雇用期間中に数回の交通事故(軽微な物損事故)を起こしたことを主な理由として「雇止め」=解雇された岡山支店期間雇用社員・萩原和也さんが、解雇撤回を求め裁判闘争を闘い抜き、広島高裁岡山支部において、解雇不当との全面的勝利判決を勝ち取りました。
しかし、被告=会社は、不当にも最高裁に「上告受理申立」を行い、解雇の正当性を主張しようとしましたが、最高裁は高裁判決に問題はないとして「不受理」を9月14日に決定しました。
この最高裁による「不受理決定」で萩原さん全面勝利の高裁判決が確定することになりました。
萩原さんは、10月15日からの職場復帰が決定しています。
この勝利判決は、全国20万人期間雇用社員を大きく勇気づける判決となりました。
そして、闘えば勝てるとの明るい未来を切り拓く一歩となりました。
(講師 大橋先生プロフィール)
1988年3月:京都大学法学部卒業
1988年4月:京都府宇治市役所職員
1993年3月:宇治市役所を退職
1997年4月:第51期司法修習生
(実務修習地・大阪)
1999年 4月:大阪弁護士会登録
〇主な担当した事件(抜粋)
・労働審判申立事件
(セクシュアルハラスメント・不当解雇等)
・未払賃金請求訴訟
〇弁護団事件(抜粋)
・小泉首相靖国神社参拝違憲訴訟(大阪・松山)
民営化となり、会社は交通事故が多いと業務停止となるなどと強調しつつ、会社の責任は一切問わず、個人責任追及を強めてきました。
その中で、萩原君が過去に数回の軽微な物損事故を起こしていたことと、事故対策が強調された時期にたまたま萩原君がこれも軽微な物損事故であるが事故を起こしたことに飛びつき、「雇止め」を強行したのです。
その意味では、交通事故を起こせば雇止めになるという恐怖心を期間雇用社員に持たせ、職場での支配の強化を狙うものであったといえます。
そもそも、萩原君の仕事から言っても雇止めになる理由はなく、勝利判決は当然と思っています。
いつまでも働けると採用しながら、65歳以上は雇止めとされ、高齢者の雇用継続が社会に大きな流れになっている中で、その不当性を訴え、7人の期間雇用社員が雇止め撤回を求め裁判闘争を闘っています。
講 演 「世界の非正規雇用と日本の現実」
講 師 大橋さゆり弁護士(大阪労働者弁護団)
原告からの決意
左:石澤さん(豊中) 中:山本さん(大阪城東)
右:スキル裁判を支える会 小田事務局長
左 : 司会 東さん(岡山) 右 : 開会挨拶 天野さん(大阪城東)
大橋先生自ら訪れ調査されたスウェーデン、オランダにおける非正規雇用労働者の実態との比較を中心に、日本の非正規雇用の問題点を提起していただきました。
また、改正された「労働契約法」について、「入口規制」がまったくなされておらず、有期から無期への5年間というのも長すぎ、かつ、本人申し入れが必要とされるなど、問題点が多いと指摘されました。
特徴として、オランダでは、
・ 「フルタイム、パートタイムの労働条件は同じ、勤務時間の長さの違いのみ。
・ フルタイム、パートタイムを自由に選ぶ権利がある。
・派遣労働者は26週間同じ派遣企業で働くとその企業の正社員と同じ給料になる
・ 経営者も「労働者にファーストクラスとセカンドクラスをつくってはいけない」と言っている
スウェーデンは、徹底した男女平等を追求。男性にも育児休業の義務づけ。
《大橋先生講演の当日レジュメ》
非正規センター(ゆい)・稲岡
萩原君を支える会代表・小倉さん
広島・福山郵便局の占部さん(写真右側)がイジメ・パワハラに屈することなく、パワハラは許せないと裁判を決意。
まだ裁判は始まったばかりですが、多くのご支援を。
(左「占部裁判を支援する会」事務局:石野さん)
「占部裁判を支援する会」会員加入要請
基礎評価給とスキル評価というまったく異なる評価を連動させ、最大時給200円もの賃金ダウンに対し、その撤回を求め裁判提訴。会社は次回(2013年4月)からの賃金では「連動させない」と提示。ではなぜ、賃下げしたのか厳しく追及。
原告からの決意表明
左:濱さん 右:丹羽さん
岡山期間雇用社員・萩原さんの解雇不当との広島高裁岡山支部での原告全面勝利判決に対し、被告=会社は不当にも最高裁へ「上告受理申立」を行っていましたが、第9回交流会開催を目前とした2012年9月18日、最高裁が「不受理」を9月14日付で決定したとの通知が届きました。
萩原さんの解雇撤回裁判全面勝利高裁判決が確定したのです。
そのうれしい結果を受け第9回ゆうメイト全国交流会も大幅にプログラムを変更し、「第二部」として「萩原裁判全面勝利報告」を行いました。
1時間半、例年通り、ビール・お酒・軽食でわいわい、にぎやかに交流を深めました。
参加者の皆さん、大変ご苦労様でした。
裁判に勝利できたのは、皆さんからの暖かい物心両面にわたるご支援のおかげです。
本当にありがとうございました。
今後は、正社員登用試験への受験も奪われ、本来なら正社員になっていた可能性もあり、会社の不当な雇止めによりその道を閉ざされたことも含め、その責任を追及し、正社員登用も求めていきたい。