履歴書の作成はお早めに
since:2012/01/15
lastupdate:2012/01/15
求人票をチェックして、応募を決めたら履歴書の作成です…という状況では遅すぎます。履歴書に記載する内容なんて、不変的は部分がほとんどで、実際に応
募段階で記入すべき項目はわずか。大学の生協等で購入するオリジナルの履歴書を使う方もいれば、市販の履歴書を使う方もいるでしょうが、氏名や住所、学
歴、資格の部分は余程のことがない限り、数ヶ月程度で変わるものではありません。私の場合には、大学オリジナルの履歴書をしましたので、趣味や得意な科
目、卒論のテーマ、ボランティア経験なんて項目もありましたが、この辺りも事前に作成可能だったため、4年時の4月頃に大まかな概要を作成しておきまし
た。実際に、応募段階で考えたのは志望動機くらいですね。
さて、では具体的な履歴書のアドバイス…ですが、実際にはインターネット上で検索を掛ければいくらでも出てきます。書籍も沢山発売されていますしね。た
だ、インターネットや書籍は民間企業向けの履歴書の書き方が中心で、医療・福祉分野を志す学生向けの内容は僅かな気がします。そこで、簡単ではありますが
書き方のコツを説明していきたいと思います。ちなみに用紙の使い方や記入方法のようなごく基本的な説明は割愛させていただきますので。。。
さて最初に言っておきますが、鉛筆での下書きは避けて下さい。履歴書を見ていると、明
らかに下書きしてから黒インクのボールペン等で書いたなというのが分かります。綺麗に消したつもりであっても、結構分かるものです。履歴書は、採用側が一
番最初の手にするアナタの情報です。たかがA3用紙1枚程度なので、失敗したら書きなおすつもりでいきなり黒インクで記入して下さい。
では具体的な内容に関する点に触れていきましょう。上に添付した履歴書の画像は一般的に市販されている履歴書に近いものですが、学生の多くは大学等の履
歴書を使うことが多いと思います。志望動機やら卒論やら…面倒ですね。そんな項目を如何に相手を引き付ける内容に纏めるかが大切になります。
(1)
志望動機
履歴書で一番大切な項目であり、一番書きにくい項目でもあります。なぜ志望したのか…求人が出ていたから?通勤が便利だから?給料や休みがいいから?こ
んなことは書けませんね。しかし、求人情報だけで、どんな企業(法人)かが分かるわけありません。実習でお世話になったところであれば、「実習中にとても
魅力を感じたので…」と書けば、もっともらしい理由になりますね。ただ、縁もゆかりもないようなところに応募する人も少なくはないと思います。東証1部に
上場されるような企業であれば、情報の入手は用意かもしれませんが、医療福祉分野の企業では、就職説明会やパンフレット程度の情報しか入手できません。で
すから、ホームページに載せている理念を丸写しにしてくる応募者も少なくはないですし、そんなのはある程度は想定しています。
ここで、他の応募者と差を付けたいなら、「自分が経験してきた具体的なエピソード」と
結び付けて志望動機を書いてみて下さい。例えば、「祖父が末期ガンと宣告されて、毎日痛みと闘いながら病院のベットで苦しんでいる姿が忘れられなかった。
そのような患者の苦しみや家族への支援をしたいと考え、医療機関のソーシャルワーカーとして働きたいと思った」などの内容が書かれていると、採用側の人間
は食いつきたくなります。
(2)
得意な科目・卒業論文
たまに得意科目の欄に「国語」とか「理科」とか書いてくれる応募者がいますが、これはさすがに痛い履歴書ですね。学生のバイトの面接ではないのですか
ら、もう少し考えて欲しいと思います。4年間大学で専門的なことを学んでいるのですから、応募先にマッチするような科目を書くのが一般的でしょう。高齢分
野であれば、「老人福祉論」や「介護福祉論」のような科目、障害分野であれば、「障害者福祉論」などの科目、医療機関のソーシャルワーカーを目指すなら
「社会保障論」や「精神保健福祉論」「精神科リハビリテーション論」などの科目を上げるといいと思います。もちろん実際は苦手でも構いませんが、「こんな
ところに興味を持った」「こんな内容を一生懸命勉強した」など一言で構わないので書いておくとよいと思います。
また、私の出身校では近年は卒業論文が選択科目となっているようですが、採用試験を担当する年配の方は「学生=卒論」という方程式が出来上がっている人
も少なくはありません。卒論のテーマを聞かれて、「書いていません」では、この学生はきちんと勉強していたのかな?と思われてしまいます。まだまだほとん
どの大学では卒業論文は必須科目であるため、例え選択科目であったとしても、卒論は書いておいた方が無難だと思います。
(3)
趣味・特技
趣味なんてと思うかもしれませんが、案外チェックする項目です。良く見られる内容が、音楽鑑賞や読書ですが、こんなのは見ても突っ込む気すらなくなりま
す。他にはカラオケや旅行、ドライブなんかも多いですね。趣味を大別すると、「一人でやるもの」と「友人等とやるもの」に分けることが出来ます。工場で機
械を相手にする仕事なら、趣味は仕事以外のことなのであまり必要はありませんが、人と接する仕事なので友人等と楽しめる趣味がある人の方が若干印象が良く
なります。「友人と旅行」や「地域のサッカーチームに定期的に参加」なんかが無難なところでしょうね。
それと、特技も重要になります。「病院の相談員をやりたいからパソコンは使えなくてもいいや」みたいな考えでは、せっかくのチャンスも逃すことになりま
す。学生時代にパソコンの授業は必須となっている状況ではあるものの、民間企業を目指す学生とは違い、医療福祉の業界ではパソコンを使いこなせる人はほと
んどいないのが実情です。少ない募集枠に何としても入り込みたいなら、「ワードやエクセル、パワーポイントの基本的な項目は使え、ホームページも作れま
す。」くらいの項目を書いておけば、カナリのプラス要素になります。実際に使えなかったとしたら、採用前までにパソコン教室などに通ってマスターすればい
いわけですからね。
(4)
資
格
新卒の場合を想定していますので資格を書くとすれば、社会福祉士や精神保健福祉士国家試験受験資格取得見込、普通自動車運転免許、あとは高校時代などに
取得するような簿記くらいでしょうか?ちょっと余裕があるなら、ファイナンシャル・プランニング技能士なんかを4年時に取得してもいいかも。医療、年金な
どに関連する項目もありますので、社会福祉士国家試験の対策にも十分なります。3級なら合格率も60%程度なので、知識を広げるという意味で取得しても損
はないでしょう。
(5)
ボ
ランティア等
最近のカリキュラムではボランティア経験を単位として認める大学も多くなってきています。ただ、自分から積極的にボランティアをやろうと思って活動した
のか、嫌々活動したのかでは大きな違いとなります。仮に嫌々やったとしても、自分はボランティア活動を通してこんなことを学んだ、経験したということがア
ピールできるように肉付けしておけば問題ないと思います。私の学生時代には「震災時の障害者支援のボランティア」はまだまだ活動している人も少なかったた
め、かなり面接時に喰いついてもらえましたが、「東日本大震災のボランティア」という内容はあまり面接官からは触れてもらえないかもしれません。こんなこ
とをしましたと一言付け加えておきましょう。
他にもいろいろと頭を悩ませながら考えることになると思いますが、履歴書は採用側が一番最初の手にするアナタの情報です。面接時に自分を積極的にアピー
ルできるように、一生懸命頭を悩ませて書いてみて下さい。