うち捨てられた遠い岸辺 色褪せた太陽が澱んだ赤光を投げかける
力なく打ち寄せる波打ち際を、 剥がれ皮を引きずりながら歩いていく
禁断の黒い山脈を越え 赤茶けた大地をみみず走る痛ましい亀裂 牧神は終末を告げる角笛を吹き鳴らし、 大気を微かなさざなみがくすぐっていく
大地に浮き出たかさぶたの 白く乾いた山脈の裾を 赤い運河が走り抜ける
這い上がる再生への渇望が 新しい太陽の到来を...
撮影:石川 克則 柏木 直樹