自立支援医療について


厚生労働省は18年4月からの自立支援医療について次のように解 説しています。


制度間の負担の不均衡を解消
 ○  医療費のみに着目した負担(精神通院医療)と、所得のみに着目した負担(更生医療・育成医療)を、「医療費と所得の双方に着目した負担」の仕組みに統合します。

 ○  障害に係る公費負担医療制度間での負担の不均衡を解消し、医療費の多寡と所得の多寡に応じた、公平な負担 をお願いします。

 ○  障害のある方にも制度を支える一員として負担をお願いしつつ、公費負担医療の給付を、低所得の方などに重 点化します。

入院時の食費標準負担は自己負担へ
 ○  在宅で治療を受けていても入院で治療を受けていても、費用負担が公平になるようにします。

所得の低い方等へは負担の軽減を図ります
 ○  定率負担については、所得の低い方には月当たりの負担額に 上限を設定します。

 ○  所得の低い方以外にも、継続的に相当額の医療費負担が発生 する方(「重度かつ継続」)には、月当たりの負担額に上限を設定します。

 この資料は、18年4月時点での利用者負担及び軽減措置を記載したものであり、3年後に障害者自立支援法全体の見直し を行う際に、利用者負担についても、併せて見直しを行います。


負担を軽減する仕組みは・・

(1)  原則は定率10%負担ですが、医療保険の自己負担限度額によって負担が増え過ぎることにはならず、 さらに、所得の低い方には月当たりの負担額に上限を設定します。

 ・ 生活保護世帯の方なら、0円
 ・ 市町村民税非課税世帯で障害基礎年金2級(月6.6万円)のみ受給程度の収入の方なら、2, 500円まで
 ・ 市町村民税非課税世帯の方なら、5,000円まで

 自立支援医療の「世帯」の範囲:医療保険単位(=異なる医療保険に加入している家族は別「世帯」と して扱う)

(2)  所得の低い方以外についても、継続的 に相当額の医療費負担が発生する方(「重度かつ継続」)には、月当たりの負担額に上限を設定します。

<上限額>
 ・ 市町村民税課税で市町村民税額(所得割)が2万円未満の世帯の方なら、5,000円まで
 ・ 市町村民税額(所得割)が2万円以上20万円未満の世帯の方なら、10,000円まで
 ・ 市町村民税額(所得割)が20万円以上の世帯の方なら、20,000円まで(経過措置)

<当面の「重度かつ継続」の範囲>
 ・ 疾病等から対象になる者
 精神通院医療
(1) 統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬 物関連障害(依存症等)
(2) 3年以上の精神医療の経験を有する医師により、以下の病状を示す精神 障害のため計画的・集中的な通院医療(状態の維持、悪化予防のための医療を含む。)を継続的に要すると診断された者として、認定を受けた者
情動及び行動の障害
不安及び不穏状態
 更生・育成医療  腎臓機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害
 ・ 疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続することから対象となる者
 精神・更生・育成  医療保険の多数該当の者

(3)  育成医療については、対 象者に若い世帯が多いことなどを踏まえ、月当たりの負担額に特別な上限を設定する激変緩和の 経過措置を講じます。

<上限額>
 ・ 市町村民税課税で市町村民税額(所得割)が2万円未満の世帯の方なら、10,000円まで
 ・ 市町村民税額(所得割)が2万円以上20万円未満の世帯の方なら、40,200円まで


 ケース1(精神通院)  統合失調症(「重度かつ継続」に該当)のため、デイケア等を利用している事例(月額 医療費約15万円)

 一定所得以上の方は、「重度かつ継続」に該当する場合に自立支援医療の対象(経過措置)


 ケース2(更生医療)  小腸機能障害(「重度かつ継続」に該当)(※1)で中心静脈栄養を受けている事例 (月額医療費約22万円)

※1 小腸大量切除又は小腸疾患により小腸の栄養吸収機能が低下し、中心静脈栄養による栄養補助を要する症状。
※2 経過措置(一定所得以上の方であっても、「重度かつ継続」に該当する場合は、自立支援医療の対象)による額。


 ケース3(育成医療)  心室中隔欠損・大動脈縮窄症(大動脈縮窄症手術)のため入院治療を受けている事例  (月額医療費約300万円)
(※)  育成医療を受ける障害児の保護者が障害基礎年金受給者である場合。


【参考1】自立支援医療の対象者、自己負担の概要

第54条第1項、第58条第3項第1号関係

1. 対象者  従来の更生医療、育成医療、精神通院医療の対象者であって一定所得未満の者(対象疾病は従来の対象疾病の範囲どおり)
2. 給付水準  自己負担については1割負担網掛け 部分)。ただし、所得水準に応じて負担の上限額を設定。また、入院時の食費(標準負担額)については自己負担。


※1  (1)  育成医療(若い世帯)における負担の激変緩和の経過措置を実施する。
 (2)  再認定を認める場合や拒否する場合の要件については、今後、実証的な研究結果に基づき、制度施行後概ね1年以内に明確 にする。
※2  (1)  当面の重度かつ継続の範囲
  ・  疾病、症状等から対象となる者
  精神 ・・・・・・
(1) 統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)
(2) 3年以上の精神医療の経験を有する医師により、以下の病状を示す精神障害のため計画的・集中的 な通院医療(状態の維持、悪化予防のための医療を含む。)を継続的に要すると診断された者として、認定を受けた者
情動及び行動の障害
不安及び不穏状態
  更生・育成 ・・・・・・  腎臓機能・小腸機能・免疫機能障害
  ・  疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続することから対象となる者
  精神・更生・育成 ・・  医療保険の多数該当の者
 (2)  重度かつ継続の対象については、実証的な研究成果を踏まえ、順次見直し、対象の明確化を図る。
※3  「一定所得以上」かつ「重度かつ継続」の者に対する経過措置は、施行後3年を経た段階で医療 実態等を踏まえて見直す。


【参考2】自立支援医療における「世帯」について

基本形=医療保険単位による「世帯」
 「世帯」の単位については、住民票上の世帯の如何に かかわらず、同じ医療保険に加入している家族によって範囲を設定する。

 医療保険の加入関係が異なる場合には、税制における取扱いに関係なく、別の「世帯」として取り扱 う。


<左図の例>

 健康保険に加入するA氏とB氏からなる「世帯」と、国民健康保険に加入するC氏からなる「世 帯」に2分される。

 税制上はC氏がB氏を扶養親族としている場合であっても、医療保険の加入関係が異なるので、 C氏とB氏は別の「世帯」。

選択肢
 同じ「世帯」内の誰もが、税制上も医療保険上も障害者本人を扶養しないこととした場合には、障害者本人とその配偶者の 所得によって判断することを選択可能


あなたの負担はこうなります(自立支援医療)

 この資料は、18年4月時点での利用者負担及び軽減措置を記載したものであり、3年後に障害者自立支援法全体の見直しを行う際に、 利用者負担についても、併せて見直しが行われます。





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