風林火山(ふうりんかざん)

「疾如風徐如林侵掠如火不動如山」
戦上手で著名な武田信玄の旗印のひとつとして知られるこの言葉の出自は古代中国の兵書『孫子』に因るものとされ、原文には「其疾如風 其徐如林 侵掠如火 不動如山」であり、用兵術の基本として広く知られている。
しかし原文では、そのあとに「難知如陰 動如雷震」と続いており、これも含めて読み下すと「その疾きこと風の如く その徐(静か)なこと林の如く 侵掠は火の如く 動かないこと山の如く 知り難きこと陰(影)の如く 動き震わすこと雷の如く」である。
これをさらに意訳すると「風のように疾く林のように静寂に兵を動かす。攻めるときには火の如く、(待機の際には)山の如く構えて動かない。影のように密かであり、雷のごとく襲いかかる」というところであろうか。