お 説 教 集

 

2008年11月7日  

この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる
(ヨハネ2・19より)


ロワゼル神父様


いま、秋川渓谷の紅葉が見ごろだそうです。
東京でもこんな自然が残っているのだと思うほどに
きれいな水が流れています。
あちこち小さな滝もあり、
川沿いにゆっくり散歩するとすがすがしい気持ちになります。

今日のエゼキエルの預言のなかでも、川が登場します。
幻の「主の神殿」からきれいな川が流れていたと書かれています。
すべての生き物が生き返る川。
魚も豊富で、かわらにはたくさんの木が茂り、
毎月のように果実をつける。

この幻のなかに、主なる神のつくしみと、
それに支えられている豊かな命が描かれています。

自然の中に入ると、同じように
豊かな恵みを思い出すものですが、
このまぼろしのなかでは、
教会が恵みの源であるように表現されています。

神殿、神の家とはどんなものでしょうか。
福音のなかでは、
イエス様はご自分が本当の神殿だとおっしゃいました。
「この神殿をこわしてみよ。三日で立て直してみせる」

だから、私たちは復活されたキリストの体のなかに
集まらなくてはなりません。

復活したキリストのなかに、私たちは生きていますし、
キリストは神殿そのものです。
その神殿から恵み、ゆるし、豊かさ、すべてが流れてくるのです。

自分の人生を中心はキリストであります。
この人生をいかしている人がキリストです。
いのちの水を下さる方はキリストです。

キリスト者という素晴らしい呼び名をもっているのは、
キリストが長だということを、人の前で示しているからです。

だからキリストの体という神殿のなかに避難することができます。

イエス様ははっきりと「わたしを愛するものは、
父も私も彼のうちにすむ」とおっしゃっています。

教会のなかに神が住んでいます。心も体も神の家です。
お金などと比べることはできないほど、一番大きな宝です。

ですから主に祈り、主と話し、その交わりをいつも思い出したいです。
朝、昼、夜、いつでも、
私たちは主キリストと強く、結ばれることができるのです。

イエス様は次のようにもおっしゃっています。
「二人、三人が集まって祈るところに、私はいます」。

そうだとしたら、イエス様がここに集まっている私たちと、
いま、共におられるということです。

イエス様がいっしょにおられるのは、
ミサの間だけというわけではありません。
私たちが集まっているところにイエス様がいるのです。

神の恵みに感謝する、この集会自体が、
神様が私たちのうちに住んでいるしるしです。

いまは、信じることは個人的なこと、ひとりひとりのこととよく言われます。
もちろん神との個人的なつながりは大切ですが、
共同体とのつながりも大切なことです。

「神父様、大丈夫です。私は自分のいえでお祈りをしています。
信仰を保っています。」といわれることが時々あります。

でも無人島みたいなところで、
ただひとりで自分の信仰生活を行うというのは、
初代教会の時代から、キリスト者のすることではありません。

私たちは互いに、他のひとたちと信仰をあかしし、いっしょに神様のからだである神殿のなかで、神様の信仰を祝うことは、信者としての生活に欠かせないものです。

神様の神殿は私たちの家でもあります。
赤堤教会はラテラン教会やバチカンのように巨大ではありませんが、
皆さんの家であり、美しき聖堂であり、
王であるキリストに捧げられた教会であります。
神を尊敬し、崇拝するために、教会は作られています。

教会はこの世の人々に、神の存在が見えるようにしています。
人生では価値のあるものは、財産、仕事、
物質以上のことがあると示し、
ときに万物のつくりぬしを想い天を仰ぐことが必要なのだと伝えます。
教会の聖堂が神の存在を示しているといっても過言ではないと思います。

キリストの復活の記念である日曜日に、
みなさんといっしょに、祈ったり、歌ったり、御聖体をいただくことで、
私たちの信仰が強められ、
キリストの命を力をいただくことが出来ます。
主キリストにおいて、共同体をより強く結び付けます。

神の家はまずキリストです。
また神の家は私たちの心でもあります。
さらに神の家は、信じている皆さんの集まり、共同体です。
そしてこの教会の聖堂も神の家です。
だから、主なる神、主イエスからどれほど恵みを受けているか、自覚できます。

主への信仰を祝うことで
私たちの信仰が刺激され、
希望が強められ、祈りが喜びであふれます。



(文章については、特別に神父様からHP掲載の許可をいただいておりますが、テープおこしの段階などで、管理人の判断により修正を加えております。お説教録音テープの聴取が困難なときなど、文の省略もありますので、あらかじめご了承下さい)

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