お 説 教 集

 

2008年12月14日  

あなたがたの中には、あなたがたの知らない方がおられる
(ヨハネ1・26より)


ロワゼル神父様

今年の夏もカトリックのボーイスカウトのキャンプがありました。
テーマは光の子として歩むというものでした。

全国からボーイとガールスカウトが岩手山のふもとに集合。
百人をこえていました。小さな子から大学生まで、
みんなひとつの家族のようになってふれあい、
大自然のなかでおいしい空気を楽しみ、
共同生活を堪能できました。

素晴らしい風景が見えました。
私は、この子たちは大人になって、社会に出てからも、
この素晴らしい体験を忘れずに、
光の子としてやっていって欲しいと祈っていました。

いまは本当に大変なときです。
イラク、アフガニスタンといった外国の混乱だけではありません。
日本でも年間3万人が自殺しています。
ある意味で外国の戦争よりも多くの人が犠牲になっているのです。
私たちに本当に光が必要だと思います。

究極の困難にある人は身動きがとれません。
真っ暗の中にいます。彼らの心と魂は、完全な闇を体験しています。

皆さんのなかにもそうした経験がある人がいるかも知れません。
でも、彼らは完全の闇のなかに生きて、方向もわからなくなっています。

そんなときに、今日の福音、パウロの箇所を読むとはっとさせられます。

「霊の火を消してはいけません」(テサロニケ5章)。

いまの私たちには本当に霊の火が大切なのです。
どんな時代であろうと、最も大切なのは霊の火です、神の愛の火です。
この地に神が使わされたとき、
賜物としていただいた霊の火を、けっして消してはなりません。

その火を受け継いでいる私たちは、
それを自分の代で消してはならない。
先日、列福された殉教者たちの火を消してはならない。
パウロが私たちに、そう訴えているように感じます。

洗礼者ヨハネもその光を示した方です。
光についてはなしをする、証しをすることにつとめました。
私たちは、光そのものではなく、光を証しする存在です。

光はキリストそのものです。証しをすることは尊い仕事です。
キリストの輝きを見抜いた洗礼者ヨハネは、
最も大事なことを知っていました。
キリストの光について証しをするということです。

キリストの光を伝える教会にも尊い使命があります。
闇と思うような世に、光をともしていきたいと思います。

私たちには、だれにも絶対に光が必要です。
そこにキリストの光があるなら、ただただそれを守るしかありません。
それが消えてしまったら、もう終りだと思います。

たとえば、それが世界最後の火であって、
これが途絶えたら未来永劫ずっと闇だとしたら、
誰でも命がけでその火を守ろうとするでしょう。

それほど大切な光を知っている人は、
それを必要としている人に分けてあげるべきだと思います。

もうすぐクリスマス。
ひかりが闇の中にともされます。
私たちは降誕節に歌います。

"闇の中にその民は光を見た"。

美しいオラトリオ、ヘンデルのメサイヤの10番です。

闇の中にすむ民は光を見出し、それをみんなに伝えていきます。
この光が私たちの心の中に喜びをもたらします。
今日は喜びの日曜日、つまり主日ですが、
自分がキリストの愛で満たされていると
本当に自覚して感謝しなくてはならないでしょう。

皆さん。きょうのお説教の最後に、
パウロ自信の言葉をもういちどいっしょに読みたいと思います。

"どうか平和の神御自身が、
あなたがたを全く聖なる者としてくださいますように。
また、あなたがたの霊も、魂も体も
何一つ欠けたところのないものとして守り、
わたしたちの主イエス・キリストの来られるとき、
非のうちどころのないものとしてくださいますように"。アーメン。


(文章については、特別に神父様からHP掲載の許可をいただいておりますが、テープおこしの段階などで、管理人の判断により修正を加えております。お説教録音テープの聴取が困難なときなど、文の省略もありますので、あらかじめご了承下さい)

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