アドンファの園  

The Garden of Adompha






【予言】



  夢の中でアドンファの園を訪れた。













揺れ動く大気に押し包まれて        何かがゆっくりと発芽していく       天界には黒い太陽が、冥界に根をはり            咲き誇っていた。       




























      庭園の散策は気晴らしにいい          木々の幹には愛しい人の貌が微笑み、           艶やかな黒髪が樹皮を覆う   





























いつの日にか、やがて・・・














【過去】




                冥界のほとりに根をうがち、


                         アドンファの園に再生する


                                   罪人たちの暗色の記憶






                 そして


                         ひっそりと息づくキメラ九態




             幻獣たちが

                           地に

                                      空に










  それでも天体は運行を続ける。      


  まるで何ごともなかったかのように    






バラバラになった運命を        


  宙にちりばめてみた        














    胞子となって舞い上がり


        私の体を押し包め









                                        ともに逝こう アドンファの園へ






    禁断の扉を押し開き


    秘密の庭園へと足を踏み入れた










    ひとたび訪れたなら


    決して後戻りできぬ終焉の地











    


    待ち受けるのは
    

    情痴に満ちた、植物との異類婚










                      アドンファの園。

             かの地はあまたの罪人が最後に訪れる、異郷の巡礼地


               得られるのは、負の側の人間にもたらされる

                      負の側への救済



【現在】


広大な庭園に生い茂る樹木には、

豊かに実った人体器官が房をなす。


かっての記憶に衝き動かされ、

乳房を腰をくねらせて

緩慢な動きを続ける肉の果実たち


途切れ途切れの呪詛の声が

  足元にじわじわと絡みつく








引き抜かれたマンドラゴラの根

いかなる怨嗟の声をもしのぐ絶叫

        絶叫

                 絶叫















そして臨界






















              来るべき再生を待ちながら・・・















【終末】


                     お疲れさまだよ




                           








このとき背後(とか、その辺)にいた



石川さん、柏木さん、上原くん



         ありがとう




<写真は全て彼らの手になるもの>



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