お 説 教 集

 

2007年12月2日 待降節第1主日

人の子が来るのは、ノアの時と同じである。
……あなたがたも用意していなさい
(マタイ24・37、44より)

ノアの箱船


ロワゼール神父様

いい季節になりましたね。寒いですけれども、どこにいっても楽しそうです。クリスマス会とか、その準備をしていて、よろこばしいことばかりです。今日もこちらにクリスマスのコンサートがあります。昨日もありましたので、まあ、ほとんど毎日のようにあります。もう、すでにクリスマス気分になっているのです。

さきほど、こちらのローソクに火をつけて、待降節の始まりとなりました。待つことも大切なわけです。待つことは、私たちのなかにイエス様が来られるということを、思い起こすということです。気持ちとして、待つ時間というのはとても大事なことだと思うのです。

皆さん同じような経験があると思いますが、子供たちなどは夏休みになる前、休みに入るまでが一番楽しいんですよね。何をしようか、あれもしよう、これもしようといろいろ考えるわけです。そんなふうに、私たちもクリスマスを楽しみにしています。本当に、今年のクリスマスが一番よくて、最高のクリスマスだと思えば、楽しくなりますね。

きょうのイエス様のお言葉で、気になることがあります。イエス様は「目をさましていなさい」と繰り返し言っています。

私の生まれたところでは、カナダですけれども、今年の警察の発表によりますと、今年の交通事故で、死亡事故の20%は居眠りが原因だったのです。運手していて、いつの間にか居眠りに陥って事故になってしまうのですけれども、私たちが目を覚まさなければ、もしかしたら同じようなことがおきてしまうかも知れない。

なるほど、そうなのかと思うことがありました。今日のカトリック新聞で晴佐久神父様が書いていますが、国連の調べによると、いまのスピードのまま、地球の温暖化が進むと、2020年にはグリーンランドの雪や氷がほとんど消えてしまうそうです。

ご存知のようにグリーンランドは北極園に近い土地で、何十万年前からの雪が氷になってずっと残ってきているところです。ここの氷が消えると、その分世界の海面の高さが全世界で七メートル上がってしまう。東京あたりは、大変なことになりますね。世界のほとんどの大都市は海の近くにありますから、海面が増すとその影響ははかりしれません。まあ、そうならないとは私は思いますが、国連の報告ではそうなる可能性があると書いてあります。だから結局、大洪水はノアのときだけではないですね。

他にも影響が出るそうです。温暖化が進むとアフリカで水が足りなくなります。飲み水、生活水が足りなくなり、まあ数は定かではありませんが、2億2800万人が深刻な水不足に陥ってしまうそうです。すごい数ですね。カナダの人口の5倍です。そうなると、私たちも心配になります。そして何が出来るかを考えたとき、無力感にとらわれてしまう。

それに対して、どうしたらいいのでしょうか。いまの世界の消費、地球のなかにあるものを使いすぎる。それを変革しなくてはならない。けれども、それは大変なことです。自分の利益が優先されてしまう。

ところが本当の問題はどこにあるのかというと、人間が他の人間を大切にしないということだと思います。わたしは人をどういうふうに人を大切にできるか、考えてみてください。世界の人について考えなくてはならないでしょうが、まずはわたし個人として、何ができるかを考えましょう。

一緒に住んでいる人を本当に大切にしているでしょうか。孤独感があり、何かに悩んでいる人に対して、何ができるか。そういう身近なところで考えないと、どうにもなりません。そういうことが人を大切にすることなのだと思います。

それは自分を大切にすることになるかも知れません。もっと人間関係もよくなるし、自分もそのことを喜びに感じるでしょう。今度のクリスマスの意味を感じることになるでしょうし、その喜びを感じることにつながるのではないでしょうか。ひとつのヒントにすぎませんが、皆さん一人一人、クリスマスに向けていろいろ考えていただければと思います。どうぞ、良いクリスマスを迎えてください。


(文章については、特別に神父様からHP掲載の許可をいただいておりますが、テープおこしの段階などで、管理人の判断により修正を加えております。お説教録音テープの聴取が困難なときなど、文の省略もありますので、あらかじめご了承下さい)

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