,知識社会学における科学の社会学を提唱した。
◆逆機能,潜在的機能・顕在的機能などの概念を明らかにし,さらに逸脱理論,官僚制論,マス・コミュニケーション論などを展開し,その研究は多岐に及ぶ。
<マードック>
◆アメリカの文化人類学者。『社会構造』(1949年)
◆家族を核家族,拡大家族,複婚家族の3つに分類し,約250の民族の家族形態について調査を行い,核家族は時代と地域を超えて人類社会に普遍的に存在し
ていたと主張した。
◆家族の機能については,性,経済,生殖,教育の4つを指摘した。
<マルクス>
◆ドイツの社会主義者。『共産党宣言』(1848年)※エンゲルスとの共著、『資本論』(1867〜94年)
◆エンゲルス(Engels,F.)とともに史的唯物論の思想体系を確立し,階級社会の構造,資本主義社会の運動法則を剰余価値説に求め,階級闘争による
社会主義革命の必要性を説いた。
<マッキーバー>
◆イギリス出身のアメリカの社会学者。『コミュニティ』(1917年)
◆集団の関心のあり方に着目し,自生的な地縁的結合による共同生活の場としてのコミュニティと,特定の関心・目的を追求するために人為的に結成されるアソ
シエ−ションとに分類した。
⇒家族の三機能説
◆家族でしか果たせない機能=@性欲求の安定的満足、A生殖と子どもの養育、B温かい家族の団欒
<マンハイム>
◆ハンガリー出身のドイツ,イギリスの社会学者。『イデオロギーとユートピア』(1929年)『変革期における人間と社会』(1935年)
◆知識社会学の見地から大衆社会論を提唱し,「自由のための計画」を力説した。
また,イデオロギー概念を研究し,人間の意識や知識は,その担い手のおかれている歴史的・社会的位置などによって制約を受け拘束されているとし,これを存
在被拘束性と呼んだ。
⇒甲羅のない蟹
◆外圧からの防壁(=甲羅)がないために、ナチス全体主義イデオロギーが個人の中にスムーズに入り込む。そのため、逆の安定を求めて、大衆の多くが積極的
にナチスに加担した、とする説
◆ナチスドイツ下の大衆の不安定な心理状態をさす言葉(335)
<マルサス>
◆イギリスの経済学者。『人口の原理』(1798)
◆貧困の原因は人口の増加にあるとし、生活困窮者に対する救済は怠惰な気持ちを助長し、自助の精神を失わせるとして抑制すべきであると説いた。
◆その考え方は、イギリス「新救貧法」の処遇原則である均一処遇・劣等処遇・労役場の理論的根拠とされた
<三浦 文夫>
◆福祉ニーズという視点から,要援護性が何らかの形で集合的・範疇的に現れ,この要援護性の回復・改善を行う必要があると社会的に認められたものが社会福
祉の対象になると提起した。
<ミルズ>
◆アメリカの社会学者。『パワー・エリート』(1956年)
◆大衆社会化したアメリカの権力構造を分析して,経済・政治・軍事の3つの制度的秩序の頂点に立って,相互に密接な関連を持ちながら支配的地位を占めてい
る人々をパワーエリートと称した。
<ミル>
◆19世紀のイギリスの哲学者で,功利主義思想の大成者。『自由論』(1859年)
◆選挙権の拡大による代表制民主主義の実現を主張し,自由民主主義思想の先駆けとなった。
◆また,古典派経済学の論者としても著名である。
<ミード>
◆アメリカの社会哲学者。『精神・自我・社会』(1934年)
◆自我は,言語などの象徴を媒介としたコミュニケーション過程により,他者の期待を自らのうちに取り入れる役割取得を通じて具体的に形づくられるとした。
◆この理論は社会的行動主義と呼ばれ,象徴的相互作用論に大きな影響を与えた。
<ミラーソン.G>
◆専門職の特性…@理論的知識に基づく技能A訓練と教育B試験による証明C行動基準を守るD公共の福祉に役立つE専門職としての組織化
<メイヨー>
◆オーストラリア出身のアメリカの社会科学者,臨床心理学者。『産業文明における人間の問題』(1933年)
◆ホーソン工場における実験で,作業能率の向上には賃金や照明度,休憩時間だけでなく,労働者の感情への配慮が必要であり,労働者の感情的協力にはイン
フォーマル組織が関与していることを発見した。
<モレノ>
◆オーストリア及びアメリカの精神病理学者,心理学者。
◆心理劇(サイコドラマ)により心的葛藤を表現する集団的心理療法を創始。
◆また,選択―排斥関係をもとに集団内の相互作用をみるソシオメトリーを提唱し,ソシオメトリックテストを考案するなど,社会集団の分析的方法の創始者で
もある。
<森田 正馬>
◆精神療法である森田療法の創始者。これは,神経症をヒステリーと神経質に分け,後者を克服するための独特な治療法である。
<矢島 楫子(やしま・かじこ)>
◆廃娼運動や矯風事業などにより売春廃止を目指す日本キリスト教婦人矯風会を創設し,廃娼運動・禁酒運動などを推進した。
◆1920年に興望館セツルメントを開設。
<矢吹 慶輝>
◆仏教社会福祉の先駆者。『三段教の研究』
◆慈善組織化運動やケースワークをわが国に紹介した。
<山田 ワカ>
◆大正から昭和にかけての婦人運動家。母子保護法の制定に貢献した。
<山室 軍平>
◆『平民の福音』(1899年)
◆神学者。イギリスのプース(Booth,W.)の影響を受け,わが国に救世軍を創設した。
◆出嶽人保護,廃娼運動,児童保護などの社会事業にも関わり,多くの分野で先駆者として貢献した。
<ユング>
◆スイスの精神分析心理学者。
◆心的エネルギーの向かう方向によって,人間のタイプを外向型と内向型に分類した。
◆また,無意識について,個人的無意識と普遍的無意識に分けられると主張した。
<ラスウェル>
◆アメリカの政治学者。『精神病理学と政治学』(1930年)『権力と人間』(1948年)
◆フロイト(Freud,S.)の精神分析学の方法を政治学に導入し,マス・メディアの政治的利用などのマス・コミュニケーション研究,権力とパーソナリ
ティの相互作用についての心理学的研究,エリートによる大衆操作に基づく政治過程論など多くの分野で先駆的業績を残した。
<ラウントリー.BS>
⇒『ヨーク市の貧困調査』◆貧困=社会的要因に基づく
<リンド夫妻>
◆アメリカの社会学者。『ミドルタウン』(1929年)『変貌期のミドルタウン』(1937年)
◆アメリカの小都市で参与観察法(観察者が被観察者と同じ社会生活を体験しながら観察する方法)による調査を共同で行う。
◆同研究は,階層構造や権力の視点から地域社会が分析されており,コミュニティ研究の先駆とされている。
<リースマン>
◆アメリカの社会学者。『孤独な群衆』(1950年)
◆人々の同調様式の違いに注目して,社会的性格を伝統指向型,内部指向型,他人指向型の3つに類型化した。
◆このうち,他人指向型を現代大衆社会における典型的な類型として捉え,ユートピア提示による自主性の回復を主張した。
<リントン>
◆アメリカの文化人類学者。『パーソナリティの文化的背景』(1945年)
個人・社会・文化の相関に基づき,心理学・社会学・人類学を総括する人間科学を構想。
パーソナリティ形成における文化の役割に注目するとともに属性主義・業績主義を定義づけた。
⇒社会的地位の概念化における分類
◆「属性主義」…個人の資質や能力の差異とは関係なく、性別、年齢、出自、人種、民族、階級、カーストetc
個人の能力ではどうにもならない属性により、社会的地位が規定される。業績主義」…個人の能力や努力により、業績の帰結として社会的地位が規定される
◆近代化が進んだ社会ほど業績主義が優位となる(432)
<リッチモンド, M>
◆個別援助技術の過程を、社会調査、社会診断、社会治療の3つに分類し、援助は計画的に行われることを定義した。
◆人々を貧困から救済するための、徹底した調査に基づく救済計画の必要性と、社会改善および社会的施策の重要性を訴えた。
<ルーズベルト,F.D>
◆アメリカ第32代大統領
◆世界大恐慌とそれに続く長期不況のため深刻化する貧困問題の対策として、救済・回復・改革を目的とするニューディール政策を断行し、その一環として、
1935年に社会保険と公的扶助からなる社会保障法を制定した。
<レヴイン>
◆ドイツ及びアメリカのゲシュタルト心理学者。
◆学習を認知構造の変化と捉え,行動は人格と環境の相互作用によって決定されるとする場の理論を提唱した。
◆グループ・ダイナミックス(集団力動)という言葉を最初に用い、理論的基礎を確立したのはドイツのレヴィンであり、後に彼はナチスの迫害を逃れてアメリ
カに渡った。[U 118]
<レッドフィールド>
◆アメリカの人類学者。『ユカタンの民俗文化』(1941年)
◆メキシコのユカタン半島において,部族社会,農村,町,都市の4つの集落を比較調査し,民俗社会から都市社会への変化を連続的に捉える民俗・都市連続体
説を唱えた。
<ロジャーズ>
◆アメリカの心理学者。
◆来談者中心療法を提唱し,カウンセリング・マインドの概念(無条件の積極的関心・自己一致・共感的理解)を確立した。
<ローレンツ>
◆ドイツの動物学者。初期経験と臨界期に関する研究が有名である。
◆カモを用いた実験によりインプリンティンク(刻印づけ、刷りこみ)を提唱した。
⇒刷り込み現象
◆ひな鳥の生後の早い段階の経験で成立する追尾学習行動
◆目の前で動くモノ(通例は親鳥)が脳に刷り込まれるor刻印づけられるように、神経回路が成立する現象
◆初期経験の重要性、愛着行動の形成と関連している
<ロック.J(英)>
◆イギリスの経験主義の哲学者。連想心理学の先駆者の一人
<ワトソン>
◆アメリカの行動主義心理学者。人間の行動を対象とし,客観的観察を方法とする行動主義を提唱した。
◆彼は条件反射の研究により,刺激Sと反応Rの間の法則関係(S−R法則)を明らかにした。
<ワース>
◆ドイツ出身のアメリカの社会学者。
◆都市コミュニティに関心を寄せ,アーバニズム(都市に特徴的な生活様式)の理論を提唱し,都市社会学の発展に大きな業績を残した。
<ワイナー.B>
◆課題達成の成否に対する帰属の要因=「能力」「努力」「課題の困難度」「運」etc
◆達成動機の高い人…成功を自分の能力や努力に帰属させ、失敗を自己の努力不足に帰属させる傾向をもっている⇒努力をすれば何とかなるという期待をもちや
すく、動機づけを高い水準に維持できる。
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